人材マネジメント
人材戦略
エプソンは、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」において、「『省・小・精の技術』とデジタル技術で人・モノ・情報がつながる、持続可能でこころ豊かな社会を共創する」ことを目指し、5つのイノベーション領域を設定して戦略を推進しています。
エプソンは、この5つのイノベーション領域の中でも、特に成長領域におけるスペシャリストを獲得するとともに、内部人材に対しては、専門教育と知識・経験の幅を拡げるローテーションの加速により人材育成を強化し、これらの人材を強化領域に配置しています。
エプソンは、またこれらの人材を生かす組織風土や働く環境づくりに積極的に取り組んでいます。多様な人材が、「自由闊達で風通しのよいコミュニケーション環境」により、関係の質を向上させ、チーム力を最大限に発揮して、社員と会社が共に成長し続ける組織風土を作り上げるとともに、社員の多様な働きかたのニーズに対応した、働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
これらの取り組みを通じ、エプソンは、事業の成長と従業員一人ひとりの成長をともに達成し、目指す「持続可能でこころ豊かな社会」を実現したいと考えています。
考え方と取り組み
積極的な外部人材獲得
人材の獲得に関しては、将来の要員構造の推移の予測と、事業戦略を実現するための要員ニーズに基づいて要員計画を策定し、計画的・安定的に新卒採用を行うとともに、積極的な高度専門人材のキャリア採用を行い、成長領域であるプリンティング(オフィス、商業・産業)や生産システム(ロボット)、新領域である環境ビジネス・環境技術、センシング、さらに経営・事業基盤となるDXや営業戦略の実行を中心とした領域に投入しています。
また、人材の獲得にあたっては、要員数の確保に加え、多様性の観点からも、積極的に女性、高齢者、障がい者、外国人などの採用・活用を図っており、女性の新卒採用は25%を目標としています。外国人の活用については、日本国内での採用に限らず、海外現地法人からの受け入れ、あるいは拠点戦略まで含めた、多角的な視点からの検討を行っています。既に、プリンタの設計機能の一部をインドネシアの現地法人に移管した例があります。
ローテーションの加速と人材の強化領域へのシフト、人材育成
エプソンの目指す「持続可能でこころ豊かな社会の実現」のためには、経営理念を中心としたエプソンのバリューの理解と、経営や事業の方向性の共有をベースとしながら、広い視野と高い専門性を持って変化に素早く対応し、お客様の立場に立って自立的・自律的にお客様の価値を作り上げることのできる人材が必要です。そのため、エプソンは業務を通じた育成(OJT)を基礎に、教育体系を整備して階層別の教育や各種の専門教育をOFF-JTとして行い、また、内部人材の強化領域へのシフトを進めるとともに、本人の能力や経験・知識の幅を広げるため、ローテーションに積極的に取り組んでいます。従来ローテーションがなかなか進まなかった反省を踏まえ、社内公募・JOBチャレンジ制度利用時の上司確認の撤廃、昇格要件へのローテーションの織り込み、異動元職場への人材の補充、管理職の目標管理へのローテーション項目の追加と査定への反映に加え、異動時教育の体系化を進めています。2019年度のローテーション率は6%でしたが、毎年15%を目標として取り組んでいます(2021年度9.0%)。
人材レビューと後継者計画
人材の配置と役職への任用は、「役割」の概念を基礎として行っています。事業戦略を遂行するための組織をグローバルに設計し、その中で各ポジションの役割を定義し、その役割に対し、最適な人材を配置・任用することが基本的な考え方です。そのための仕組みとして、年1回、各組織において、各階層ごとに「人材レビュー」を行い、要員状況を俯瞰するとともに、各ポジションに対する後継候補人材のリストアップとその能力開発ニーズの検討等を行っています。
