サプライチェーンにおける環境への取り組み
エプソンは、原材料の調達から製品の廃棄・リサイクルに至るまで、事業活動全体を通じて環境負荷の低減を推進しています。調達活動においては、サプライヤーとの協働が不可欠であり、共に環境負荷低減に取り組んでいます。
サプライヤーとの環境への取り組み
サプライヤーガイドラインにおける環境要件
エプソンのサプライヤーガイドラインにはサプライヤーに遵守していただく行動規範を含んでいます。サプライヤーガイドラインは、取引に関係するQCDやコンプライアンスなどの要請に加えて、CSR要求に関するサプライヤー行動規範(RBAの行動規範)を定めています。環境負荷低減に関し、エプソンはサプライヤーに対して、RBA行動規範の遵守(汚染防止と省資源・有害物質・固形廃棄物・大気への排出など)に加えて、温室効果ガス排出量の削減・資源循環の推進・水資源の管理・化学物質の管理・生物多様性の保全といった環境課題への取り組みや、製品含有化学物質管理の要求、工場などでの環境法規制遵守を要請しています。
エプソンの温室効果ガス削減に向けた取り組み
エプソンは、GHGプロトコルに準じて把握したスコープ1、2および3のGHG排出量に基づき、Science Based Targets initiative(SBTi)が提唱する科学的目標設定手法に整合した短期・長期の具体的なGHG削減目標および2050年のNet-Zero目標を設定し、SBTiの承認を得ています。
また、2050年までに事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来の電力にすることを目指す国際イニシアチブ「RE100」に加盟し、全世界のエプソングループ拠点*1で使用する電力を、2023年までに100%再生可能エネルギーとする目標を掲げ、宣言通り2023年12月に再エネ化を完了しました。これにより、年間約40万トンのGHG排出量を継続的に抑制します。
今後は、高い目標である1.5℃シナリオに沿った総排出量削減目標の達成に向けて、サプライチェーン全体における排出量削減に取り組んでいきます。
*1 一部、販売拠点などの電力量が特定できない賃借物件は除く
関連情報
エプソングリーンサプライチェーン
世界的に急務となっている気候変動対策として、エプソンが2023年に達成した再エネ電力への転換は非常に大きな第一歩です。一方で、エプソンのGHG排出量の多くはサプライチェーンに起因しており、エプソンとサプライヤーの連携強化と社会全体の脱炭素化を進めなければなりません。
製造業の中でも早期にグローバルでの再エネ転換を完了した経験と実績を踏まえ、2024年度より「エプソングリーンサプライチェーン」活動を開始しました。説明会やセミナーによって理解醸成と協力の要請を進めるとともに、サプライヤーを対象とした脱炭素目標の設定、再エネ電力の導入支援などを展開していきます。こうした活動を通じ、当社のビジョンに共感するビジネスパートナーを増やし、サプライチェーン全体を巻き込んだ環境負荷低減に挑戦します。
主な取り組み
グループ調達額80%以上に該当する国内外の主要サプライヤー*2に取り組み状況をヒアリングした結果に基づき、2025年度にはその状況に応じた取り組みを実施しています。例えば、Scope1・2算定にこれから取り組む、もしくは算定途上のサプライヤーに向け、サプライチェーン全体での脱炭素の重要性理解や、具体的な算定方法を学ぶ機会を提供しています。
| 実施 | 内容 | 対象 | |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 4月 | 調達方針お取引先様説明会 | 221社 |
| 6月 | エプソングリーンサプライチェーン説明会 | 115社 | |
| 7月 | 脱炭素セミナー | 延べ1,271人 | |
| 2025年度 | 4月 | 調達方針お取引先様説明会 | 218社 |
| 5月 | SaaSを活用したGHG見える化の環境調査システム導入(国内) | 約250社 | |
| 8月~ | サプライヤーの取り組み状況に応じたセミナー開催(国内・海外)
|
計18回予定 | |
| 下期~ | サプライヤーとの再エネ共同調達の検討開始 | 国内/海外 | |
*2 エプソンの一次サプライヤーを取引額の多い順から並べ、その取引額の合計が総取引額の80%を超えるまで上位から選択したサプライヤー
トピックス: サプライヤーの取り組み事例
エプソンの再生可能エネルギー導入に共感し、早い段階から同様の取り組みをされてきた株式会社村元工作所様から、お話を伺いました。
村元工作所のタイ拠点であるMETCO (Muramoto Electron (Thailand) Public Co., Ltd.)は、エプソンプリンターや関連製品の生産を担っています。
2022年に、エプソンが再エネ導入に取り組んでいると聞き、サプライチェーンの一員として、共にGHGの削減に取り組むことが必要だと判断しました。また、社会全体として環境対応への関心が高まる中で、これに応えることがサプライヤーに求められる前提条件になると考えました。そのため、同年に再エネ導入に着手し、10月には再エネ証書(I-REC)を導入して電力の100%再エネ化を実現しました。さらに、同年11月には太陽光発電設備を稼働。自家発電により証書による調達量の削減を実施しました。
再エネ導入は単なる自社の環境対応に留まらず、エプソンのスコープ3削減にも間接的に貢献できる重要な取り組みです。また、環境対応は、個々の会社単独では達成が難しく、サプライチェーン全体が方向性を共有しながら進めていくことが重要です。今後も連携して取り組みを進め、持続可能なサプライチェーン構築に貢献して参ります。
長谷川 浩二 様
記載の部署名・役職はインタビュー当時のものです。(取材:2026年5月)
環境負荷低減に向けたエンゲージメント活動
サプライチェーンにおける環境負荷の低減を実現するため、説明会などを通じてサプライヤーに対して事業活動での環境負荷低減に向けた協力要請をしています。加えて、環境への取り組み状況や環境負荷の実績を定期的に把握するとともに、サプライヤーの支援活動も実施しています。
サプライヤーに対する直接評価(定期評価)およびCSR詳細評価
直接評価(定期評価)およびCSR詳細評価に、環境に関する質問項目を設け、回答を収集・分析しています。特に、CSR詳細評価の結果をサプライヤーにフィードバックするとともに、ハイリスクサプライヤーへの現場確認や監査などを実施することで改善活動を支援しています。
環境負荷調査
調達額80%以上を占める国内外の主要サプライヤーには、再生可能エネルギーの取り組み方針・状況や再生材の活用状況、水使用量、生物多様性への認識などの調査を行っています。
気候変動リスクへの対応
気候変動を緩和する活動として、再エネの活用やサプライヤーエンゲージメントなどを推進する一方で、顕在化する気候変動による物理リスクへの対応が急務となっています。エプソンのサプライヤーは、大規模な洪水被害が多発するタイを含む東南アジア、潜在的水リスクの高い中国などにも存在します。代表的な気候変動リスクである洪水や干ばつにより、サプライヤーからの納入が停止・遅延すると、エプソン製品の製造および販売に大きな影響が発生し、お客様へのご迷惑につながることを認識し対応を進めています。
グリーン調達
エプソンは、原材料や部品の調達において、環境負荷の低減に配慮した調達を推進しています。
製品含有化学物質管理
製品中の化学物質によるヒトや生態系への影響を最小化するために、有害物質の含有がなく、環境負荷の少ない部品・材料等を優先的に調達する活動に取り組んでいます。
製品含有化学物質保証に関する基本的な考え方
次の1~5に定める考え方に基づき、生産材を調達します。
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- 法規制を遵守する
- エプソングループ生産材グリーン購入基準書で規定する禁止条件(閾値、含有部位、用途など)を遵守できるサプライヤー様より調達する
- 確実な製品含有化学物質保証ができるサプライヤー様より調達する
- 製品含有化学物質に関するデータの提供ができるサプライヤー様より調達する
- サプライヤー様で保証されたものを受け入れる
紙製品の調達
方針および適合調達管理の内容
木材の違法伐採が、地球規模での環境保全と持続可能な森林経営の推進にとって極めて重要な課題となっており、木材製品の調達における合法性、持続可能性を確保する取り組みが国際的に強化されています。
エプソンは、森林の社会的・経済的・環境的な持続可能性に配慮し、主要な木材製品である紙製品について調達方針を定めています。また、本方針に適合することを確認したうえで調達を行っています。
【対象範囲】
エプソンプリンター用専用紙
【調達方針】
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- 古紙などリサイクルパルプの有効活用
- バージンパルプが原料として使用される場合は、以下を確認する
合法性、持続性、化学物質安全性、環境管理
対象品目については、「エプソングループ紙製品の調達方針への適合性証明書」の提出により、本方針への適合を確認しています。
基準書