ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
経営者メッセージ
エプソンのお客様は、世界各地でエプソンの製品やサービスを利用してくださる人々です。多様なお客様を理解し、驚きや感動を与える新たな価値を届け、一人でも多くの人の生活を豊かにしたいと願っています。それには、私たち自身が多様であることに加え、その違いを認め、互いに受け入れることで多様性が活かされる環境であることが必要です。10年後、さらにその先も、持続的にそして柔軟に成長する企業であり続けるため、国や地域を超えて、全社員が楽しく事業活動に参画し、対等に議論ができる企業文化を創り上げていきます。会社が社会的使命を果たすためには、自由闊達な職場が根幹であり、そのためにダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下、DE&I)を尊重し、実践していきます。
コミットメント
DE&Iの推進を重要な経営課題の一つと捉え、経営層や管理職を中心とした意識改革や、ジェンダーギャップを含むさまざまな格差・差別の解消、働きかたの選択肢拡充などを通して、多様な人材が能力を最大限発揮できる企業文化の早期醸成に取り組みます。それらの活動を通じ、経営層をはじめ、グループの全従業員の意識の中に、どのようなマジョリティもマイノリティも存在させない会社となることを目指します。そして、さまざまな価値観や考え方、前例にとらわれない発想を大切にする企業に変革・進化していきたいと思います。
2024年8月1日改
代表取締役社長 小川 恭範
DE&Iの推進
変化の激しい時代の中で、多様なお客様を理解し、その人々に驚きや感動を与える新たな価値を創出していきます。そのために、多様な人材が世界中のエプソンに集まり、公平な環境で、一切の偏見なく全ての社員が互いの個性を当たり前に尊重し合い、楽しく働きながら、社会の一員として責任を持ち、会社とともに成長・挑戦し、イノベーションを起こし続けることを目指しています。また、人権尊重の観点からも、DE&Iへの取り組みは重要だと考えています。
当社は、まず日本国内におけるジェンダー平等を喫緊の課題と認識しています。管理職層や経営層の女性比率が全社員の女性比率と同じになる状態を早期に実現することを目指し、将来の女性管理職候補層を増やすためのキャリアアップ応援強化施策等に取り組んでいます。同時に、社員がやりがいを持ち、ライフステージの変化に適応しながらいきいきと働ける環境整備を進めています。
また、もう一つの重点的な取り組みとしてインクルーシブな障がい者活躍を位置づけ、「障がいの有無に関わらず、個々の役割に応じたステップで挑戦し、成長し続けることで、成果創出に貢献している状態」を目指しています。
女性活躍推進からDE&I推進へ
「女性が働き続けることができる会社」から一歩進んで、「性別に関係なくキャリア形成を希望する社員がそれを実現できる風土」を作るため、2016年から2020年9月まで人事部内に女性活躍推進プロジェクトを設置して推進してきました。女性活躍だけでなく、ダイバーシティ全般の改革を進めるため、2020年10月に女性活躍推進プロジェクトを発展的に解消し、社長直轄のダイバーシティ推進プロジェクトを立ち上げました。2023年4月には、人的資本・健康経営本部の中にDE&I戦略推進部を設け、グループ全体のDE&I推進へ活動範囲を拡充しています。
具体的な取り組み
課題 | 取り組みの方向性 | 主な施策 |
---|---|---|
ジェンダー平等 |
性別等の属性によらず社員一人ひとりが能力を最大限発揮している状態を目指す。今あるジェンダーギャップを解消し、新たなジェンダーギャップを作らないために、女性への動機づけと、管理職を中心とした全社の意識改革を進め、行動変容につなげる。 |
・女性リーダー向けキャリア自律研修 |
インクルーシブな障がい者活躍 |
「障がいの有無に関わらず、個々の役割に応じたステップで挑戦し、成長し続けることで、成果創出に貢献している状態」を目指し、グループ全体でのインクルーシブな障がい者活躍を実現する。また、2030年度実雇用率3%を目標としている。 |
・インクルーシブな風土の醸成 -障がい者活躍座談会の実施 -社内報への記事掲載 ・特例子会社における障がい者の活躍機会拡大と、グループ内へのノウハウ展開 ・障がい者活躍相談窓口での対応 |
育児・介護・不妊治療等との両立 |
社員がやりがいを持ち、さまざまなライフステージの変化に適応しながらいきいきと働ける環境を実現する。 |
・介護と仕事の両立支援 - 介護と仕事の両立研修 ・育児と仕事の両立支援 - 両立社員のロールモデルインタビュー記事を社内イントラネットへ掲載 - 両親学級セミナー ・男性育休促進活動 |
企業文化醸成 | さまざまな活動の基盤として社員の意識変革を促す。また、DE&Iの推進にグループ全体で取り組む。 |
・経営トップによるメッセージ発信 ・風土醸成のための管理職向け「ダイバーシティマネジメント研修」 ・DE&Iフェアの開催 ・社外向けDE&I特設ウェブページによる情報発信 ・グループ全体でDE&Iを推進するための「事業部・本部ダイバーシティ担当者会議」、国内グループ会社との「ダイバーシティ協議会」 |
ジェンダー平等
活動方針
自然に各階層に満遍なく女性がいる状態を早期かつ確実に実現します。そのために「既にあるギャップを解消します」また、「新たなギャップを作りません」
女性活躍推進法行動計画の改定(2023年度から2025年度の3年計画)
・2026年3月までに女性管理職比率8%、女性リーダー級(係長相当)比率10%を目指します。
・新卒採用のうち女性比率25%以上を目標とし、採用活動を行います。
・年間の有給休暇取得日数(積み立て年休含む)20日を目指します。
・育児休業取得率について男女とも100%を目指します。
以下のような女性向け施策を展開しています。
女性リーダー向けキャリア自律研修
「男性によって築かれてきた画一的なリーダーシップ像に合致しなければ管理職が務まらない」という思い込みがあることが、アンケート結果などから明らかになっています。多様なリーダーシップ像を理解し、自身の強みを認識し、管理職に挑戦してみようと思うきっかけとなるような研修を2023年度から実施しています。
女性ベテラン層向けキャリア応援施策
中堅以上における昇格状況に明らかなジェンダーギャップがあることから、40歳以上の一般社員向けに昇格試験挑戦を応援する施策(※昇格試験は平等に審査)を2021年度より実施しています。「キャリア自律研修」により自身のキャリアを振り返り、更に「ポータブルスキルアップ研修」を行って業務スキルの向上を図っています。また、昇格試験に求められる文章力やプレゼンテーションスキルの強化を狙い、「論文講座」、「面接対策講座」を実施しています。
社外メンターサービスを活用した女性若年層向け施策
若年層の男女で、キャリアアップに対する意欲に差があることが、アンケート結果などから分かっています。ロールモデルが少ないためキャリアが描けず、チャレンジに消極的なことが要因の一つとして挙げられます。女性若年層向け施策として、社外の複数のロールモデルとのメンタリングやキャリア研修、社内の管理職との対話会を通してキャリアを考えるきっかけづくりを行っています。また、社内の若年層女性同士の対話会を実施し、ネットワークづくりを応援しています。
育児・介護・不妊治療等との両立
活動方針
社員がやりがいを持ち、さまざまなライフステージの変化に適応しながらいきいきと働ける環境整備に向けた施策を立案し、実施します。
具体的な取り組みは以下のとおりです。
育児と仕事の両立支援
家庭と仕事の両立に悩んでいたり、ロールモデルが周りにいないという声が社内から多く聞かれます。育児や介護と仕事を両立する社員にスポットを当て、ライフを大切にしながらどのようにキャリアを歩んでいるのか、両立を目指す社員のヒントになるさまざまなロールモデルのインタビュー記事をイントラネットに掲載しています。
また、これからパパ・ママになる、または育児中の社員を対象とした「両親学級セミナー」を開催しています。育休前の心構えから、職場復帰後に仕事と育児の両立を実現するための考え方など幅広いトピックについてお互いの悩みや不安を話し、共感し、勇気づける機会を提供しています。
介護と仕事の両立支援
介護と仕事を両立することに不安を感じている社員が多くいることが全社アンケートの結果から明らかになっています。介護に関する社内外の相談窓口を設けるとともに、社内イントラネットで介護に関する短時間の動画を40以上用意し、遠距離介護やお金のことなど、必要な内容を学べるようにしています。また、グループ全管理職向け「ダイバーシティ・マネジメント研修」として、2023年度は介護と仕事の両立をテーマに実施し、管理職の介護に関するリテラシー向上に努めています。
男性育休促進活動
性別によらず公平に育児に関わり、仕事との両立ができる会社になることを目指し、当事者だけではなく会社全体で「育児休職を取得することが当たり前」の風土醸成に取り組んでいます。その第一歩として、エプソンは育児・介護休業法改正施行に合わせ、2022年度より男女ともに対象者全員が育休を取得することを目標として掲げ、男性の育休取得率は、2022年度97.2%、2023年度85.2%となりました。引き続き取得率100%を目指すとともに、さらに男性の取得日数を伸ばす活動を継続していきます。
不妊治療に関する休暇・休職制度の導入
「精神面での負担」「通院日程調整」「体調、体力面での負担」の3点を主な課題と捉え、安心して不妊治療と仕事を両立できる環境整備に取り組んでいます。その第一歩として、2022年度には特別休暇の付与と休職制度を拡充しました。「ライフサポート休暇」は年5日間の有給休暇付与、「ライフサポート休職」は3年度の期間に通算365日間の休職を認めるものです。同時に、不妊や不妊治療に対する職場の理解促進、ハラスメント防止に向けた意識啓発をすることで、制度を作るだけでなく制度が使いやすい風土づくりを進めていきます。
在宅勤務制度
育児・介護との両立支援として導入した在宅勤務は、対象を全社員へと広げ、更に働く場所の選択肢が広がり、柔軟な働きかたが可能になっています。
ベビーシッター補助
2005年10月から、ベビーシッターサービス利用について、一定の会社補助を行っており、段階的に補助額を引き上げ、現在は月16時間分まで全額会社で補助しています。
待機児童対策
近年、首都圏のみならず、主要事業所がある長野県内でも待機児童が発生しています。そのため、社員が住む地域にある企業主導型保育園との提携を進めています。(2024年7月時点 8園)
企業文化醸成
活動方針
さまざまな活動の基盤として社員の意識変革を促す活動に取り組みます。また、DE&Iの推進をグループ全体に広げる活動を進めます。
具体的な活動は以下のとおりです。
経営トップによるメッセージ発信
グループ全社員に向けDE&Iの重要性を示すため、経営層による方針や考えを、社内外へ向けて発信しています。
ダイバーシティ・マネジメント研修
管理職の意識改革、DE&Iの理解を深めるため、2021年度、グループの全管理職向け必須研修としてダイバーシティ・マネジメント研修を実施しました。2022年度以降は、毎年行っている新任課長向け研修の中にその要素を取り入れるとともに、年度ごとにDE&Iの取り組みの中で重点項目としている内容を取り上げて実施しています。
2022年度…管理職自身が多様であるための働きかた 「管理職だってWork in Life」
2023年度…介護と仕事の両立
2024年度…障がい者活躍 「エプソンの障がい者活躍に必要な一歩とは」
DE&Iフェアの開催
当社におけるDE&I推進の意味や目的の理解向上と、DE&Iについて考えるきっかけづくりを目的に、グループ全社員対象にDE&Iフェアを実施しています。2023年度の第4回は、「なぜエプソンにダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンが必要なのか」をテーマに、グループトップや著名人、他社の経営層による講演会、障がい者活躍や働きかた改革に関する座談会、ワークショップを実施しました。誰でも気軽に参加できるフォトコンテストや川柳コンテストも開催しました。
社外向けDE&I特設ウェブページによる情報発信
グループトップのDE&Iに関する考えや、企業としての取り組みを外部へ発信するためにDiversity Equity & Inclusionスペシャルサイトを公開しています。グループトップとDE&I専門家との対談や当社の取り組み、社員へのインタビュー記事、上記のフェアの模様などを掲載しています。
社外からの評価
ジェンダーギャップ解消の進捗状況(2024年3月時点)
女性従業員比率・女性管理職比率
グループ計 | 日本国内計 | 海外計 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
正規従業員の割合 | 53.5% | 46.5% | 80.4% | 19.6% | 43.3% | 56.7% |
管理職の割合 | 83.6% | 16.4% | 94.5% | 5.5% | 73.9% | 26.1% |
* 管理職は部長・課長
インクルーシブな障がい者活躍
エプソンは、障がい者活躍を重要なDE&I課題の一つとして位置付け、「障がいの有無に関わらず、個々の役割に応じたステップで挑戦し成長し続けることで、成果創出に貢献している状態」を目指しています。2030年度実雇用率3.0%を目標に掲げ、グループ全体で障がい者採用に取り組んでいます。また、障がいがある方との接点づくりや各種情報発信を通じ、障がい者活躍のための風土醸成の取り組みを強化しています。
具体的取り組み
・特例子会社における障がい者の活躍機会拡大と、グループ内へのノウハウ展開
・インクルーシブな風土の醸成
- 障がい者活躍座談会の実施や経営層の特例子会社訪問
- 講演会動画の社内配信・社内報への記事掲載
・障がい者活躍相談窓口での対応
特例子会社の取り組み
エプソンは全国に先駆けて特例子会社の認定を行いました。1983年にエプソンミズベ、2001年に2社目となるエプソンスワンを設立し、エプソンの障がい者雇用を着実に推進してきました。40年の経験とノウハウを生かし、それぞれの障がい特性に合わせた業務準備を行っています。また、新規事業開拓により能力や適性を活かし活躍できる環境づくりや個々の成長に向けた取り組みを具体化し推進しています。
エプソンミズべ株式会社
現在6拠点163人(2024年6月1日現在)の障がいのある従業員が、オフィス・製造・環境リサイクルなど幅広い分野で活躍しています。
とりわけ2008年から展開しているビルクリーニングは、エプソンミズベの中核業務として2024年3月現在64人の規模に成長・定着しています。また、2017年からはペーパーラボのアップサイクルモデルラインにおける障がい者雇用機会を拡大し、古紙分類・ペーパーラボオペレーション・DFPを活用した名刺・ノート作成など、環境負荷低減と障がい者雇用促進に取り組んでいます。現在では、精神障がいがある方の採用拡大を見据え、オフィス補助業務の拡大の推進を行っています。
また、エプソンミズベでは、職業能力の向上を目的にアビリンピック(障がい者技能競技大会)に積極的に参加しています。2023年度は3名が全国アビリンピックに出場し、電子機器組み立て競技部門において見事銀賞を獲得しました。出場を目指す選手の姿、アシストする職場の取り組みが、障がいのある従業員の励みとなり、職場の活力に繋がっています。
エプソンスワン株式会社
東北エプソン(株)の構内に拠点を置き、26人(2024年6月1日現在)の障がいのある社員が、防じん衣クリーニング、東北エプソン(株)内のビルクリーニング業務、そして2020年10月から開始したペーパ―ラボ用原料作成業務(紙仕分け作業)を担当しています。
防じん衣クリーニングは設立時からの事業であり、セイコーエプソン(株)の複数拠点及び地域企業の防じん衣を受け入れています。
また、エプソンスワンでは人材育成にも注力しており、その一環としてアビリンピックに挑戦しています。2023年度は全国アビリンピックのビルクリーニング部門において銅賞という素晴らしい成績を収めました。日々の業務を通し培っている技能が成果として認められ、障がいのある従業員の自信や業務へのモチベーションにつながっています。
グローバル人材の活躍
エプソンは、時代によって、地域によって、さまざまに異なるお客様のニーズを的確に把握し、誰よりも早く、柔軟に対応するために、世界各国・地域に拠点を展開しています。現在エプソングループでは約75,000人の社員が働いています。
お客様に価値ある製品をお届けするためには、グローバルに展開しているバリューチェーン全体が効果的・効率的に運営されることが欠かせません。そのためには、世界中に分散している様々な機能について幅広い知識と経験を持ち、全体最適の観点から各機能間の調整を行い、現場で的確・迅速な意思決定ができるグローバル人材が必要です。世界各地で、共通の価値観を持って活躍するリーダー人材を育成するため、海外現地法人の経営リーダー層の養成を目的としたセミナーを毎年開催しているほか、地域を超えた人材交流を進めています。また、海外人材についても国内と同様に、現地のトップマネジメント・人事部門と連携して役割や要件定義を行い、重要ポジション・重要人材についての後継計画・育成計画を策定しています。このような活動を基盤として、最適機能配置に関する社内議論を継続して行い、グローバル視点での最適なフォーメーションの構築に取り組んでいます。
グローバル・タレント・マネジメント
エプソンは、海外人材の登用・活用にも積極的に取り組んでいます。国内と同じ役割評価ツールにより、海外現地法人における各ポジションの役割の大きさ・重さを測り、重要なポジションを特定してその役割や要件を明らかにするとともに、それに対して年齢・性別・国籍などに関わりなく最適な人材を選任できるよう、その候補層に属するすべての人材に関して基礎情報や能力、360度評価などによる情報を収集しています。そして、これらの情報を活用して国内と同様に「人材レビュー」を行い、要員状況の確認や後継計画の検討等を現地と行っています。
これらの活動の結果、現在、海外の現地法人のうち、米国地域統括会社においては現地人材がCEOを務め、北・中・南米の傘下現地法人の経営管理や当該地域の事業オペレーションについて全面的な責任を負っています。また、東南アジアの地域統括会社についても現地人材が代表者に就任し、地域の販売オペレーションを担っています。欧州では、地域統括会社の傘下法人は全て現地人材が責任者を務めており、世界各地のいくつかの販売法人、製造法人の責任者にも現地人材の登用が進んでいます。現在、海外現地法人の取締役に占める外国人の割合は38%、CEOポジションに占める外国人の割合は63%、また、管理職において現地採用者が占める割合は90%となっています。
グローバルな人材育成への取り組み
グローバル・インキュベーション・セミナー(GIS)
グローバル・インキュベーション・セミナー(GIS)は、世界各国・ 地域の現地法人における次世代リーダー層を対象に、エプソンのパーパスや価値創造ストーリーを共有し、自組織の役割、取り組む課題を考える力を養う研修プログラムです。1999年から継続しており、これまでに400人以上のメンバーがこの研修に参加し、その多くが各海外現地法人で経営職・管理職を務めています。(2024年6月現在)
2023年度は世界14カ国から25名の受講者が参加し、1週間の研修期間中に事業所見学、事業部長からの事業戦略説明、Epson Values Sessionを履修しました。受講者はEpson Values Sessionを通してパーパス・エプソングループにおける共通の価値観・行動様式であるエプソンウェイ(経営理念・企業行動原則等)・価値創造ストーリーへの理解を深め、自分とエプソンの価値の重なりを意識し、エプソンの価値をさらにリードし強化していくための自職場への取り組みを考案し、経営層へ自身のアクションプランを宣言しました。また、経営層とのコミュニケーションを通して長期ビジョンや事業戦略に関する理解を深め、地域・機能・事業の異なる受講者それぞれの課題や取り組みを相互に共有しました。参加者からは「会社の価値観や企業文化の重要性を深く理解し、自分の価値観とエプソンの価値観を紐づけ体現していくことの重要性を理解できた」「自分のチームがオーナーシップを持って役割を果たすため、どのようにチームをサポートすればよいかを学べた」というコメントがありました。
対面研修の1か月後にはオンラインフォローアップ研修を開催し、受講者は自職場への取り組み結果を発表し、課題を相互に共有しました。
今後もこうした研修を継続的に実施することで、世界各国・地域の多様な人材がさらに能力を伸ばし、次世代のエプソンを支える原動力になることを目指します。
海外からの実習生受け入れ
エプソンは、海外製造拠点から、3カ月から1年間の期間にわたって日本に技能実習生・研修生を積極的に受け入れ、現地では学ぶことのできない技能・技術の習得や、事業プロセスに関する理解を深めるための教育プログラムを実施しています。
1988年からこれまでに延べ1,800人余りを受け入れており、2020年度、2021年度は新型コロナ禍により中断をやむなくされましたが、2022年度は8人、2023年度はインドネシア、フィリピン、マレーシアの現地法人から34人を受け入れました。
写真は、技能実習生が自ら製作した金型で製造した部品の状態を検査している様子です。
社員構成・勤続年数・離職率
社員構成
社員男女比率 | 管理職男女比率 | 係長相当の男女比率*1 | |
---|---|---|---|
女性 | 17.3% | 4.7% | 7.7% |
男性 | 82.7% | 95.3% | 92.3% |
*社員構成データは、セイコーエプソン(株) 2024年3月31日時点
*1 シニアスタッフ
勤続年数
全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
18.6年 | 18.4年 | 19.3年 |
* 勤続年数データは、セイコーエプソン(株) 2024年3月31日時点
離職率
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
総離職率 | 4.5% | 4.1% | 4.5% | 4.4% | 5.1% | 3.9% |
自主的離職率 | 1.8% | 1.5% | 1.4% | 1.5% | 2.2% | 1.2% |
* セイコーエプソン(株) 2024年3月20日時点