3LCD方式による投映技術

明るく高精彩な映像を
3LCDプロジェクター

明るく美しく、色鮮やかな画像を投映することができる3LCDプロジェクター。他方式のプロジェクターとの違いや、エプソンが可能にする、美しい映像を作り出す技術について解説します。

3LCDとは

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忠実な映像を再現する3LCDとは

プロジェクターが映像を投映する仕組みには、主に2つの方式があります。液晶ディスプレイ(以下、LCD)を用いたLCD方式とDLP方式です。エプソンが採用しているLCD方式は、光を三原色(赤、緑、青)に分離させ、それぞれ各色専用のLCDで映像を作成し、それを合成して投映します。3つの色にそれぞれのLCDがあり、全部で3枚のLCDを使用するため、3LCDとよばれます。

3LCDプロジェクターは、3つに分離した光(赤、緑、青)を、各色に割り当てたLCDにより映像や画像を生成した後、特殊なプリズムで1つの光に再合成して投映します。そのため、投写レンズからは既に合成されたフルカラーの映像が連続的に映し出され、色鮮やかで忠実な色合いの映像を再現することができます。また、カラーブレークアップが発生せず、自然な表現が可能となります。

3LCDと他方式
上(他方式):カラーブレークアップのある映像
下(3LCD) :カラーブレークアップのない映像

光の三原色とは

光の三原色

色の表現には欠かせない。光と色の三原色

三原色には光の三原色と色の三原色があり、光の三原色は赤(R)、緑(G)、青(B)で構成されています。

光の三原色とは、モニターや可視光、電飾看板のように発光によって表現される色です。光がない状態が黒で、色が混ざると明るくなっていき、R、G、Bを合成すると白になります。一方で色の三原色は、印刷物や絵の具などのように周辺の光を反射して「色」と認識されます。何もない状態では透明(白)で、色を加えるごとに暗くなり、全て合成すると黒になります。

プロジェクターはスクリーンに照射した光によって色を表現しますので、光の三原色で映像を表現していることになります。

3LCDプロジェクターの構造

3LCDプロジェクターの構造

精緻な映像を生む、コアデバイスと技術

3LCDプロジェクターでは、光源から出射された光をダイクロイックミラーという特殊な鏡に当て、R、G、Bの3色に分離させます。ダイクロイックミラーは、ベースになるガラス板に特定の波長の光を反射する薄膜をコーティングしています。これにより、光源から送られてきた光を高い精度で損失なく3色に分離することを可能にしています。

3色に分離した光は各色専用のLCDに送られます。このLCDはエプソンが独自開発したHTPS(高温ポリシリコンTFT液晶)パネルで、プロジェクターの性能を左右する重要なデバイスです。HTPSパネルはアクティブマトリクス駆動方式の透過型LCDで、小型でかつ高精細、高コントラスト、ドライバー内蔵可などの特長があります。

高性能なHTPSパネルにより、透過させる光の量を非常に細やかにコントロールすることができるため、従来では表現が難しかった映像内の暗めの部分であっても、細かい階調表現が可能になり、自然で美しいグラデーションを実現しています。

3色それぞれのHTPSパネルで生成された映像や画像を、投映前に一つに合成するのがダイクロイックプリズムです。ダイクロックプリズムは三角柱を4つ組み合わせた直方体の形状をしています。三角柱の接合面に微細な隙間など不連続な部位があると、プロジェクターの映像に暗い線や二重像ができてしまいます。そのため、三角柱の加工や接着には非常に高い精度が要求されます。エプソンでは長年培われてきた光学加工技術により、高品質なダイクロックプリズムを製造。それにより、美しく鮮明な映像表現を実現しました。

3LCDプロジェクターの特徴

美しく繊細。エプソンの3LCDプロジェクター

エプソンの3LCDプロジェクターは、白の明るさだけでなくカラーも明るいことが特長です。プロジェクターの明るさは白の明るさを評価基準としています。エプソンのプロジェクターは、カラー光束という色の部分の明るさでも、高い数値を誇ります。そのため投映画面全体が明るく、色鮮やかで、かつ忠実な色を再現することができ、見やすい映像を投映することが可能です。

3LCD方式
他の主要方式

※投写画面のイメージです。