コミュニケーション&教育
サプライヤーとのコミュニケーション
エプソンは、お客様にお届けする商品の品質はもちろんのこと、サプライチェーン全体において、人権が尊重され、安全な労働環境が確保され、さらには環境への配慮を企業の社会的責任と考え、サプライヤーを重要なパートナーと位置付けています。
サプライヤーとの対話は、さまざまな階層・形式で、年間を通して実施しています。
調達方針説明会
サプライヤーとの対話のトップレベルの場として、毎年、日本において「調達方針説明会」を開催し、サプライヤーにエプソンの事業概況をご理解いただくとともに、重要方針の共有をいただいております。エプソンの社長、事業部長から会社方針・事業方針などを説明し、また、サプライチェーン担当役員から調達基本方針、サステナブル調達に関する要請をしております。例年、多数のサプライヤーに参加していただいております。
2025年度も、日本国内において「調達方針説明会」を開催し、エプソンの経営方針および中長期戦略を共有するとともに、サステナブル調達に関する以下の重点方針をサプライヤーと確認しました。
- Scope3を含むGHG排出量の可視化と削減(カーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大とともに、Scope3排出量の算定・報告体制の整備を要請 など)
- 人権尊重(人権デューデリジェンスの実効性の向上 など)
- 責任ある鉱物調達(デューデリジェンスの強化 など)
- BCM(事業継続マネジメント)の高度化(災害や地政学的リスクへの対応力・レジリエンス強化 など)
CSR調達サプライヤー説明会
2016年度より、日本、中国、インドネシアなど生産拠点のある各地において、CSR調達サプライヤー説明会を毎年開催し、CSRに関する動向や、エプソンのCSR調達活動の説明と、対応の依頼を行っています。
CSR調達方針やサプライヤーガイドラインの遵守要請のほか、CSRや有事対応力(BCM)の評価、紛争鉱物調査などへの協力をお願いしています。
サプライヤーの参加状況
(開催地) |
参加サプライヤー計 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 中国 | フィリピン | インドネシア | その他の地域*1 | ||
2022年度 | 969社 | 80社 | 81社 | 30社 | 35社 | 1,195社 |
2023年度 |
603社 (693名) |
417社 (473名) |
20社 (57名) |
60社 (441名)*2 |
6社 (20名) |
1,106社 (1,684名) |
2024年度 |
ー*3
|
372社 (430名) |
23社 (46名) |
43社 (90名) |
28社 (46名) |
466社 (615名) |
*1 その他の地域には、エプソンの製造拠点が所在するシンガポール、タイ、マレーシアを含みます
*2 インドネシアに所在する主要生産拠点のPT. Indonesia Epson Industry(IEI)では、構内で常駐し役務提供を行うサプライヤーの従業員を対象にした説明会を実施し、346名が参加しました
*3 サプライヤーガイドラインの改正に伴う説明会を10回実施し、1,193名の参加を頂き、また、環境セミナーも実施したことから、日本のサプライヤー向けのCSR調達サプライヤー説明会の実施を見送りました。
サプライヤー向けセミナー・説明会
CSR調達サプライヤー説明会などにおける、社会要請やRBA(Responsible Business Alliance)の要求などについての説明・要請に加え、さらに、詳細のご理解をいただくことを目的としてセミナー・説明会を開催しています。多数のサプライヤーに参加していただいています。また、サプライヤーへのアンケート調査を行い、サプライヤーのニーズを把握し、セミナー・説明会に反映させています。
エプソンは、CSRの取り組みは、活動自体を目的化することなく、根柢にある目的を理解したうえでサプライヤー各社に自発的に取り組んでいただくことが重要であると考えています。特に、人権については、重点的な取り組みが必要であるとの認識のもと、社会要請が刻々と変化することも踏まえ、専門的な情報を得ていただけるよう外部のコンサルタントに講師をお願いするなどしてセミナーを実施しています。
さらに、エプソングリーンサプライチェーンの構築に向け、サプライヤーの理解醸成、活動支援を目的として、説明会や、外部のコンサルタントを講師とした環境負荷低減に関するセミナーを実施しています。
また、2024年度は、RBA行動規範の改定に伴うエプソンのサプライヤーガイドラインの改定を受け、サプライヤー向けの説明会を実施しました。日本語および中国語で開催し、1,000名を超えるサプライヤーに参加していただき、エプソンの調達方針やRBA行動規範の趣旨および変更内容をご理解いただきました。
2023年度(実績) | 人権セミナー、環境セミナー、SAQ説明会*1、責任ある鉱物調達説明会 サプライヤーガイドライン説明会(RBA行動規範の改定説明を含む) |
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2024年度(実績) | 人権セミナー、環境セミナー、 SAQ説明会、責任ある鉱物調達説明会、 サプライヤーガイドライン説明会(RBA行動規範の改定説明を含む) |
2025年度(計画) | 人権セミナー、環境セミナー、 SAQ説明会、責任ある鉱物調達説明会 |
*1 SAQ(SAQ(Self-Assessment Questionnaire)および環境負荷調査の説明)
取引先通報制度
サプライヤーから、通報や相談を受け付ける通報窓口を設置し、通報・相談を推奨しています。通報窓口を開設することにより、より一層の企業倫理の確立に努めていきます。適用される法律およびエプソンの社内規定にのっとり、個人情報の厳格な取り扱いおよび報復の禁止など通報者の保護を図っており、匿名での通報も受け付けています。
- 通報・相談の対象
法令や「サプライヤー行動規範(人権、安全衛生、環境、倫理、マネジメントシステム)」に違反する行為または違反するおそれのある行為
安全衛生に関する提案・苦情
紛争鉱物調査に関する事項
- 通報窓口
日本国内グループ会社のサプライヤー:相談・通報していただく場合はこちら
海外グループ会社のサプライヤー:各社が設置している通報窓口をご利用ください。窓口はこちら(PDF,380kb)
更に、人権に関する相談・通報は、一般社団法人 ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)が提供する対話救済プラットフォームを利用いただくこともできます。
JaCERの窓口はこちら
社内教育
エプソンは、経営理念において個性の尊重と総合力の発揮をうたい、企業行動原則においても、人材開発によって培われた自律と自信が組織風土を作っていくことを掲げています。特に、調達におけるコンプライアンスや、CSR調達については、法規制などの必要な知識を理解することが重要だと考えています。このため、社員および協業者に対して、多層的に教育を行うプログラムを推進しています。
社内必須教育
エプソンでは、全従業員を対象にした基礎研修であるe-ラーニングと、調達従事者を対象にした調達遵法研修を実施しています。
調達遵法研修(日本国内)
研修名 | 教育内容 | 対象 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
調達遵法研修 | 受講達成率*1 | 96% | 98% | 115% | ||
基礎研修 |
|
調達業務従事者 | 目標 | |||
受講者 |
903 |
700 | 1,000 | |||
実績 | ||||||
受講者 | 903 | 892 | 867 | |||
更新研修 |
|
調達業務従事者、 5年ごと |
目標 | |||
受講者 | 3,468 | 1,273 | 1,400 | |||
実績 | ||||||
受講者 | 3,299 | 1,037 | 1,894 |
*1 受講達成率=受講実績数/受講目標数
調達遵法研修(ワールドワイド)
海外生産拠点において、調達業務従事者および管理者向けに調達に関する不正防止、贈収賄防止、CSRを含むコンプライアンス教育を行っています。
e-ラーニング(日本国内)
教育内容 | 対象 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
---|---|---|---|---|---|
|
国内グループ従業員、協業者 | 実績受講率 (受講人数) |
88% | 92% | 94.3% (17,299名) |
* 倫理行動と下請法を交互に隔年で実施
RBA(サプライチェーンCSR)専門教育(ワールドワイド)
エプソンは、サプライヤーと直に接する立場の調達従事者を対象にした、CSR専門教育プログラムを推進しています。各研修はRBA(Responsible business Alliance)の行動規範およびRBA(VAP)監査基準(A人権労働、B安全衛生、C環境、D倫理、Eマネジメントシステム)に則ったプログラムです。一部の研修は、講師を専門の外部コンサルタントに委託しています。
研修名 | 内容 |
---|---|
RBA基礎研修(e-ラーニング) | RBAの基本的事項、要求(労働、安全衛生、環境、倫理、マネジメントシステム)の概要理解の基礎教育(調達従事者を含む全グループ社員対象) |
RBA専門教育 | RBAの要求(労働、安全衛生、環境、倫理、マネジメントシステム)の詳細の専門教育 |
RBA VAP監査対応ワークショップ |
RBA(VAP)監査を想定したワークショップ形式での担当向け教育 |
サプライヤーCSR監査人教育 | サプライヤー実地監査を想定した担当者向け教育 |
責任ある鉱物調達研修 |
RBAのD7の要求(責任ある鉱物調達)の概要、調査に関する専門教育 |
鉱物調査の実践研修 |
鉱物調査に用いる帳票(CMRT/EMRT*1)の理解、作成方法に関する担当者向け教育 |
*1 Responsible Minerals Initiative(RMI)が提供するConflict Minerals Reporting Template(CMRT:3TG (スズ、タンタル、タングステン、金)の調査用帳票)、Extended Minerals Reporting Template (EMRT: コバルト、マイカを含むその他の鉱物の調査用帳票)
* RBA行動規範 RBA監査基準