事例(水資源の保全)
事例1:生産プロセスの改善による水使用量の削減
インクジェットプリンターのインクや大容量インクタンク搭載プリンターのインクボトルを製造するPT. Epson Batam(PEB)では、2018年より生産プロセスの改善を中心に水使用量の削減に取り組んでいます。取り組み開始前となる2017年度の水使用量と比較して2021年度は、約6,800トンの削減を達成しています。
取り組み1 冷却水循環システムの導入(2018-2020年度)
冷却システム、流量計、温度センサーなどを搭載した冷却水循環システムの導入により、インクボトルの成形後の廃材を再利用する際に使用する冷却水の使用量を削減しました。
取り組み2 インク廃液処理で生成された蒸留水の活用(2021年度)
蒸発システムを搭載した高効率のインク廃液処理装置の導入によりインク廃液の濃縮率を高め、これまで産業廃棄物としてリサイクル処理していたインク汚泥の発生量を削減しました。これにより廃液濃縮時に生成される蒸留水の量が増え、これをトイレ用水などに利用することで、水使用量の削減につながっています。
事例2:水資源の保全と有機廃棄物の削減
インドネシアの首都ジャカルタでは、雨季の洪水や乾季における地下水の水不足による地盤沈下が社会問題となっています。大規模なプリンター製造拠点の一つであるPT. Indonesia Epson Industry(IEI)では、家庭でもできる対策として注目を集めている「バイオポア(雨水浸透穴)」を導入しました。2018年度は敷地内の260カ所にバイオポアを設置、これにより年間で約8,400リットルの雨水を地下に浸透させることができるとともに、洪水や蚊の発生源となる水たまりの防止にも効果があります。また、落ち葉など有機廃棄物を投入することで、272kgの廃棄物を削減できました。これら有機物が堆肥となり土壌改善にもつながっています。
この活動を2020年まで継続することで合計779個の設置を予定しており、IEIの敷地外にも広げる計画です。