環境コミュニティー

商品・サービスを核とした環境コミュニティー活動を展開し、社会・経済の新しい持続可能性の実現に挑戦します。

環境教育

社員が日常的に環境を意識して行動するためには、一人ひとりが会社だけでなく家庭でも環境問題を自身の行動の判断材料の一つと位置付け、率先して解決に向けた行動ができるようになることが重要であると考えています。その実践に向け、環境教育や啓発を通じて、正しい理解と実践を促しています。
また、エプソンが培った知識や経験を社外へ広めることで、社会全体の環境保全に貢献しています。

社内での環境教育

社員向け環境教育は、「一般教育」「専門教育」「啓発」で構成されています。
一般教育は、一般社員から管理者、経営者層まで、それぞれの階層が自分の職務に応じてどのように環境課題に関わるべきかを理解し、行動するための階層別教育と、その第一歩である全社員必須教育の「環境基礎教育」で構成されています。専門教育は、環境対策に必要な技能を身につけるもので、それぞれの職務に応じて選択します。このほかに、管理者からの全社員に向けた環境メッセージの月度発信や、環境月間・省エネ月間の実施などを通じ、全社員の環境マインド向上を図っています。

環境教育体系(日本)

2024年度環境教育実績(日本)

研修名 受講者(認定者数)*1
環境基礎教育(2024) 19,133人
ISO14001:2015 環境監査人 86人(1,398人)

*1 環境基礎教育は公開期間(2024年7月~2025年3月末)での受講者数
  ISO14001は2025年3月末時点での在籍認定者数

地域・社会の環境人材育成への貢献

学校や地域などの要請に応じ、社員による出前講義や、受け入れ教育を行っています。

地域環境教育・グローカル人材育成の支援(日本)

【事例1】
エプソンは、「SDGs QUEST みらい甲子園 2024甲信越エリア大会」を支援しました。SDGs QUEST みらい甲子園とは、高校生が持続可能な地球の未来を考え行動するために、チームで主体的にSDGsを探求し、社会課題解決に向けたアイディアを考える機会を創発し、そのアクションアイディアを発表・表彰する大会です。2019年から開催し総勢1万人以上の高校生がさまざまなアクションアイディアを生み出してきており、長野・山梨・新潟県を対象とする地域横断の甲信越エリア大会は2024年度が初の開催となりました。

エリアの高校に通うチームからエントリーされたアクションアイディアの中からファイナリスト12チームが選抜され、2025年3月に行われたファイナルセレモニーにて、「ものづくりのまち 燕三条の地場産業を活性化!」というアイディアを提案した新潟県立三条高等学校の「jibasangirls」にセイコーエプソン賞を授与しました。

2025年8月には、チームの4名を当社に招待し、ものづくり企業としての歴史、技術や企業文化への理解・関心を深めたのち、アイディアに対する社員とのディスカッションを通じて、実践的な学びを体験してもらいました。

2025年度のアルプスエリア大会(長野・山梨・静岡県)も支援を継続し、地域の高校生の挑戦と学びを力強く支えてまいります。

2024年度甲信越エリア大会 セイコーエプソン賞
新潟県立三条高等学校 jibasangirls


ものづくりのまち 燕三条の地場産業を活性化!
金物産業で有名な燕三条の地場産業を活性化するため、体験型セレクトショップ「JIBASAN LABO」を企画。マジックメタルの効果検証から生まれた企画で、若者の興味を引く商品と体験型ワークショップを融合させ、地場産業の新たな可能性を広げるアイディアを創出。

甲信越エリア大会ファイナリストの紹介と、2024年度の全国各エリアの受賞結果はこちらからご覧いただけます。

【事例2】
当社が本社を置く長野県諏訪市では、小中学生を対象に地域のまちづくりを考える機会として、すわ未来創造「子どもゆめプロジェクト」が進められています。エプソンは、プロジェクトの一環である「ゼロカーボンシティの実現」をテーマとした2023年度の活動において、環境教育プログラムの実施に協力しました。エプソン社員が講師の一人として登壇し、参加者に地球環境問題の現状や企業としての環境の取り組みを紹介しました。また、主催である諏訪市からは、諏訪湖環境改善の取り組みや、食品ロスと生ごみリサイクルの紹介がされました。参加者の興味深く話しを聞く様子や、活発に質疑する姿が見られました。

【事例3】
2021年11月、長野県長野高等学校の受け入れを実施しました。長野高校は文部科学省から「地域との協働による高等学校教育改革推進事業校(グローカル型)」に指定され、グロバールな視点を持ち、地域(ローカル)課題の解決へ向けた提言のできる人材を育成しています。
今回は、地球規模の環境問題に対して企業や個人としてできることや地域の再生可能エネルギーを研究テーマにした1年生がフィールドワークとして来社しました。エプソンからは、事業活動で蓄積してきたノウハウや事例を生徒たちと共有し、環境ビジョン実現に向けた共創の考えや「信州Greenでんき」の導入経緯などを紹介しました。

加えて、乾式オフィス製紙機PaperLabや、紙以外のさまざまなものへのプリントを可能にするエプソンの大判プリンターなどの商品をご紹介し、エプソンが重視する資源をめぐる課題や商品・サービスを通じた環境負荷低減について理解を深めていただきました。

大学生への環境講義(日本)

2020年2月、信州大学「環境マインド実践人材養成コース 環境マインド実践基礎論」の現場学習の受け入れを実施しました。
今回の現場学習は、実社会での環境分野の課題・取り組み内容を実務者から直接学ぶことを目的に、当社の環境部門長がエプソンの環境活動の姿勢や取り組みについて具体的事例を挙げながら講義を行い、受講生の皆さんからの質問や意見を受けました。

講義終了後は、ものづくり歴史館、乾式オフィス製紙機PaperLabによる紙再生の実演、さらにインクカートリッジの仕分け処理を行うエプソンミズベ(株)本社・湖畔工場の見学を実施し、ものづくりの会社としてのさまざまな社会課題への取り組みについて理解を深めてもらいました。

環境問題は、地域での活動が重要であり、それがグローバルな社会課題の解決につながります。同じく信州を起点に持続可能な社会の実現を目指すものとして、今後も地域の皆様との幅広い連携を図っていきます。

小学生への環境教育の実施(中国)

2023年10月、Tianjin Epson Co.,Ltd.は天津市生態道徳教育推進協会と天津南開区環境生態局と協同し、所在地の小学生約200名に「ごみの分別と資源化」について、環境教育を行いました。
当社社員は、エプソンの事業活動を通じて蓄積してきたごみ分別と資源化のノウハウを生徒たちに伝え、環境保護意識の向上を図りました。

関連情報

次世代教育(環境)

環境コミュニケーション

環境を通じたコミュニケーション活動の取り組みを紹介します。

環境経営セミナーの開催(日本 )

2023年1月、エプソン販売株式会社の主催で、サプライチェーンでの環境配慮の取り組みに関心をお持ちの企業を対象とした環境経営セミナー「サステナブル企業が考える、未来のサプライヤーエンゲージメント」を開催しました。セミナーでは、コクヨ株式会社とセイコーエプソン株式会社のサステナブル推進責任者に加えて、有識者として株式会社日本総合研究所・シニアマネジャーの大森充氏が登壇しました。両社のこれまでの取り組みを紹介するとともに、今後サプライチェーンに求められる環境対応や市場動向をディスカッションし、脱炭素の潮流におけるサプライヤーエンゲージメントの現状と展望を参加者に共有しました。

4年連続で「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」を受賞

環境省が主催する「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」は、ESG金融の普及・拡大につなげることを目的に、ESG金融または環境・社会事業に積極的に取り組み、インパクトを与えた投資家・金融機関・金融サービス事業者・企業などについて、その先進的・模範的な取り組みなどを表彰するものです。同アワードの「環境サステナブル企業部門」では、企業の重要な環境課題に関する「リスク・事業機会・戦略機会」などの関連情報の開示充実度や企業経営における開示された取り組みの実効性を評価しています。
この度は「環境サステナブル企業」への選出とともに銀賞(環境大臣賞)を受賞し、「環境サステナブル企業部門」において4年連続での受賞となりました。(2025年2月)

環境サステナブル部門銀賞・環境大臣賞 選定理由 (事務局より)

CFOとCSuOの役割の兼務を図るなど、サステナビリティ推進の観点から組織面での工夫を行っている点が高く評価された。また、『「省・小・精」から生み出す価値で人と地球を豊かに彩る』というパーパスの社内浸透に注力する姿勢は、外部環境が厳しさを増す中にあっても堅持されている。今後は、非財務の取組と企業価値との関係性を明確に示すことで、こうした取組の更なる質的向上を図るとともに、成長領域における成果も期待され、銀賞となった。

「第3回日経SDGs経営大賞」で「環境価値賞」を受賞

「環境価値賞」は、リスク・機会の分析や環境監査などの「方針」、「温暖化ガス」の排出量や把握範囲、実績数値など、「廃棄物」「消費電力」「水資源」の量的把握や長期目標の有無、実績数値など、そして気候変動への適応策や環境課題への解決策、生態系保全のための活動など「気候変動、資源、生物多様性」を総合的に評価された企業に与えられる賞です。
今回当社は、温暖化ガスの排出をめぐり、重要性が増している取引先まで含めた削減努力、TCFDへの賛同と有価証券報告書への情報開示や再生可能エネルギーの積極的な導入の「環境目標設定」などが高く評価され、初めての受賞となりました。
エプソンは、SDGsが掲げる持続可能でよりよい世界を実現するために、我々の持つ技術、商品、サービスの提供を通じて、世の中に貢献できるよう取り組んでまいります。(2021年11月)

他社との意見交換(日本)

2021年12月、関西に主要拠点がある企業を対象とし、経営革新や人材育成に関する支援を行う公益財団法人 関西生産性本部の要請により、同本部が開講するマネジメントスクールの「経営戦略コース」受講生の企業訪問を受け入れました。今回の訪問において、さまざまな業種の関西有力企業4社から派遣された受講生は、環境問題への対応は今後の企業経営においての重要事項であるとし探求テーマに取り上げ、脱炭素への考え方やカーボンニュートラルが社会や企業に与える影響について、当社の経営層と各社の対応などの環境関連トピックを討論し、互いに有益な情報を得られました。
加えて受講生には、ものづくり歴史館や乾式オフィス製紙機PaperLabによる社内の古紙再生センターの見学、またエプソンミズベの障がい者雇用の現場をご紹介し、合理的配慮や障がいに応じた業務の確保など、エプソンの企業活動への理解を深めていただきました。

地域住民との意見交換会(日本)

当社および国内グループ会社は、地域の皆様に当社の環境活動やリスク管理体制について理解を深めていただくことを目的に、事業所が立地する地域の皆様を招いて意見交換会を実施しています。

詳細はこちらをご覧ください。

環境コミュニケーションガイドライン

環境に関するコミュニケーションの在り方をまとめた「グローバル環境コミュニケーションガイドライン」を制定しています。正しく分かりやすい情報発信を行うため、グループ内でこのガイドラインを共有し、企業活動の中での環境への取り組みについて理解を深めた上で、情報発信を行っています。

関連情報

社外からの評価

環境技術による社会貢献

エプソンの技術を生かした社会貢献の取り組みを紹介します。

アカウミガメの保護活動

エプソンは、自社の温度センサー技術を活用し、千葉県鴨川市の鴨川シーワールド・行政・大学と連携して、絶滅危惧種であるアカウミガメの卵の孵化管理における砂中温度の影響に関する研究に取り組みました。この研究は、環境温度がウミガメの性別や生態に与える影響についての科学的知見の向上を通じて、種の保護に貢献することが期待されています。

(エプソンが貢献した本研究の成果は、2024年3月発行の『動物園水族館雑誌』第65巻第2号(Vol.65 No.2)に掲載されています)

海を目指して旅立つ子ガメたち

PFCガス簡易計測ツールの公開

半導体や液晶の製造工程で使用されるパーフルオロカーボン(PFC)などのガスは、地球温暖化係数がCO2の約1万倍と、極めてその影響が大きいものです。またPFCガスは計測そのものが困難とされてきました。
セイコーエプソン(株)は、2000年に、FT-IR(フーリエ変換赤外線分光光度計)を用いて、より簡便かつ正確な計測を可能とする「PFCガス簡易計測方法*1」を独自に開発したことで、大幅なPFCガスの削減を達成しました。
この「PFCガス簡易計測方法」は当社が特許を取得していますが、一定の条件下での無償許諾を行っており、企業などのPFCガス削減に活用されています。
*1 旧名称「エプソンメソッド」

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