レーザー光源技術

レーザー光源の特長を生かす、
エプソンの技術

プロジェクターに使われる光源は数種類あり、その中でもレーザーを光源にしたプロジェクターは、明るく鮮やかな映像表現や長寿命、どのような向きでも設置できる自由度、といった特長を備えています。

ホームやビジネスユースだけでなく、教育現場や商業施設でのプロジェクションマッピングなど多様化する用途に対し、レーザー光源とその特長を最大限に生かす技術を紹介します。

レーザー光源プロジェクターの特長

プロジェクターは、光源から出射した光がいくつものプロセスを経た後、生成された映像を投映します。従来、プロジェクターの光源には主にUHEランプ(UHE:Ultra High Efficiency)が用いられていましたが、使用用途の拡大とともに、LEDやレーザーを光源としたプロジェクターの開発も急速に進みました。

レーザー光源プロジェクターは光源自体の寿命が長いことから、プロジェクターを使用するお客様の、ランプ交換やメンテナンス頻度が大幅に低減できるため、高い信頼性を実現するとともに、ランニングコストも軽減しました。

また、UHEランプを用いたプロジェクターでは、点灯時に安定した性能を発揮するために決まった姿勢を確保する必要がありますが、レーザー光源プロジェクターは360度、どの角度でも設置が可能です。そのため、天井や床への投映が容易になり、プロジェクションマッピングやデジタルミュージアムなど没入感のある空間演出が実現できるようになりました。さらに、レーザー光源プロジェクターは、電源を入れてから短時間で十分な明るさを得られることから、UHEランプを用いたプロジェクターよりも短時間で投映を開始することができます。加えて、水銀を使わないことや低消費電力でもあることから、環境負荷の低さも特長です。

プロジェクションマッピング
プロジェクションマッピング(車)

青色レーザーを
明るくきれいな白い光に

レーザー光源プロジェクター

エプソンのレーザー光源プロジェクターは、光源にエネルギー効率が高く長寿命である青色レーザーと、耐久性の高い無機蛍光体を採用しています。しかしプロジェクターの投映には、光の三原色である赤、緑、青の光が必須のため、青色レーザーから3色の光を得る必要があります。

レーザーから出射した青い光はダイクロイックミラーで2つの光路に分離され、一方は無機蛍光体、もう一方は拡散板に集光されます。無機蛍光体に入射した光は青から黄色の光に変換され、拡散板に入射した光はスペックルと言われるぎらつきの原因となる可干渉性(コヒーレント性)を解消します。この2光路の光を再びダイクロイックミラーで合成することで白い光を生成しています。

また、光の偏光特性を利用し、青と黄の比率を調整する機構を設けたエプソン独自の光源光学系により、最適な色バランスを実現しています。

エプソンの
レーザー光源プロジェクターを支える
光学加工技術

レーザー光源の採用で光利用効率が向上し、プロジェクターは高輝度化が進みましたが、これに伴い光学部品の耐熱、耐久性の向上が必要となりました。それを実現する技術のひとつに、偏光変換素子や水晶位相差板に使用しているGL(Glass Like)接合という技術があります。

偏光変換素子や水晶位相差板は、ガラスや水晶の板を接合して作られます。従来、板の接合には有機接着剤を使用していましたが、有機接着剤は光や熱により劣化してしまうことが問題でした。そこでエプソンが開発した、ガラス質の接合膜で水晶やガラスを接合する技術、GL接合を採用しています。これにより有機接着剤と比較して、プロジェクターの耐熱、耐久性が20倍近く向上しました。さらにこの技術の接合面が薄くできる特長を生かし、透過率を上げ光利用効率の向上も実現しました。

これらの技術が、エプソンの信頼性の高いレーザー光源プロジェクターを支えています。

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