ダイバーシティ
考え方
Empowering Diversity, Creating Value : 多様性を価値に変える
エプソンは、多様な人材が能力を最大限発揮できることを、持続的な成長を支える重要な経営基盤と位置付けています。国や地域、文化的背景等の異なる社員が、それぞれの経験や専門性を生かしながら協働し、多様な視点を掛け合わせることで、世界中のお客さまや社会の期待に応える新たな価値やイノベーションを創出し、持続的な成長と企業価値の向上につなげています。
具体的な取り組み
| 課題 | 取り組みの方向性 | 主な施策 |
|---|---|---|
| グローバル人材の活躍 | 多様な国・地域の人材が活躍し、それぞれの経験や専門性を生かすことで、新たな価値の創出に貢献することを目指す。現地人材の育成・登用やグローバルな人材交流を通じて、グローバル人材の育成と活躍を推進する。 |
・グローバル・インキュベーション・セミナー(GIS)の実施 (1999年より開始、累計400人以上参加) ・海外現地法人経営リーダー向け育成プログラムの実施 ・海外現地法人との人材レビューおよび後継者計画の運用 ・海外からの実習生・研修生受け入れ (1988年より開始、累計1,861人受入) ・海外現地法人からの赴任・トレーニー受け入れによる育成 ・現地人材の育成・登用の推進 |
| ジェンダー平等 | 性別などの属性によらず社員一人ひとりが能力を最大限発揮している状態を目指す。今あるジェンダーギャップを解消し、新たなジェンダーギャップを作らないために、女性への動機づけと、管理職を中心とした全社の意識改革を進め、行動変容につなげる。 |
・女性リーダーの育成プログラムの実施(2023年より開始、延べ67人参加、うち12名が管理職登用) -社長との対話会 -社内外ロールモデルとの対話 -自己理解とリーダーシップワークショップ -研修参加者同士のネットワーク形成 ・若手女性社員を対象としたメンタリングプログラムの実施 -外部メンターとの面談 -社内ロールモデルとの対話 -社外受講者との事前事後オンラインワークショップ -研修参加者同士のネットワーク形成 ・グループ内での連携強化のための担当者会議や協議会の設置 ・外部研修を活用した次世代経営人材の育成 |
| インクルーシブな障がい者活躍 |
「障がいの有無に関わらず、個々の役割に応じたステップで挑戦し、成長し続けることで、成果創出に貢献している状態」を目指し、グループ全体でのインクルーシブな障がい者活躍を実現する。また、2030年度実雇用率3%を目標としている。 |
・障がいのある学生向け就労体験の実施 (2024年度より開始、9職場にて延べ16人参加) ・「障がい」や「障がい者活躍」について知る社外向けイベントの開催 (2024年度より開始(年1回)、述べ432人参加) ・特例子会社の事業価値向上 -オフィス補助業務を中心とした新規業務開拓による売上拡大 -精神障がいのある方の採用強化 ・特例子会社見学会の開催 (2025年度より開始、延べ49人参加) ・障がい者活躍相談 *2026年4月時点 |
グローバル人材の活躍
エプソンは、時代によって、地域によって、さまざまに異なるお客様のニーズを的確に把握し、誰よりも早く、柔軟に対応するために、世界各国・地域に拠点を展開しています。現在エプソングループでは約75,000人の社員が働いています。私たちは、各国・各地域において、それぞれの文化や習慣を尊重して活動するとともに、現地雇用や現地人材の育成・登用を進め、現地社会に貢献し、ともに発展できる関係をつくります。
お客様に価値ある製品をお届けするためには、グローバルに展開しているバリューチェーン全体が効果的・効率的に運営されることが欠かせません。そのためには、世界中に分散している様々な機能について幅広い知識と経験を持ち、全体最適の観点から各機能間の調整を行い、現場で的確・迅速な意思決定ができるグローバル人材が必要です。世界各地で、共通の価値観を持って活躍するリーダー人材を育成するため、海外現地法人の経営リーダー層の養成を目的としたセミナーを毎年開催しているほか、日本から海外の現地法人へ赴任するだけでなく、海外現地法人から出向者や研修生を受け入れて、現地で中心となって活躍する 人材の育成を進めています。また、海外人材についても国内と同様に、現地のトップマネジメント・人事部門と連携して役割や要件定義を行い、重要ポジション・重要人材についての後継計画・育成計画を策定しています。このような活動を基盤として、グローバル視点での最適なフォーメーションの構築に取り組んでいます。
グローバル・タレント・マネジメント
エプソンは、海外人材の登用・活用にも積極的に取り組んでいます。国内と同じ役割評価ツールにより、海外現地法人における各ポジションの役割の大きさ・重さを測り、重要なポジションを特定してその役割や要件を明らかにするとともに、年齢・性別・国籍などに関わりなく最適な人材を選任できるよう、その候補層に属する人材情報を収集しグローバルでの人材把握を行っています。そして、これらの情報を活用して、要員状況の確認や後継計画の検討等を現地と行っています。
これらの活動の結果、現在、海外の現地法人のうち、米国地域統括会社においては現地人材がCEOを務め、北・中・南米の傘下現地法人の経営管理や当該地域の事業オペレーションについて全面的な責任を負っています。また、東南アジアの地域統括会社についても現地人材が代表者に就任し、地域の販売オペレーションを担っています。欧州では、地域統括会社の傘下法人は全て現地人材が責任者を務めており、世界各地のいくつかの販売法人、製造法人の責任者にも現地人材の登用が進んでいます。
グローバルな人材育成への取り組み
グローバル・インキュベーション・セミナー(GIS)
グローバル・インキュベーション・セミナー(GIS)は、世界各国・ 地域の現地法人における次世代リーダー層を対象に、エプソンの経営理念やパーパスを共有し、自組織の役割、取り組む課題を考える力を養う研修プログラムです。1999年から継続しており、これまでに400人以上のメンバーがこの研修に参加し、その多くが各海外現地法人で経営幹部・管理職を務めています(2025年5月現在)。
2025年度は世界15カ国から24名の受講者が参加し、1週間の研修期間中に事業所見学、𠮷田社長との対話、事業部長からの事業戦略説明、Epson Leadership Sessionを履修しました。受講者は、エプソングループにおける共通の価値観・行動様式であるエプソンウェイ(経営理念・企業行動原則等)やパーパスの理解を深め、自分とエプソンの価値の重なりを再認識しました。Epson Leadership Sessionでは、リーダーに求められる知識やスキル、マインドを習得しました。そのうえで、エプソンの価値をさらにリードし強化していくための自職場への取り組みを考案し、経営層へ自身のアクションプランを宣言しました。また、経営層とのコミュニケーションを通して長期ビジョンや事業戦略に関する理解を深め、地域・機能・事業の異なる受講者それぞれの課題や取り組みを相互に共有しました。参加者からは、「𠮷田さんは、自分の考えを話しながら質問に答えてくれた。対話は彼のビジョンや考え方を理解するためのギャップを埋めてくれた。」、「ミッションの設定、実行プロセス、チームワークなど、さまざまな分野で役に立つと思う。」など、研修の意義や効果を評価するコメントがありました。
今後もこうした研修を継続的に実施することで、世界各国・地域の多様な人材がさらに能力を伸ばし、次世代のエプソンを支える原動力になることを目指します。
海外からの実習生受け入れ
エプソンは、海外製造拠点から、3カ月から1年間の期間にわたって日本に技能実習生・研修生を積極的に受け入れ、現地では学ぶことのできない技能・技術の習得や、事業プロセスに関する理解を深めるための教育プログラムを実施しています。
1988年からこれまでに延べ1861人を受け入れており、2025年度にはインドネシア、フィリピン、の現地法人から225人を受け入れました。
写真は、技能実習生が自ら製作した金型で製造した部品の状態を検査している様子です。
グローバルな施設要員計画への取り組み
アジア各地の製造現地法人の施設管理に関しては、これまで日本から現地へマネジメントのできる赴任者を派遣し、施設の新設・維持・管理等を行ってきました。近時、事業の展開状況と相互の要員状況等を踏まえ、現地法人の施設管理を現地人材が担う体制を構築するため、日本側と現地法人側とで共同で要員レビューを行い、後継者計画を含む要員計画およびそれに基づく育成計画を作成しています。2024年度は、施設の運転や維持の技能向上、さらにマネジメントやコミュニケーション力強化を目的として、3年計画で、現地法人からの赴任者3名を受け入れています。
また、2025年度は、海外製造拠点における設計機能の強化を目的として、設計リーダー候補2名を受け入れ、新製品開発プロジェクトへの参画を通じた実践的な育成を行っています。
これらの人材は、日本側においても施設運営や設計業務の推進を支える貴重な戦力として活躍しています。また、若手・中堅メンバーの基礎的な能力向上や、経験・知識の習得を目的として、短期間のトレーニーも受け入れています。
ジェンダー平等
活動方針
性別などの属性によらず、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる状態を目指します。そのため、現在のジェンダーギャップの解消と、新たなジェンダーギャップを生じさせない環境づくりを進め、公平な成長機会の実現に取り組みます。
セイコーエプソンでは、管理職層および経営層の女性比率を全社員に占める女性比率(2026年3月31日時点17.9%)と同水準にすることを目指し、将来の女性管理職候補層の拡大に向けたキャリア形成支援や育成施策に取り組んでいます。社員一人ひとりが多様なキャリアの選択肢を理解し、自らの意思でキャリアを選択・挑戦できるよう支援するとともに、管理職を中心とした意識改革を進めています。一方で、グローバルでは主要な経営ポジションで女性リーダーが重要な役割を担っており、その知見も生かしながらグループ全体でジェンダー平等の実現を推進しています。
女性活躍推進法行動計画の改定(2026年度から2028年度の3年計画)
・女性管理職比率8%を目指します。
・育児休業取得率について男女とも100%を目指します。
行動計画の目標達成に向けて、以下のような女性向け施策を展開しています。これらの取り組みにより女性管理職、その候補者層は年々増加していますが、引き続き目標の達成に向けて活動を継続していきます。
女性リーダーの育成プログラム
リーダークラスの女性社員には、「身近にロールモデルがいない」、「男性によって築かれてきた画一的なリーダーシップ像に合致しなければ管理職が務まらない」という思い込みなどの悩みがあることが、アンケート結果などから明らかになっています。多様なリーダーシップ像を理解し、自身の強みを認識し、管理職に挑戦してみようと思うきっかけとなるような研修を、女性シニアスタッフ(リーダークラス)向けに2023年度から実施しており、この中で社長との対話会や社内外ロールモデルとの対話なども行っています。この研修の受講者67名のうち、12名が管理職に任用されています。
若手女性社員を対象としたメンタリングプログラム
若年層の男女で、キャリアアップに対する意欲に差があることが、アンケート結果などから分かっています。ロールモデルが少ないためキャリアが描けず、チャレンジに消極的なことが要因の一つとして挙げられます。女性若年層向け施策として、複数のロールモデルとのメンタリングやキャリア研修、社内の管理職との対話会を通してキャリアを考えるきっかけづくりを行っています。また、プログラム参加者を対象としたワークショップなどを実施し、ネットワークづくりを応援しています。
インクルーシブな障がい者活躍
エプソンが目指す障がい者活躍
エプソンは障がい者活躍を重要なダイバーシティ課題の一つとして位置付け、「障がいの有無に関わらず、個々の役割に応じたステップで挑戦し成長し続けることで、成果創出に貢献している状態」を目指しています。その実現に向け、グループ全体で障がい者採用を推進するとともに、障がいのある方々との接点づくりや情報発信に積極的に取り組んでいます。また、特例子会社の新規事業開拓や挑戦機会の創出を進め、一人ひとりが能力や強みを発揮できる環境づくりを推進していきます。
2030年度実雇用率3.0%を目標に掲げ、グループ全体で障がい者雇用に取り組んでいます。 *2026年6月1日時点のグループ雇用率は2.76%
セイコーエプソン株式会社の取り組み
多様な人材が成果を産む組織づくり
・全社員向けe-learningや管理職向け障がい者活躍研修の実施
・障がい者活躍推進キーマンが意見交換するワークショップの開催
・発達障がいを含む障がいのある学生の就労体験
特例子会社の事業価値向上と戦力化
・オフィス補助業務を中心とした新規業務開拓による売り上げ拡大
・グループ内への障がい者活躍に関するノウハウ展開、見学会の実施
・精神障がいのある方の採用強化
地域社会との共創による価値の拡張
・発達障がいをテーマにした社外イベントの開催
具体事例


発達障がいをテーマにした小児科専門医の講演会

発達障がいの特性を自分ごととして体感するVR体験会

発達障がいをテーマにした講演とトークセッション
特例子会社の取り組み
エプソンは全国に先駆けて特例子会社の認定を行いました。1983年にエプソンミズベ、2001年に2社目となるエプソンスワンを設立し、エプソンの障がい者雇用を着実に推進してきました。40年以上の経験とノウハウを生かし、それぞれの障がい特性に合わせた業務準備を行っています。また、新規事業開拓により能力や適性を活かし活躍できる環境づくりや個々の成長に向けた取り組みを具体化し推進しています。
今後は更に、セイコーエプソンと特例子会社2社の連携を強化し、多様な人材が能力を発揮できる仕組の構築を進めます。特例子会社が持つノウハウの横展開に加え、新たに特例子会社に委託する業務の切り出しなど、エプソンの意識改革を進めます。
エプソンミズべ株式会社
現在6拠点173人(2026年6月1日現在)の障がいのある社員が、オフィス・製造・環境リサイクルなど幅広い分野で活躍しています。
とりわけ2008年から展開しているビルクリーニングは、エプソンミズベの中核業務として2026年3月現在76人の規模に成長・定着しています。また、2017年からはペーパーラボのアップサイクルモデルラインにおける障がい者雇用機会を拡大し、古紙分類・ペーパーラボオペレーション・DFPを活用した名刺・ノート作成など、環境負荷低減と障がい者雇用促進に取り組んでいます。現在では、精神・身体障がいがある方の採用拡大を見据え、業務支援のITツールを活用しながら、オフィス業務の拡大を推進しています。
2025年度からは、社会との新たな接点づくりを開始しました。障がいのある社員一人ひとりが、自分たちの仕事の価値を実感し、主体的に力を発揮できる組織となるため、成功体験を積み上げるチャレンジをしています。セイコーエプソンが主催した障がい者活躍イベントでは、ポスターやチラシのデザインやスタッフブルゾンのデザイン・制作を担当するなど、業務拡大に向けた接点づくりに取り組んでいます。



また、エプソンミズベは、職業能力の向上を目的にアビリンピック(障がい者技能競技大会)に積極的に参加しています。2025年度は5名が全国アビリンピックに出場し、写真撮影種目において見事努力賞を獲得しました。出場を目指す選手の姿、アシストする職場の取り組みが障がいのある社員の励みとなり職場の活力に繋がっています。
エプソンスワン株式会社
東北エプソン(株)の構内に拠点を置き、29人(2026年6月1日現在)の障がいのある社員が、防塵衣クリーニング、東北エプソン(株)内のビルクリーニング業務、そして2020年10月からペーパーラボアップサイクル業務として紙資源循環の工程請負を担当しています。
防塵衣クリーニングは設立時からの事業であり、セイコーエプソン(株)の複数拠点及び地域企業の防塵衣を受け入れています。


また、エプソンスワンでは人材育成にも注力しており、その一環としてアビリンピックのビルクリーニング種目に挑戦しています。2014年度から毎年挑戦を続けており、12年目となる2025年度は、山形県大会で見事優秀賞に輝き全国大会へ出場しました。日々の業務を通し培っている技能が成果として認められ、障がいのある社員の自信や業務へのモチベーションにつながっています。
ダイバーシティ指標(2026年3月時点)
グローバルな人材活躍
| 地域統括会社における女性管理職比率 | |||
|---|---|---|---|
| EAI | EEB | ESP | ECC |
| 35.9% | 37.0% | 39.6% | 30.0% |
* EAI: Epson America, Inc. , EEB: Epson Europe B.V. , ESP: Epson Singapore Pte. Ltd. , ECC: Epson (China) Co., Ltd.
* 2026年3月時点
| 取締役に占める外国人の割合 | 41% |
|---|---|
| CEOポジションに占める外国人の割合 | 63% |
| 管理職において現地採用者が占める割合 | 91% |
* 海外全関係会社 * 管理職は課長相当以上
* 2026年3月時点
女性従業員比率・女性管理職比率
| グループ計 *1 | 日本国内計 *2 | 海外計 *3 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
| 正規従業員の割合 | 54.5% | 45.5% | 80.1% | 19.9% | 45.0% | 55.0% |
| 管理職の割合 | 83.1% | 16.9% | 93.8% | 6.2% | 74.6% | 25.4% |
* 管理職は課長以上
*1 セイコーエプソン株式会社と関係会社
*2 セイコーエプソン株式会社と国内関係会社
*3 海外関係会社

全労働者の男女の賃金の差異(%)
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|---|
| 75.7% | 76.7% | 76.8% | 77.5% | 78.5% |
(注)男性の賃金に対する女性の賃金の割合
セイコーエプソン株式会社正規従業員(元籍)
賃金制度上、同一資格等級での男女の賃金差異はないが、上位職位・資格等級に占める女性の割合が少ないことが差異の主な理由。管理職層における賃金差異は98.2%

社員構成・勤続年数・離職率
社員構成
| 社員男女比率 | 管理職男女比率 | 係長相当の男女比率*1 | |
|---|---|---|---|
| 女性 | 18.0% | 5.9% | 8.1% |
| 男性 | 82.0% | 94.1% | 91.9% |
*社員構成データは、セイコーエプソン(株) 2026年3月31日時点
*1 シニアスタッフ
勤続年数
| 全体 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18.1年 | 18.0年 | 18.4年 |
* 勤続年数データは、セイコーエプソン(株) 2026年3月31日時点
離職率
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 総離職率 | 4.4% | 5.1% | 3.9% | 4.5% | 6.2% |
| 自主的離職率 | 1.5% | 2.2% | 1.2% | 1.5% | 3.1% |
* セイコーエプソン(株) 2026年3月20日時点