サステナビリティコミュニケーション
エプソンは、ステークホルダーの皆様にサステナビリティ活動に関する情報を伝えるだけでなく、ステークホルダーの意見に耳を傾け、企業活動に反映させています。そのために、適切な手段を使いステークホルダーとの双方向のコミュニケーションを行い、サステナビリティ活動の質向上に役立てています。
外部有識者との対談
2021年12月に、CSR/SDGsの有識者である笹谷秀光氏と、当社取締役瀬木達明がオンラインにて対談を行いました。
笹谷氏は、農林水産省を退官された後、(株)伊藤園において長きにわたりCSR推進活動に携わられ、(株)伊藤園の第1回ジャパンSDGsアワード受賞に多大な貢献をされました。今回、エプソンは社会課題を起点にEpson 25 Renewedを発表したところで、笹谷氏からSDGsに関する最新動向・他社情報をお聞きし、エプソンの取り組みについてご意見をいただくため、対談を行いました。
笹谷氏からエプソンへのメッセージ
企業の取り組みに対し、SDGsの「当てはめ」を行うことはフェーズ1。今はフェーズ2であるSDGsの「活用」に入ったと見ています。フェーズ2は、SDGsの「当てはめ」をどう使うか。IR(投資家向けの経営状況や業績動向に関する情報発信活動)の効果を高める、それから社内の事業戦略との連動性を高めて収益構造を作る。それから商品開発の部門に刺激を与える。そして何よりも販売が好調になる。以上の結果、「外に良く内に良い」構造で企業の競争力をさらに高めることができると考えています。
御社は、国内に先駆けてSDGsを小数点レベルのターゲットで事業活動と紐付けを行い、各担当部署の活動に落とし込んでいます。今後、ターゲットの紐付けを意識付けする社内的な浸透策をやると効果が上がるでしょう。

千葉商科大学基盤教育機構教授
CSR/SDGsコンサルタント
瀬木取締役のコメント
2021年3月に、長期ビジョンと環境ビジョンを改定し、「持続可能でこころ豊かな社会の実現」を打ち出してから、社内の雰囲気も、私たちはサステナブルな世の中を作るため社会課題解決を行う、というように変わってきました。
さらに、SDGsのフェーズ2に向けて事業戦略との連動性を高めて、社員隅々まで個々の活動に落とし込むには、ターゲットとの紐付けを意識した浸透策を実施することが必要だと考えています。一方で、エプソンが掲げている「カーボンマイナス」「地下資源消費ゼロ 」を実現するためには技術的なハードルも乗り越えなければならないことが多くあり、そのハードルは高いので、気を引き締めて取り組んでいきます。

取締役 専務(当時常務)執行役員
経営戦略・管理本部長 兼
サステナビリティ推進室長
サステナブル・ブランド国際会議に協賛・出展
「サステナブル・ブランド国際会議*12022横浜」に協賛・出展
エプソンは、その趣旨に賛同し、2022年2月24~25日に開催された「サステナブル・ブランド(SB)国際会議2022横浜」に協賛・出展しました。今回で4年連続の協賛になります。
SB2022のテーマ「ReGENERATION」は、循環型経済の牽引を目指すエプソンの方向性とも合致しており、企業として提供できる社会的価値を示しながら、新たなイノベーションに向け共創の必要性を訴えました。
「基調講演」では代表取締役社長の小川が、「持続可能でこころ豊かな社会」というありたい姿を実現するための考え方や取り組みを紹介、特にActivivation Hub(展示エリア)で展示したテキスタイル市場に向けたエプソンのデジタル技術にも触れ、社会課題解決に向けたエプソンの提供価値を伝えると共に、関係企業との連携の必要性を訴え、広く共創を呼びかけました
またブレイクアウトセッションでは
「デジタル技術で描くサステナブルファッションの未来」というテーマで、ファッションに関わる
エコシステムを構築するメンバーに環境省「ファッションと環境」タスクフォースサブリーダー清家様を迎え、パネルディスカッションを実施。
ファッションデザイナー(中里様)、生産システム提供企業(Avail/小谷様)ファッションコーディネータ(吉田様)、弊社社員が登壇。更にファシリテータ役をピーター・D・ビーダゼン様に務めて頂きました。ファッション・アパレル業界が直面している社会課題と、その解決のためにそれぞれの企業が行う取り組みや、今後の可能性について活発な討議が行われました。
Activity Hub(展示エリア)ではポップアップショップをイメージした空間に、エプソンのデジタル捺染で印刷したファッションデザイナー中里唯馬様の作品を展示しました。加えて、プロジェクターを用いて空間演出を行い、多くの来場者に、デジタル技術による価値創出を体感いただきました。
*1 サステナビリティ(持続可能性)に関する世界最大級の国際会議です。経営戦略に「サステナビリティ」の考えを取り入れることが、企業の競争力とブランド価値を高める上で重要であるという共通認識の下、2006年に米国でスタートしました。
京都大学経営管理大学院シンポジウムに参加
2021年8月、京都大学経営管理大学院主催のオンラインシンポジウム「脱炭素社会への世界の潮流と“グリーン成長戦略”を考える」が開催され、一般の方を含む約500名の方々が参加しました。シンポジウムでは、産学官の有識者がオンラインで脱炭素化社会に向けた「グリーン成長戦略」について議論を交わしました。
当社からは、取締役専務(当時常務)執行役員でサステナビリティ推進室長の瀬木達明が基調講演に登壇し、「脱炭素におけるエプソンのサステナビリティ経営」について紹介しました。パネルディスカッションでは、「脱炭素社会に向けた日本社会の変革」をテーマに展開されました。そこでは、脱炭素社会に必要な政策と産業構造について目指すべき水準とのギャップが大きいことや、脱炭素社会やデジタル社会が加速すると想定した時に日本企業の強みを認識しつつスピードの遅れをどう乗り越えていくのか、という議論がなされました。
また、登壇者の皆様から当社への今後の期待と示唆に富んだご意見をいただきました。当社のサステナビリティ活動へ役立てていきます。

地域住民
地域住民との意見交換会
当社およびグループ会社では、拠点を置く各地域の皆様を招いて、意見交換会を実施しています。当社の事業、環境活動やリスク管理体制について理解を深めていただくと同時に、積極的に地域のニーズや課題をお聞きし、良好な信頼関係の構築に努めています。
2020年10月、諏訪南事業所と富士見事業所二つの拠点を置く長野県富士見町の町長をはじめ地域役員の方々をお招きし、懇談を行いました。構内の排水処理施設、当社オフィス製紙機PaperLabや捺染印刷の機械や技術を紹介し、懇談会ではコロナ禍における地域と会社双方の発展につながる活発な意見交換を行いました。
