苦情処理メカニズム
考え方
エプソンは、自らの企業活動に関連して人権侵害を受けた方およびそのおそれを感じる方が、誰でも安心してご利用いただける苦情申し立ての窓口を、国連「ビジネスと人権の指導原則」(原則22、29、31)に沿って設け、運用しています。寄せられた苦情等に真摯に対応し、適切な救済への実効性を高めるよう努めています。
また、この苦情処理メカニズムは、以下の3つの目的に活用しています。
①救済・是正に向けた、具体的な人権の負の影響の通報手段
②人権影響評価の一つの手段
③特定されて対応を行った人権課題について、確実に救済・是正がなされているかの確認
具体的な取り組み
社員向け相談通報窓口
エプソンは、エプソン・ヘルプラインをはじめ、ハラスメント相談窓口、長時間労働相談窓口、従業員相談室、ダイバーシティに関する相談窓口、外国籍社員向け相談窓口など、各種相談窓口を設置し、社員(契約社員・パートタイマー・アルバイト・派遣労働者等を含みます)からの人権に関する相談・通報に対応しています。各窓口を中心に、相談・通報者本人の意向も踏まえ、身元情報の秘匿やプライバシーの保護にも留意しながら、事実確認を行って、救済のほか、再発防止の取り組みを行っています。また、これらの窓口間では連携して情報交換を行い、人権に関する相談・通報の全体状況を把握する取り組みを行っています。
上記窓口で受け付けた相談・通報のうち、懲戒の対象となったハラスメントに関する事案が2023年度下期3件、2024年度上期1件ありました。相談・通報者や被害者の意向を踏まえつつ、事実関係を調査・確認し、加害行為の抑止、再発防止、見守り等の対応を行っています。また、被害者に対しては、随時コミュニケーションをとるとともに、必要に応じ心身のケアを行いました。
ハラスメントのほかに、23年度下期には、作業の安全に関する配慮不足と個人情報のセキュリティに関する通報が各1件ありました。いずれも、不備の是正を行い、事故の未然防止に取り組みました。
すべてのステークホルダーを対象とする相談通報窓口
また、エプソンでは、お客様や投資家、地域住民の方など全てのステークホルダーの皆さまに対しては、電話および自社ウェブサイトでの受付を行っています。自社ウェブサイトでは、グローバルナビゲーションに「お問い合わせ/通報」を設けており、そこから「人権に関する相談・通報」や「その他の相談・通報」へのリンクに容易にアクセスすることができます。
エプソンは、2024年4月から一般社団法人 ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)に加入し、JaCERが提供する対話救済プラットフォームによる相談・通報の受付を開始しました。JaCERは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則(指導原則30)」に準拠して、多数の企業が関わる協働型の苦情処理プラットフォームを提供し、専門的な立場から会員企業の苦情処理への支援・推進を行うことを目指す組織です。これらの窓口を活用し、幅広いステークホルダーの皆さまからの人権に関するご相談・通報等に適切に対応していきます。
以上の相談・通報窓口は、通報情報を厳格に管理し、通報者への報復行為を禁止し、匿名性を確保して運用しています。