センシングソリューション技術

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社会課題の解決にも貢献する
エプソンのセンシングソリューション技術

センシングとは、センシングデバイスを用いて、さまざまな情報を計測・数値化して知ることです。エプソンのセンシングソリューション技術には、大きく3つの分野があります。位置を知るポジションセンシング。人の活動を知るバイタルセンシング。動きを知るモーションセンシング。これらエプソンのセンシングソリューション技術について解説します。

利用シーン

位置を知るポジションセンシング

人工衛星

ポジションセンシングは、対象物が今どの場所にあるのかを知るソリューションです。ポジションセンシングの代表的なキーデバイスとして、GNSSデバイス(GNSS:Global Navigation Satellite System、全地球測位システム)があります。衛星からの電波で地球上の現在位置を知るGNSSは、元々は軍事目的で作られたシステムですが、今ではカーナビゲーションシステムや航空機、スマートフォン、時計、カメラなど、さまざまな製品に搭載され、人々の生活に役立っています。

エプソンの GNSSデバイスは、革新的な低消費電力・小型・高精度を実現。国産の準天頂衛星システム「みちびき」にも対応し、高い受信感度を誇ります。そして、エプソンではこれら技術を活用して、GNSS衛星電波のみで現在位置のタイムゾーンを特定し、常に正確な時刻を示す独創のアナログウオッチ「TRUME」も生み出しています。

人の活動を知るバイタルセンシング

バイタルセンシングは、人の生命活動の証であるバイタルサイン(生命兆候)をセンシングデバイスにより計測するソリューションです。エプソンが長年にわたり培い進化させてきた独自の脈拍計測技術は、手首に機器を装着するだけの手軽さで、高精度に脈拍数を計測できることが特長です。

多くの小型リストバンド型の心拍計測器は、緑色のLED光を皮膚内の血管に照射し、ヘモグロビンに吸収されずに反射してきた光を受光素子で捉え、その光量の微小な変化をモニタリングすることにより脈拍を計測しています。エプソンでは、独自に進化させてきた半導体製造技術やMEMS技術を活用して作られる、受光素子をはじめとしたセンシングデバイスによって、高精度かつ低消費電力での脈拍計測を実現しています。

受光素子上には、計測精度の低下を防ぐため、「角度制限フィルター」と「波長制限フィルター」の2種類の独自光学フィルターが搭載されています。これにより、太陽光や室内灯などの外乱光による影響を抑え、測定精度を保ちます。また、腕の振りなどによって起こる体動ノイズを加速度センサーで検知し、ノイズを除去するアルゴリズムを組み込んで測定精度を高めています。

バイタルセンシング

動きを知るモーションセンシング

エムトレGolf

モーションセンシングは、人や物がどのぐらいの力で、どのように動いているのかを知るソリューションです。人や物がどの方向に動いているのかは、画像でも知ることはできます。しかし、画像からでは、どのぐらいの速さや力で動いているかを知ることは容易ではありません。そこで、活躍するのがジャイロセンサーや加速度センサーなどのセンシングデバイスです。ジャイロセンサーは、角速度センサーとも呼ばれ、回転や方向の変化など、角速度を検出するデバイスです。加速度センサーは、軸方向の速度の変化を検出するデバイスです。スマートフォンや携帯ゲーム機などに搭載して、操作する人の動きを検知したり、カメラの手ブレ防止機能などにも活用されています。

社会課題の解決にも貢献する
エプソンのセンシングデバイス

シャープペンシルの芯に載る水晶ジャイロセンサー

モーションセンシングを応用した慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)によるセンシングは、人や物の速さや姿勢、方向の変化を3次元で知るソリューションです。IMUは、回転や方向の変化などを知る3軸のジャイロセンサーと軸方向の速度の変化を知る3方向の加速度センサーからなる慣性運動量を高精度に検出する装置です。主に運動体の挙動(姿勢・軌跡)計測・制御を目的として使われます。

実際のセンシングの環境下においては、振動、温度変化などの影響を受けるため出力データの精度が劣化しますが、IMUは誤差を低減するさまざまな補正機能を搭載しており、高精度なセンシングデータを安定的に出力します。IMUはドローンや小型無人機、小型の潜水艇などの姿勢制御、大規模農業向け農業機械の自動運転や建設機械を安全に操作するための制御、機械装置の故障予知保全などに利用されています。

また、IMUにも搭載されている加速度センサーには、水晶微細加工技術を用いた周波数変化型の加速度センサー素子が搭載されており、低ノイズ・高分解能・高安定がその特徴です。スマホやゲーム、カメラなどの民生電子機器だけでなく、高性能な加速度センサーは、橋梁や高架軌道、道路、パイプライン、大型プラントなど建物や構造物の健全度をチェックする構造ヘルスモニタリングシステムにも用いられ、建造物や社会インフラの劣化予測として、傾きや振動、圧力の変化などを計測するために活用されています。

エプソンは、実用化が困難であった社会インフラなどの課題(予知保全・災害監視・劣化診断・省人化・効率化)を、エプソン独自のコア技術をベースに開発した高精度センシングシステムで解決し、便利・安全・安心な社会の実現に貢献します。

利用シーン