人材戦略

人材戦略の考え方

エプソンは、信州に生まれ、育った企業です。現在も信州に事業運営の核となる機能・基盤を置きつつ、売上収益の約80%、従業員数の約75%を占める海外各国・地域に107か所の研究開発、生産、営業拠点を整備し、グローバルにビジネスを展開しています。そのため、エプソンにおいては、地域の雇用の確保と、それに伴う比較的長期の雇用を強みに変えつつ、一方で積極的に外部人材を獲得し、多様性を実現すること、グローバルに厳しい競争を勝ち抜き、経営目標・事業成長を達成するための人的基盤を構築することが人材戦略の要諦となります。具体的には、以下がポイントとなります。

  • さまざまなお客様のニーズを的確に把握し、素早く、柔軟に対応できるよう事業の変革・革新を進める。そのために新領域や高度専門領域のスペシャリスト、経営目線を持って活躍できるマネジメント人材を積極的に外部から獲得するとともに、強化領域への重点配置を進め、グローバルな視点で最適なフォーメーションを構築する。
  • エプソンは、長期の時間軸で「人が自律的にキャリアを形成し、成長し続ける会社」として、各種研修やリスキリング、ローテーション、社内公募制度等の挑戦の機会を提供し、従業員一人ひとりが内外の環境変化への対応力を高める。また、グローバル視点での最適なフォーメーション構築のため、海外人材を含めグローバルに活躍できる人材を育成・配置する。
  • イノベーションを実現する創造性を高めるため、女性や外国人、中途採用者、障がい者、高年齢者など多様な人材を確保するとともに、組織風土への取り組みや、信州の恵まれた自然環境、職住接近など、地方企業としての利点を生かした働きやすい環境づくりを通じて、従業員のエンゲージメントを高め、多様な人材を生かし、組織の総合力を最大化する。

求める人材像

経営戦略の実現・事業遂行のため、エプソンは、パーパス、エプソンウェイの浸透と、長期ビジョンに定めた事業の方向性の共有をベースとしながら、広い視野と高い専門性を持って変化に素早く対応し、お客様の立場に立って自立的・自律的にお客様価値を作り上げることのできる人材を必要としています。
今後さらに国内での少子高齢化や労働人口減少が進むことも見据え、経営戦略の策定・遂行および新たなビジネスモデルの確立に必要となる人材要件を定義して、現状とのギャップを明らかにするため、グローバルベースでの人材ポートフォリオ策定に着手しています。これを起点として、中長期戦略実現のための人事課題を明らかにし、適切な施策により全社最適人員構造を実現していきます。

人材マネジメント

強化領域への重点配置

エプソンでは、事業運営の基盤として、将来の要員構造の推移の予測と、事業戦略を実現するための要員ニーズに基づいて要員計画を策定しています。2020年度、2021年度はCOVID-19の流行 により一定の抑制を行いましたが、今後、中期的には、新卒・中途を合わせて、毎年350人以上の採用を計画的・安定的に行う方針です。
成長領域であるプリンティング(オフィス、商業・産業)や生産システム(ロボット)、新領域である環境ビジネス・環境技術、センシング分野へは、採用した人員の重点配置に加え、内部人材へ専門教育・転換教育等を行って強化領域に投入するとともに、人材要件を明確にしたうえで外部からマネジメント人材やスペシャリストを獲得し、強化領域へ配置しています。
また、人材の獲得にあたっては、要員数の確保に加え、多様性の観点からも、積極的に女性、高齢者、障がい者、外国人などの採用・活用を図っており、女性の新卒採用は25%を目標としています。外国人の活用については、日本国内での採用に限らず、海外現地法人からの受け入れ、あるいは拠点戦略まで含めた、多角的な視点からの検討を行っています。既に、プリンタの設計機能の一部をインドネシアの現地法人に移管した例があります。

■採用数

  2020年度 2021年度 2022年度 今後の目標
新卒採用 344人 200人 250人 今年度*1 350人以上を継続採用
中途採用 30人 48人 241人

*1 各年度4月1日入社の新卒社員数と各年度の中途入社者数の合計

人材の配置と役職への任用

人材の配置と役職への任用は、「役割」の概念を基礎として行っています。事業戦略を遂行するための組織をグローバルに設計し、その中で各ポジションの役割を定義し、その役割に対し、最適な人材を配置・任用することが基本的な考え方です。
そのための仕組みとして、年1回、各組織において、各階層ごとに「人材レビュー」を行い、要員状況を俯瞰するとともに、各ポジションに対する後継候補人材のリストアップとその能力開発ニーズの検討等を行っています。
海外においても、現地のトップマネジメント・人事部門と連携して役割や要件定義を行い、後継計画・育成計画を策定しています。このような活動を基盤として、グローバル視点での最適なフォーメーションの構築に取り組んでいます。