労働安全衛生
労働安全衛生の考え方
エプソンは、「企業経営における最優先事項は安心・安全・健康である」を念頭に、安全衛生環境の維持向上と心身の健康保持増進が企業体質の根幹を成すものと考え、グループすべての働く人が安心・安全・健康でいきいきと働けるよう、全世界で労働安全衛生活動を行っています。
エプソンは「安全」「健康」「防火・防災」「施設保安」を4本柱とした、 「労働安全衛生基本方針」を制定し、役員・従業員・協働者を対象に労働安全衛生活動を周知しています。
エプソングループ労働安全衛生基本方針
コミットメント
エプソンは、グループの労働安全衛生活動を国際規格であるISO45001に基づく活動に進化させ、職場の安全衛生環境のさらなる向上を実現していきます。安心・安全・健康は、命を守る最優先事項であることを肝に銘じ、各国・地域の法令や社内規程を遵守するとともに、こころとからだの健康維持・増進に努め、全員一丸となって「技術×エンジニアリング×現場の力」を安全の分野においても最大限にし、本質的な安全対策と安全体制構築による基盤づくりを通して「重大労働災害・事故ゼロ」「業務上疾病ゼロ」を達成していきます。
人的資本・健康経営本部 副本部長
統括安全衛生管理者
窪田 美彦
労働災害の発生状況
2025年度は重大労働災害*1が0件でした。重大労働災害ゼロの継続に向け、引き続きリスクの高い装置や化学物質について、数量の増減や、リスクの管理状態を定期的に把握していきます。
休業を伴う労働災害は、前年度比で約40%減少しました。特に、転倒や腰痛といった日常的に発生し得る災害の減少がみられます。一方で、重量物によるはさまれや感電等、重大労働災害につながりかねない潜在リスクの高い災害も発生しています。全社統一の安全な作業方法の確立と、不休災害およびヒヤリハットの分析強化を進めていきます。
労働災害度数率・強度率*2はいずれも前年度より減少しており、引き続き全国平均を下回る水準で推移しています。
*1 死亡・後遺障害およびこれに準ずる災害
*2 労働災害に関する指標で、厚生労働省の計算式に準じて、算出
*2 労働災害に関する指標で、厚生労働省の計算式に準じて、算出
労働災害度数率推移 労働災害強度率推移


労働損失日数は、以下の基準により算出しています。
・死亡 :7,500日
・永久全労働不能 :身体障害等級1~3級の日数(7,500日)
・永久一部労働不能:身体障害等級4~14級に応じて、50~5,500日
・一時労働不能 :所定休日も含めた暦日数の延べ休業日数に300/365を乗じた日数
2025年度労働災害 型別の件数
(単位:件)
| 転倒 | はさまれ | 漏洩 | 発火、発煙 |
動作の反動 |
激突、激突され | その他 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 14 | 5 | 4 | 4 | 3 | 2 | 4 | 36 |
* 件数の定義: 休業1日以上もしくは二次避難
安全管理の取り組み
2025年度の活動目標は以下の通りでした。その結果を振り返り、2026年度の活動目標は以下の通り設定しています。
| 指標 | 2025年度目標 | 2025年度実績 | 2026年度目標 |
|---|---|---|---|
| 重大労働災害・事故件数 | ゼロ | ゼロ | ゼロ |
| 労働災害度数率 | 0.32以下 | 0.17 | 0.26以下 |
| 労働災害強度率 | 0.009以下 | 0.006 | 0.005以下 |
2026年度に向けての施策
2025年度の労働災害と事故を分析し、2026年度は以下の活動を重点的に取り組むことで、再発・未然防止を図ります。
- 重量物や電気取り扱い作業について、安全な作業方法を確立し全社へ展開します。
- 不休災害およびヒヤリハット事例の分析を強化し、潜在的なリスクの早期把握と先手での対策実施につなげます。
- 各拠点で発生した災害・ヒヤリハットの傾向を踏まえ、規模や業種に応じた実効性の高いルールの整備・見直しを行います。
「ISO45001」認証の取得状況
エプソンは、従業員を労働安全衛生上のリスクから守るため、国内外のすべての製造拠点(対象28拠点)において、労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格「ISO 45001」の認証を取得しています。2025年度は、計画通り対象拠点における認証の維持および再認証審査を完了しました。
グローバルな労働安全衛生活動の情報共有
エプソンは、国内外の生産拠点において、経営層と実務者層、労使間、それぞれの階層で情報共有の場を定期的に設け、労働安全衛生活動のスパイラルアップを図っています。
経営層では、半期ごとに、国内拠点・海外拠点別に、各事業所・関係会社の責任者(事業部長・関係会社社長クラス)を集め、担当役員参加の「総括安全衛生管理者会議」を開催し、労働安全衛生活動の現状や課題を共有することで、継続的改善を推進しています。
労使間では月例の安全衛生委員会を開催しています。労働者側からの意見を反映ながら、現場の安全衛生の向上に取り組んでいます。
生産拠点から遅れて労働安全衛生活動を開始した、海外販社に対しては、全体会議に加え、拠点別の会議も開催し、拠点特有の課題や、他拠点の好事例を共有するなど、個別対応によるレベルの底上げを図っています。
「安全ニュース」を用いた社内啓発
エプソンは、グループ内で発生した全ての労働災害と事故について分析を行い、発生原因を究明し再発防止策を立案しています。
また、労働災害と事故について、原因・対策・再発防止の水平展開事項までを「安全ニュース」としてまとめあげ、社内イントラネットを活用し全社員に周知徹底を図っています。
安全衛生教育を通した人材育成
エプソンは、社員の命を守る安全衛生教育を最も重要な教育の一つに位置付けています。その特徴は、一般者層、管理監督者層、それぞれの階層や役割に応じた教育カリキュラムを充実させている点です。一般者層にはリスクアセスメントや危険予知訓練などの実用技法、管理監督者層には職場を統率するスキルの習得、専門者には実践的なスキル向上に主眼を置いて、全社共通で教育カリキュラムを運用しています。
2025年度の教育延べ実績として、国内一般者層34,131人、海外一般者層43,839人、管理監督者層2,967人、専門者層(安全管理者、化学物質管理者など)を2,122人が受講し、合計で約8万人が安全衛生に関する教育を受講しました。
火事・自然災害への取り組み
エプソンでは、全社重要リスク制御計画に基づき、火災・震災・風水害などへの備えおよび発生時の人命救護・被害拡大防止・復旧の各対策について、定期的な見直しと継続的な訓練を実施し、実効性の検証とさらなる向上を図っています。
災害発生時の初動対応
災害発生時またはその恐れのある場合に、災害対策・措置を指揮するために、国内外のグループ各拠点が主体となり防災本部を設置します。
設置した場合、セイコーエプソン総合災害対策本部事務局に第一報として直ちに報告します。その際の報告事項は下記の通り定めています。
- 従業員の安否状況(本人)
- 建物・設備の被災状況
- 操業への影響
- その他防災本部長が報告の必要があると判断した情報
各被災状況の情報収集にあたっては、インフラ途断へのリスクを考慮した複数の手段にて国内外から報告が入る体制にしています。地震や風水害などの自然災害発生時には、国内外の授業員の安否を迅速に確認するとともに、必要な情報連絡を行う体制を構築しています。全社レベルでの対応に加え、各拠点においても状況に応じた安否確認や情報共有を実施できるよう運用ルールを整備し、従業員の安全確保と被害状況の早期把握に努めています。これにより、災害発生直後における初動対応の迅速化と、復旧活動に必要な情報の集約・共有を図っています。
総合災害対策本部事務局は、各拠点の報告内容を確認し、被害が広範かつ大規模である場合、または各拠点から要請がある場合には、総合災害対策本部を設置します。同本部は各拠点の被災状況の把握の他、各防災本部に対する総合的指針を出し、復旧のための速やかな支援・処置を行います。また、復旧見込みをとりまとめ、社内外に告知します。各防災本部の初動対応が完了し次第、速やかにBCPに移行する仕組みとなっています。
災害への備え
火災については、国内外の拠点において自衛消防団が活動しており、有事の際は救護活動および諸施設、設備などの被害を最小限に食い止める役割を主導的に果たせるよう、定期的な訓練を重ねています。また、国内外すべての拠点において、初期消火対応に備えた訓練を実施しており、消火器および消火栓を用いた実践的な対応力の強化を図っています。
その他の災害への備えとして、各拠点ではハザードマップなどを活用して地域特性に応じたリスクを抽出し、それぞれのリスクに対応した訓練計画を策定・実施しています。また、国内外で発生した災害の教訓や最新の被害想定・知見などを踏まえ、防災に関する社内ルールや行動基準を継続的に見直しています。見直しをした結果については各拠点の教育・訓練に反映し、従業員の防災意識の向上と災害発生時の対応力強化を図っています。
体制面では、全社に発布する初動体制の整備指針について定期的に見直しを行っており、都度各拠点で落とし込みを行い、最適な体制を整えています。
感染症への備えはこちら
施設保安管理の取り組み
エプソンは、エプソングループ労働安全衛生基本方針に基づき、構内建物設備の不備による事故防止のための施設保安管理活動を行っています。
施設保安とは、建物および建物設備(電気設備、空調衛生設備、造排水設備、防災設備、通信設備、生産機械等へのガス・薬品等供給設備など)について、海外を含めたエプソングループ全てを対象とした安全管理のことです。建物および建物設備を健全に維持し、火災や地震での損傷が最小限となるよう計画・維持し、それにより社員および関係する人々の安全を確保することで、エプソンの企業活動を継続し、商品・サービスをお客様にオンタイムでお届けすることにも役立ちます。そのために、エプソンの施設保安活動ではさまざまな安全対策を講じています。
具体的には、建物および建物設備を新設・改修・撤去する場合、事前に安全審査を行い想定される不具合を洗い出し、設計に反映しています。また工事中の安全管理はもちろん、使用前の安全審査も実施し、設計通りに建物および建物設備ができているかを確認します。不具合があれば改善し、改善されないと使用できない仕組みとなっています。
安全審査を行う上で、関係法令を遵守することはもとより、エプソン独自の基準を定め、過去の事故や不具合事例の再発防止を行うことで、より安全な建物および建物設備の構築に努めています。
工事を実施・推進する上で、多くの場合、社外のお取引先様に協力をいただきます。委託においては、工事に関するルールの徹底、入出場管理、機密保持管理、作業上の安全指導など、安全管理の徹底を図っています。また、お取引先様を対象とした安全連絡会を実施することで意識の高揚も図っています。
社員に対し施設管理に必要な公的資格の取得促進および施設管理水準の維持向上を図るため、教育計画を作成し専門的な教育を継続的に行っています。特に電気安全に関しては、エプソングループ独自の電装技術員制度を制定・運用しています。国内外拠点の職場内で使用する機械について社員が保守保全を行う場合、電装技術員でなければ電気を取り扱うことができないなど、電気安全管理の維持向上に努めています。
以上の活動を行いながら今後も事故、労働災害ゼロを目指していきます。


