健康経営
エプソンの健康経営
エプソンは、グループすべての働く人の健康が最重要と考え、パーパス、エプソンウェイ、ENGINEERED FUTURE2035、エプソングループ労働安全衛生基本方針およびエプソングループ健康経営宣言に基づき、健康経営(WellーBeing経営)に取組みます。
エプソンの健康経営(WellーBeing経営)では、働く人の健康保持・増進を基盤にグローバルベースで健康経営を推進し、「身体的、精神的、社会的にすべて満たされる」ように組織の環境を整え、社員の意欲やエンゲージメントを高め、最大限に力を発揮し、企業価値向上に貢献することを目指します。
2020年4月、「エプソングループ健康経営宣言」を策定し社内外に公表しました。また2025年4月には、健康経営宣言の一部を改訂し、健康経営の取り組みは社員のみならず、グループすべての働く人が参加し取り組むことを明言し、海外拠点へグローバル展開しています。国や地域ごとに労働衛生法令また文化が異なっても、働くすべての人の健康保持増進に向けた取り組みに変わりありません。エプソンは、グループすべての働く人と会社が一体となってグローバルで健康経営を推進し、より良い社会の実現を目指します。
エプソングループ健康経営宣言
私たちエプソンは、グループすべての働く人の健康が最重要と考えます。
そのために働く人と会社が一体となり、いきいきと楽しく働くことができる職場環境をつくり、こころとからだの健康づくりに取り組みます。
そしてグループすべての働く人が活力ある職場で躍動し、世の中に驚きと感動をもたらす成果を生み出し、より良い社会の実現を目指します。
働く人:グループ各社の役員、従業員、および構内協力会社社員ならびに、グループ各社の従業員以外で
グループ各社の管理下で労働する、または労働に関わる活動を行う者をいう
セイコーエプソン株式会社
代表取締役社長
𠮷田 潤吉
体制
健康経営の責任者である社長の下、ENGINEERED FUTURE2035の実現に向け、健康経営(Well-being経営)を推進していくための一体的な体制として「人的資本・健康経営本部」を設置しています。その本部長は、執行役員として経営会議に参画するとともに、健康保険組合の理事長を兼任し、健康経営を総合的にマネジメントします。
国内では、健康に関する中期計画を定め、関係部門・各事業所および関係会社と連携しながら取り組んでいます。また、会社と健康保険組合で共同運営する「健康経営推進会議」は、コラボヘルスとして健康経営に関する情報分析・施策立案・評価改善を担い、定例開催しています。
海外における働く人の健康保持増進活動は、各拠点ごとに独自の組みがされていたことに加え、2024年度から、海外拠点との連携を含めたグループ一体の健康経営推進活動に取り組んでいます。国や地域ごとの労働衛生法令、文化など各社の実態に併せ、グローバルな健康経営を推進しています。
人的資本・健康経営本部と連携している活動は、以下のリンクよりご確認ください。
中期健康管理施策「健康Action2030」(FY2026~FY2030)
2001年以来、健康管理中期計画を策定し、社会環境や社員を取り巻く状況の変化に合わせて継続的な見直しを行ってきました。これまでの取り組みにより、疾病予防を中心とした健康管理体制を整備し、社員の健康を守る基盤を構築してきました。
2026年度からの中期健康管理施策「健康Action2030」では、この基盤に加え、社員一人ひとりが健康でいきいきと働き続けられることを目指し、自ら健康を維持・向上できる力を高めることで、こころとからだのコンディションを整え、一人ひとりが持てる力を最大限に発揮できるよう支援します。
こうした取り組みを通じて、社員の健康増進と組織の生産性向上を実現し、さらなる企業価値の向上につなげていきます。

健康経営戦略マップは、健康Action2030の全容を示し健康に焦点をあてて制定しました。
ENGINEERED FUTURE2035の実現による企業価値向上に貢献することを最終目標とし、エプソンの人材戦略を支えるための基盤として、社員一人ひとりがこころとからだの健康を維持し、いきいきと働き続けられ、最大現に力を発揮することができるよう、さまざまな活動を展開します。
健康Action2030 基本的考え方
健康Action2030では、自律的健康管理を健康施策の基盤と位置づけ、一人ひとりが健康に関する理解を深め、自ら行動を選択し継続できるよう取り組みを推進します。
また、エプソンが考える「自律的健康管理」とは、『私たち一人ひとりが自分の健康状態を把握し、信頼できる情報を正しく選び、判断し、活用する力を高めながら、主体的に生活習慣やこころとからだを整えていくこと』と定義しています。

スローガンと概念図
健康Action2030の推進にあたり、目指す姿や基本的な考え方を社員に分かりやすく伝え、一人ひとりの主体的な健康づくりと各施策への理解を深めるため、スローガンおよび概念図を策定しました。
スローガン 『私がつくる 私の健康』 一人ひとりの活力が、会社を動かす力になる
『私がつくる 私の健康』には、健康は会社から与えられるものではなく、社員一人ひとりが主体的につくり上げるものであるという考えを込めています。
こころとからだの状態を自ら整えることは、日々の集中力や持続力を高め、一人ひとりが持つ力を発揮することにつながります。そして、その積み重ねが組織全体の力となり、企業価値の向上にも寄与すると考えています。
概念図
概念図では、「自律的な健康管理」と「いきいきと働き続けられる状態」の関係性を表しています。社員一人ひとりが主体的に健康管理に取り組むことで、健康でいきいきと働き続けることができ、その実感がさらなる健康づくりへの意識や行動につながります。この概念図は、そのような健康づくりの好循環を表現しています。
重要施策と最終目標
社員一人ひとりが自律的に健康管理を実践できるよう、ヘルスリテラシーの向上を基盤とし、健康的な生活習慣行動の促進およびストレス対応力の向上を重要施策と位置づけ、各種活動を展開します。
これらの取り組みを通じて、こころとからだのコンディションを整え、本来の力を発揮できる状態を目指すとともに、将来の健康リスクの低減やレジリエンスの向上を図ります。これにより、こころとからだが健康でいきいきと働き続けられる状態の実現を目指します。
最終目標の達成に向け、自律的に健康管理ができる社員を増やすため、 「ヘルスリテラシーの向上」「健康的な生活習慣行動の増加」「ストレス対応力の向上」を重要施策とし、それぞれに評価指標と目標値を設定しています。
社員一人ひとりが主体的に健康づくりに取り組み、こころとからだのコンディションを整えられるよう、これら3つの重要施策を中心に各種施策を展開します。また、社会的な要請や健康課題の変化を踏まえ、時代に応じたテーマにも積極的に取り組んでいきます。
健康Action2030では、「こころとからだが健康で、働き続けられる状態」の実現を最終目標としています。その達成に向け、「コンディションが整い、本来の力を発揮している」「脳・心臓疾患リスクの低い健康状態を維持している」「レジリエンスを備えている」の3つを評価指標として設定し、健康でいきいきと働き続けられる状態を目指し、継続的なモニタリングと改善に取り組みます。

シンボルキャラクター 「めぐるん」
社員の自律的な健康管理を応援するキャラクターです。
社員一人ひとりの健康への気づきや行動が習慣となり、健康でいきいきと働き続けられる状態へつながる。「めぐるん」には“そのような健康の好循環(めぐり)”への願いを込めています。
健康Action2030の情報発信や健康イベントなどで活用し、社員の健康づくりをサポートしていきます。
中期健康管理施策「健康Action2025」(FY2022~FY2025)の振返り
健康Action2025
エプソンは2001年度から、健康に関する中期計画を定期的に見直しており、2022年度には「健康Action2025」を制定しました。4年先を見据え、働きかたの多様化や社員の年齢構成の変化など、私たちの取り巻く環境が大きく変化することを想定し、社員一人ひとりが自身の健康状態を把握し、各自の状況に合った健康づくりに取り組んでいくことが重要と考えました。そこで、自律性の醸成・働くことと健康の調和を目指す「こころとからだの健康」と、安全配慮の徹底とチームでいきいきと働く組織風土の醸成を目指す「職場の健康*1」の2つを重点分野として取り組みました。
また、社員一人ひとりの行動変容が当活動の肝であること、さらに、社員一人ひとりを尊重し、協力し「認め合う」を大切にする組織風土の醸成を意識できるスローガンとして、「気づく・学ぶ・行動する そして 認め合う」を掲げて活動を展開しました。
*1心身の健康と働きかたを両輪とする健康経営の考え方を活かし、世界保健機関(WHO)の健康定義にある社会的な側面を踏まえた、2016年度から使用しているエプソン独自の用語。安全配慮はもとより、誰もがいきいきとやりがいをもって働いている、コミュニケーションと活力にあふれた職場づくりのことです。



【総括】
基盤整備においては、従来の中期計画では目標を”努力目標”と位置づけていましたが、「健康Action2025」では、2025年度末の目標達成を目指して、適切なPDCAサイクルを実践するためのオペレーションサイクルを整備し、健康経営を推進する基盤を構築しました。具体的には、毎年度の活動開始時には、当該年度の重点実施事項を示す「推進ガイドライン」を策定し、半期ごとに目標値との乖離状況を確認しながら、目標達成に向けて必要な追加施策を講じました。 また、各種活動の結果を社員、経営層、健康保険組合および労働組合とのコミュニケーションツールとして活用し、定期的な共有の場を設けることで、関係者との連携を深めました。
施策面では、行動変容に主眼を置いた「健康に関する自律性の醸成」と「組織風土の醸成」に取り組み、年齢構成の変化や働きかたの多様化など、環境が大きく変化する中においても、健康関連指標の悪化を抑制しながら、社員の健康保持・増進や職場環境の改善に一定の成果を得ることができました。
以上より、健康Action2025を通じて、『社員の健康を守るための基盤』を構築することができました。
■こころとからだの健康
こころとからだは一つとの考えのもと、ストレスマネジメントと健康増進・改善を一体的に推進してきました。
健康Action2025では、健康的な生活習慣の定着に向けた取り組みに加え、過体重者の体重減少支援や、有所見者・要精密検査者への受診勧奨など、社員への支援と自律的な健康行動を促す活動を組み合わせながら、若年層から中高年層まで幅広い層を対象に活動を展開しました。
その結果、一部の指標では目標未達となったものの、全体として健康指標の改善が見られました。過体重者の体重減少率は目標に届かなかったものの、過体重に起因するメタボリックシンドローム該当者・予備群の割合は減少しました。また、脳・心臓疾患リスクを複合的に有する当社独自の管理指標である「渡航制限該当者(複合的有所見者)」の割合も低下し、健康な状態で海外で活躍できる人材の増加につながっています。
以上より、健康Action2025は、心身の健康意識の向上や生活習慣の改善を促し、社員の健康維持・増進と疾病リスクの低減につながる取り組みとなりました。
また、これまでの活動の積み重ねにより、2011年以降、脳・心臓疾患の新規発症者割合は長期的に低い水準を維持しています。社員の働き方の多様化や年齢構成の変化など、当社を取り巻く環境が大きく変化する中においても、疾病リスクの抑制につながる状態が保たれていると考えられます。
| 意識の変容・行動変容に関する指標 | 目標 (2025) |
2022 | 2023 | 2024 | 2025 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ストレスマネジメント | ストレスによる心身の変化に気づくことができている人の割合 | 前年度より増加 | - | 82.0% | 81.0% | 82.4% |
| ストレスの要因を把握できている人の割合 | 前年度より増加 | - | 87.3% | 86.7% | 87.4% | |
| ストレスを緩和する方法を実行できている人の割合 | 前年度より増加 | - | 75.3% | 75.9% | 77.3% | |
| 困りごとを自ら相談できる人の割合 | 前年度より増加 | - | 73.3% | 74.0% | 75.4% | |
| 健康的な生活習慣行動9項目のうち6項目以上ある人の割合 | 50%以上 | 42.8% | 43.9% | 44.9% | 46.3% | |
| 体格 | 適正体重*1維持者の割合 | 60%以上 | 62.5% | 62.5% | 62.6% | 62.4% |
| 前年度、過体重*2・肥満者*3の内3%以上体重減少した人の割合 | 22%以上 | 19.2% | 19.4% | 18.3% | 17.6% | |
| 受診率 | 定期健診結果要医療者の受診率 | 90%以上 | 83.8% | 89.8% | 90.5% | 90.9% |
| がん検診の要精密検査者の受診率 | 90%以上 | 67.0% | 71.1% | 70.7% | 75.4% | |
| 柔軟性・筋力の低下(ロコモ)が予防できている人の割合 | 38.0%より増加 | - | 38.0% | 39.3% | 39.6% | |
*1 適正体重:BMI18.5~24.9 *2 過体重:BMI24.9~29.9 *3 肥満:BMI30~
| 健康状態の変化 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|---|
| メタボリックシンドローム該当者/予備群の割合 | 22.1% | 22.5% | 21.5% | 21.5% |
| 血圧有所見者の割合 | 9.8% | 9.9% | 9.2% | 9.7% |
| 脂質有所見者の割合 | 30.9% | 30.1% | 30.4% | 28.6% |
| 糖代謝有所見者の割合 | 8.8% | 9.5% | 9.4% | 9.5% |
| 高ストレス者の割合 | 9.2% | 8.5% | 9.1% | 9.0% |
*データの集計範囲は国内グループ会社



■職場の健康
基本的な安全配慮義務の遂行に加え、「チームでいきいきと働く」の実現を目指し、組織風土の醸成に取り組みました。
その結果、長時間労働による健康障害の発生防止および職場内集団感染の未然防止については目標を達成しました。これらの取り組みにより、長時間労働の発生を抑制する仕組みの強化に加え、コロナ禍での経験を踏まえた感染症発生時の対応体制を整備し、机上訓練を実施するなど、将来を見据えた備えを構築することができました。
また、2020年度から継続して取り組んできた職場改善活動により、高リスク職場の継続・再発件数は改善傾向を示しました。一方で、メンタル不調による休務者割合および高リスク職場数については目標未達となりました。職場への組織的な介入を行いましたが、職場風土の醸成には、職場改善活動のみでは対応が難しいという課題が得られました。社員のメンタル不調の要因は多岐にわたることから、今後は職場環境の改善に加え、一人ひとりのストレス対処力やセルフケア能力の向上など、「個人のストレス対応力強化」に向けた取り組みも重要であることが明らかになりました。
| 意識の変容・行動変容に関する指標 | 目標 (2025) |
2022 | 2023 | 2024 | 2025 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1か月以上のメンタル不調による休務者割合 | 0.80%以下 | 0.97% | 0.98% | 1.02% | 1.13% | |
| 長時間労働者健診対象者による健康障害の発生件数 | 0件 | 1件 | 1件 | 1件 | 0件 | |
| 職場・事業所内での感染症の集団感染件数 | 0件*5 | 2件 | 0件 | 0件 | 0件 | |
| 組織風土*4 | 高リスク職場数 | 0職場 | 7職場 | 12職場 | 10職場 | 12職場 |
| 高リスク職場継続・再発職場数 | 0職場 | 4職場 | 2職場 | 1職場 | 2職場 | |
| ワークエンゲージメント | 2.52以上 | 2.49 | 2.50 | 2.48 | 2.51 | |
*4 SECのみ *5 自責による集団感染

健康Action2025の取り組みにより、社員の健康保持・増進および職場環境の改善により一定の成果は得られ『社員の健康を守る基盤』は構築できました。
この基盤を継続的に推進しつつ、2026年度からの「健康Action2030」では、社員の健康を守ることに加えて、コンディションを整え、集中力や持続力を高める支援を進めること、および個人のストレス対応力強化が、企業価値向上に繋がると考え、こころとからだが健康でいきいきと働き続けられるために、自律的健康管理ができるよう活動を展開していきます。
健康づくり活動
「健康づくり活動」の原点は1990年代初頭にさかのぼります。複数の拠点の産業保健スタッフが中心となり、疾病予防の観点から「社員自ら主体的に関わる健康づくりの文化を育む」ことを目指し、組織を立ち上げたことが始まりです。
その後、この活動は国内全拠点へと広がり、現在では「健康づくり推進委員会」として制度化され、会社、労働組合および健康保険組合が三位一体となった、組織的かつ継続的な活動へと発展しています。
各拠点の健康づくり推進委員会は、職場・部門の代表社員をはじめ、総務部門の管理監督者や労働組合代表などで構成され、現場視点で捉えた健康課題への対応や、楽しみながら参加できるイベントの企画・運営を行っています。
また、2024年度からは全拠点をオンラインでつなぎ、全社一斉の健康づくり推進委員研修会を開催しています。研修会では、産業医による自律的な健康管理に関する講義や、健康保持・増進と職場風土の醸成を担う委員の役割について学ぶ機会を設けています。さらに、経営層からのメッセージを通じて、全社的な健康づくりへの意識向上を図っています。
2026年度の研修会には349名が参加し、過去最大規模での開催となりました。また、「他事業所の活動事例を知りたい」という参加者の声を受け、北海道および長野県の事業所における取り組み事例を紹介しました。地域や職場の特色を活かした実践事例が共有されたことで、全社健康づくり活動の一体感の醸成と、活動に関する知識・ノウハウの向上につながっています。
行動促進活動(ウォーキングイベント)
当社では、健康保険組合との共催により、2021年度からウォーキングイベントを春・秋の年2回開催しています。このイベントは、社員が日常生活の中で運動の重要性に気づき、無理なく楽しみながら健康づくりに取り組むきっかけを提供することを目的としています。
個人での参加に加え、チーム制を導入することで仲間と励まし合いながら取り組める仕組みとしています。また、事業所ごとの参加率や目標達成率に応じた表彰やインセンティブを設け、職場全体で健康づくりに取り組む風土の醸成を図っています。
こうした継続的な取り組みの結果、2021年度春の参加率26.9%が、2025年度秋には43.7%となり、4年間で約1.6倍に拡大しました。ウォーキングイベントは着実に定着し、多くの社員が参加する健康づくり活動へと成長しています。
ウォーキングを通じて、運動習慣の定着や心身のリフレッシュに加え、職場内コミュニケーションの活性化にもつながっています。今後も社員の健康意識向上と健康行動の定着を目指し、継続的な取り組みを推進していきます。
行動促進活動(食習慣改善イベント)
2019年度から生協と会社と共同活動で食生活を通じた健康保持増進活動を実施しています。2024年度は塩分摂取に着目し、適塩汁物の提供のほか、「塩分チェックシート」で自身の塩分摂取状況への気づきを促し、行動変容をつながるきっかけづくりを実施しました。その結果、「塩分摂取を控えている人の割合」が2024年度42.4%から2025年度43.3%と増加しました。2025年度は食事のバランスに着目し、食事バランスチェックとともに、バランス定食の喫食機会の提供を実施しました。
個別支援
当社の各事業所「健康管理室」では産業医・看護職等の専門職が、気軽に相談できる相談者としてコミュニケーションを重視し、社員の「こころとからだの健康」に関する相談対応や支援を実施しています。特に、脳心臓疾患に関する定期健診結果要受診者への受診勧奨に力を入れ、重症化予防に努めています。さらに、治療と仕事の両立をしながらいきいきと働き続けられるよう、上司、人事担当者、産業医などが連携して、一人ひとりの状況に合わせた就労支援を行っています。
また、「従業員相談室」では、産業カウンセラーがメンタルヘルスの相談対応の他、キャリアカウンセリングも行っています。
がん対策
エプソンは、健康保険組合と連携し、定期健康診断時に「がん検診」を実施しています。
2024年度は、がんに関するリテラシー向上のため、e-ラーニングを実施しました(受講率85.0%)。精密検査者の受診率が伸び悩んでいたため、2025年度には、健康保険組合と協働して精密検査者の受診率向上に向けた取組みを強化しました。特に受診率が低い胃がん・大腸がん検診の精密検査者に対し、受診勧奨時の資料を工夫するとともに、その後の未受診者には再受診勧奨と未受診理由把握のためのアンケートを実施しました。個々の未受診理由についての個別対応や情報提供を実施した結果、胃がん・大腸がんともに昨年度比で受診率向上し、がん検診の要精密検査受診率が2024年70.7%から2025年度76.2%へ増加しました。
感染拡大防止への対応
エプソンは感染症拡大をグローバルな企業活動に影響を与える大きなリスクとして捉えており、国内および海外各地の感染症流行状況をモニタリングし、必要に応じて情報を発信しています。
国内外のグループ各社においては、国およびその地域に即した感染症発生時における事業継続計画(BCP)やマニュアルを策定しています。また、有事を想定した訓練や感染対策用品の備蓄品管理等を通じて、社員の安全確保はもちろんのこと、被害の最小化、事業の継続を目的に自走型の取り組みを推進しています。
今後も感染症に対する意識が浸透し、職場内では日常的に感染防止対策が励行されている状態を目指して取り組んでいきます。
その他の取り組み
海外現地法人の健康管理支援
エプソンの海外従業員比率は7割であり、働く人の健康保持増進に向け、グローバルに取り組むことが大切と考え活動を展開しています。
2026年度は、グループ全体での健康管理への取り組みの考え方を改めて共有しています。
各拠点では各地の文化・労働環境・健康課題の実態に合わせて、健康課題に対する取組みを計画し、業務上の疾病予防など職場の健康リスクへの対策や生活習慣病予防・メンタルヘルス対策など働く人のセルフケア支援を行っています。
また、本社部門では、海外現地法人とのコミュニケーションを積極的に行いながら、各拠点の推進計画の進捗状況や取り組みの共有等から困りごとへの対応・支援を行っています。
海外赴任者へのサポート
海外赴任者への健康に関する情報発信や相談対応などを目的として、「グローバルヘルスサポートデスク」を設置しています。
赴任前には、海外担当産業医が、三大感染症(HIV・マラリア・結核)に対する情報提供や教育を行っています。
海外赴任に伴う心身の健康リスク低減を図るため、従来の赴任3~6カ月目の一時帰国時の面談に加え、1年目にはオンラインによる個別面談を実施しています。
また、定期的な健康情報の発信を行うとともに、健康診断やこころの健康診断の実施および事後フォロー、社内イントラを活用した情報提供等、国内社員と同等レベルになるよう健康保持増進のための支援を実施しています。
女性特有の健康課題への支援
エプソンでは、女性特有の健康相談窓口を設置し、社員がお互いに気持ちよく働ける環境づくりをめざして、性別を問わず、本人に限らず、上司や同僚からの相談を受けており、出産・育児、更年期に関すること等の健康課題に応じたサポートをしています。
また、階層別教育にて、女性の健康に関する教育を行っています。
救急救命の普及啓発活動の推進
過去に社内で発生した心肺停止による緊急搬送事例を教訓として、社内外で万が一現場に居合わせた時に最善の応急手当や救命処置がとれるように、国内のグループ各社において救急救命の普及啓発活動を推進してきました。
役員および全社員を対象に、心肺蘇生手順に関するeラーニングおよび自動体外式除細動器(AED)の操作を含む体験型救急救命研修を実施し、いずれも9割を超える社員が受講しています(2026年3月現在)。
これらの活動を通じて、グループ全体として救命処置に関する基盤づくりが進んだことから全社統一の教育は終了し、今後は各拠点のニーズに基づき教育や訓練を実施し、迅速かつ適切な救命処置対応の維持・向上に努めてまいります。
健康関連データ分析
会社と健康保険組合がそれぞれに保持している健康情報を、結合し可視化する健康情報分析を行っています。外部専門サービスとタイアップし、従業員と職場の健康課題を分析することで、健康経営のサイクルを循環させることに注力しています。2025年度は外部機関と健康情報を分析し、その結果を「健康Action2030」策定に反映しました。
外部パートナーへの取り組み
「こころとからだの健康」に関するヘルスリテラシーの向上は、当社で働くすべての人に関係するものと考え、国内では、構内で共に働く外部パートナーに、ヘルスリテラシー教育の受講やウォーキングイベント・各拠点で開催される健康づくり活動に任意参加できる環境を整えています。特に全社ウォーキングイベントでは「歩く」という運動機会の提供とともに、参加者間・職場内のコミュニケーション向上につなげています。
健康経営の普及活動
健康経営の普及活動の一環として、各社よりご依頼いただいたアンケートへの回答や健康関連情報誌への寄稿、および「エプソンの健康経営」の取り組みに関する情報提供、学会にて発表を行っています。
また、お取引先様との企業間交流会を通じて、当社の取り組み紹介し、当社の健康増進のみならずビジネスパートナーと相互向上に向けた健康経営の促進活動にも取組んでいます。
登壇・掲載・相互促進
| メディア・主催団体 | 内容 | 時期 |
|---|---|---|
| 産業医科大学 | 産業医実務講座 「企業と産業保健」 | 2025年3月 |
| 日本産業衛生学会 |
県内一事業所における転倒の検討(第1報) ー自己申請による身体機能との関連についてー |
2025年5月 |
| 日刊工業新聞 |
「深層断面/健康経営、実効性カギ 長期就業の重要性増す」にて 当社の取り組み事例紹介(エプソンの自律的健康管理・ウオーキングイベント) |
2025年9月 |
| 日本産業衛生学会 |
実践体験型セルフケア研修の定着効果 ー意向から実践への移行(開始フェーズ)の検証 ー |
2026年5月 |
| 日本産業衛生学会 | 企業内減塩イベントが従業員の意識・行動変容に与える影響 | 2026年5月 |
「健康経営優良法人(ホワイト500)」に10年連続で認定
2026年3月、エプソンは、経済産業省と日本健康会議が共同で推進する、「健康経営優良法人(ホワイト500)」に10年連続で認定されました。
健康経営優良法人認定制度とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に取り組んでいる企業などの法人から、特に優良な健康経営を実践している法人を日本健康会議が認定する顕彰制度です。なお、大規模法人部門の上位500法人へ「ホワイト500」が冠されます。
当社の中期健康管理施策は2001年度から始まり、会社と健康保険組合が連携して活動を推進しています。これまでの長年の活動によって、従業員への活動の浸透、よりよい実施体制の構築、健康維持・改善などの取り組みが認められました。