サステナビリティ経営の推進
エプソンは、商品・サービスの提供を通じ、さまざまな社会課題の解決に貢献してきました。今後も、長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」のもと、お客様やパートナーの皆様との共創を通じて社会価値と経済価値の同時創出を目指し、持続可能な社会の実現と企業価値向上に取り組みます。
サステナビリティ経営の深化
長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」 策定にあたって様々な角度から社会環境を考察する中で、脱炭素化やエネルギー・資源制約の進行、AI・データ社会の急速な進展、人手不足の深刻化、新興国を中心とした人口増加や経済成長、さらには地政学リスクや規制強化など、企業を取り巻く状況は大きく変化していることを認識しました。これらの変化は企業活動に新たな制約やリスクをもたらす一方で、社会や産業の構造そのものが変革する大きな機会でもあります。
こうした環境下において企業に求められるのは、短期的な利益追求だけではなく、社会課題の解決と持続的な成長を両立する経営です。長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」では、「省・小・精」の技術・思想を基盤に、社会や産業の持続的な発展に貢献することを目指しています。エプソンは社会課題を起点として価値を創出し、技術を進化させ、その価値を社会実装することで、社会価値と経済価値の同時創出を図り、収益性および資本効率の向上を通じて中長期的な企業価値向上を実現します。これまで進めてきた環境への取り組みについては、省エネルギー・省資源技術による環境負荷の低減に貢献する製品・サービスの提供を通じて、お客様の課題の解決と事業機会の創出を両立していきます。
また、価値創造を持続的に実現するためには、事業そのものだけでなく、それを支える経営基盤の強化が不可欠です。エプソンは、人的資本を価値創造の源泉として位置づけ、グローバル組織・人材基盤の整備を進めるとともに、不確実性の高い環境下でも構想・実行を担うリーダー人材の育成や、技術を社会実装につなげるエンジニアリング人材の強化、多様性の推進に取り組んでいます。また知的資本の強化とあわせて、ESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを通じて、価値創造を支える経営基盤の高度化を進めています。エプソンはこれまでもグローバル全拠点での再生可能エネルギー100%化や、Responsible Business Alliance(RBA)の活動をはじめとした、サプライチェーン全体での環境・人権対応などを進めてきました。長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」の実現に向けて、脱炭素の推進や再生可能エネルギーの活用、サプライチェーンのレジリエンス強化、人権尊重、コンプライアンス、情報セキュリティといった重要課題にグループ全体で取り組みを進めています。
こうした考え方のもと、エプソンは社会環境の変化がもたらすリスクと機会を分析し、事業を通じて価値を創出する重要課題としてマテリアリティを特定しています。また、マテリアリティを起点に価値創造プロセスを再構築し、取り組みテーマおよびKPIを設定しています。特に今回の価値創造プロセスの見直しにあわせて、非財務領域である経営基盤に関するKPIについても再整理し、人的資本と知的資本に関するKPIについてはより事業成長への貢献と連動性を意識し改善しました。 今後、社会価値と経済価値の創出状況を継続的に管理・改善しながら、長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」の実現を目指していきます。
エプソンが尊重する国際的な社会規範
エプソンは、パーパス「『省・小・精』から生み出す価値で、人と地球を豊かに彩る」、経営理念、そして創業より大切にしてきた「誠実努力」「創造と挑戦」の精神に基づき、企業行動原則にのっとった自主的な行動と継続的な改善により、社会的責任を果たしていきます。
また、事業活動を行うそれぞれの国・地域において法令を遵守することはもとより、社会規範を尊重し、その基本的な考え方を理解したうえで行動しています。
尊重する国際的な社会規範
- 国連グローバル・コンパクト10原則
- 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)
- OECD多国籍企業行動指針
- 経団連企業行動憲章
- ILO中核的労働基準
- RBA行動規範
- ISO 26000
- 国連『ビジネスと人権に関する指導原則』
推進体制
エプソンでは、社長直轄の組織としてサステナビリティ・コーポレートコミュニケーション推進室を設置し、その責任者に執行役員が任命され、グループ全体のサステナビリティ活動に関する責任を担っています。また、社長の諮問機関として、本部長、事業部長などの経営層に加え、社外取締役、監査等委員により構成され、様々な経営課題や経営方針を議論する「経営戦略会議」にて、社会動向レビューに基づきグループ全体に係るサステナビリティに関する中長期戦略を策定し、活動の実践状況のレビューや重要課題への取り組みなどについて審議しています。
さらに、経営戦略会議の下部組織として、「サステナビリティ推進会議」を設置し、サステナビリティ活動に関する専門事項について協議・検討を行っています。同推進室はサステナビリティ推進会議の事務局を担当するとともに、これらの内容を取締役会に定期的に報告するとともに、その監督の下で活動を推進しています。
実施事項
経営戦略会議におけるサステナビリティ関連の議題・報告事項
| 年度(開催回数) | 主な議題 |
|---|---|
| 25年度(6回) |
・サステナビリティ重要テーマKPIの24年度実績と25年度目標について ・自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)評価結果とFY25開示について ・サステナビリティ開示基準対応(SSBJ/CSRD等)への対応について ・人権講演会 ・RBA活動の実践状況レビュー ・調達遵法実践状況レビュー など |