PrecisionCore(プレシジョンコア)

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PrecisionCore(プレシジョンコア)
テクノロジーが作る未来の社会

PrecisionCore(プレシジョンコア)テクノロジーは、エプソンが生み出した次世代を担うインクジェットプリンティング技術です。印刷速度を大幅に向上させながらも高画質な印刷を実現し、使用できるインクや印刷可能な素材の幅を大きく広げます。

エプソンが長年にわたって培い、蓄えてきたインクジェット技術と経験に、高精度MEMS加工技術や薄膜ピエゾテクノロジーなどを融合させることで、PrecisionCore テクノロジーは実現しました。PrecisionCore テクノロジーは、インクジェットプリンティングの水準を新たなレベルまで引き上げます。

インクジェットプリントの新たな可能性

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近年、インクジェットによるデジタル印刷は、高いオンデマンド性や適応範囲の広さが注目され、さまざまな業種や用途へ利用が広がっています。

例えば、オフセット印刷に代表される従来のアナログ印刷の領域では、印刷を行うための版を製作する必要があり、その分の時間とコストが発生していました。人々の需要の移り変わりは年々早くなり、増加する少量・多品種への印刷需要と共に、版を必要としないインクジェットによるデジタル印刷の活用が進んでいます。特に、供給サイクルが短く、種類の多いフォト・プルーフやサイネージ(看板、ポスター)、捺染、ラベルなどの印刷では、すでにアナログ印刷からインクジェット方式のデジタル印刷に代わり始めています。版が不要なデジタル印刷なら、オンデマンド印刷に対応出来るため、在庫を抱える心配がなく、品目ごとにカスタマイズした印刷物を簡単にすばやく提供することができます。

また、印刷の高速化と品質の両立化に加え、インクジェットの特長である高い色再現力、効率性、適用範囲の広さ、環境面などから、レーザープリンターに代表されるオフィス領域や、商業・産業用プリンターの領域においても、インクジェット方式が浸透しつつあります。

PrecisionCore テクノロジーは、このようなインクジェット印刷への要望に応え、新たな市場を切り開くことができる最先端のインクジェットプリンティング技術です。シリアルヘッド方式に加え、用途に合わせた柔軟で多様なプリントヘッドの構成が可能なラインヘッド方式や、さまざまな種類のインクへの対応、多種多様な素材への印刷など、コンシューマー向けからオフィス領域、商業・産業領域に至るまで、高速かつ高画質な印刷を提供します。

PrecisionCoreプリントチップ
PrecisionCoreプリントチップは用途に応じたさまざまなヘッドに展開可能。

エプソンの持つ
高度な技術の融合により実現

PrecisionCore テクノロジーは、エプソンが長年にわたって培い、蓄えてきたインクジェット技術と経験に、サブミクロン単位での超微細加工が可能な高精度MEMS加工技術や、厚さ1マイクロメートル(1/1000ミリメートル)のピエゾ素子を形成する要素技術などが融合することで実現しました。プリントヘッドの基本モジュールとなる、次世代プリントチップ「PrecisionCoreマイクロTFPプリントチップ」により、高速・高画質なインクジェットプリンティングを実現します。

PrecisionCoreマイクロTFPプリントチップ
PrecisionCoreマイクロTFPプリントチップ

薄膜ピエゾ(Thin Film Piezo: TFP)テクノロジー

薄膜ピエゾテクノロジーは、シリコンウエハー上に厚さ1マイクロメートルのピエゾ素子の膜を、均一かつ均質に形成する技術です。エプソン独自の結晶化技術により、安定した配向性を持つ高品質なセラミック結晶を焼結形成できます。この技術を用いて作られたTFPアクチュエーターは、薄く結晶構造が均質なため、大きな変位量を均一に生み出すことができます。その変位量は従来品の約2倍にもなります。

高精度MEMS加工技術

MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加工技術は、PrecisionCore テクノロジーを支えるコア技術の1つです。MEMS加工技術は、サブミクロンレベルの精度で機械要素部品やセンサー、アクチュエーター、電子回路などを、一つのシリコン基板、ガラス基板、有機材料などの上に集積化します。PrecisionCore プリントヘッドを構成する、精巧なTFPアクチュエーター、インクチャネル、ノズルプレートの形成には、業界トップクラスの精度を持つエプソンのMEMS加工技術が用いられています。

ノズル自己診断システム

ピエゾ素子は、電圧を加えることで変形する特性と変形に伴い電圧が発生するという2つの特性を持っています。この特性を用いてピエゾ素子をセンサーとしても活用し、吐出が正常か、気泡が発生して吐出が妨げられていないか、インクの粘度が上がって問題が発生する可能性がないかを1000分の1秒単位で検出し、一瞬で状態を自己診断しています。

また、時計の自動組み立てラインを起源とするロボットの内作技術が、超精密ロボティクス技術へと進化を遂げ、PrecisionCore マイクロTFPプリントチップの自動化ラインに使われています。これらの多くの技術によって、PrecisionCore テクノロジーは高い品質管理と、安定した生産性を両立しているのです。

ピエゾ素子に電圧を加えることでノズル状態を診断する技術

高速、高画質、各種インクに対応

PrecisionCoreテクノロジーにより、インクジェットプリンティングは大きく変わります。PrecisionCore プリントヘッドは、エプソンにおける従来のピエゾプリントヘッドの2倍以上の解像度を実現しています。インク滴を正確な位置に、必要な量だけ吐出することで、高速で高画質な印刷が可能となります。

PrecisionCore プリントヘッドは、ひとつのノズル穴から1秒間に最大5万発の速さでインク滴を吐出します。また、ピエゾ素子に加える電圧を精密に制御することによって、インクの吐出量をコントロールすることができます。1つのノズルから大小さまざまなインク滴を、高速に打ち分ける技術により、多彩で高画質な印刷を可能にします。これにより、滑らかな曲線を描いたり、小さな文字でもくっきりと印字したり、あるいはグラデーションや塗りつぶしなどにも的確に対応できます。

さらに、ピエゾ素子による機構と吐出性能により、水系インクをはじめとして、エコソルベント(溶剤)インク、UV硬化インクなど、多種多様なインクを吐出することが可能です。

PrecisionCore テクノロジーが作る未来

PrecisionCore テクノロジーが作る未来

PrecisionCore テクノロジーは、インクを使い紙に印刷するものであったインクジェットプリンティング技術を、単なる印刷を超えた新たなレベルへ引き上げます。例えば、インクの選択肢が広いPrecisionCore プリントヘッドならば、導電性のインクを用いて回路パターンを形成することや、有機ELパネルの製造、薄膜レジストの形成といった、エレクトロニクス分野での活用が考えられます。また、バイオプリンティングや創薬などのバイオ分野での活用、デコレーション、調味といった食品分野での活用など、オープンイノベーションにより、新たな発想や技術をもつ外部パートナーと協力することで、その可能性はどこまでも広がっていきます。

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