GNSSデバイス技術

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ポジションセンシングのキーとなる
GNSSデバイス

人工衛星

エプソンのセンシングソリューション技術の一つであるポジションセンシングの代表的なキーデバイスとして、GNSSデバイス(GNSS:Global Navigation Satellite System、全地球測位システム)があります。エプソンのGNSSデバイスは、革新的な低消費電力・小型・高精度を実現。国産の準天頂衛星システム「みちびき」にも対応し、高い受信感度を誇ります。

エプソンのポジションセンシングデバイスの技術開発は、1996年、低消費電力GPS技術開発(GPS:Global Positioning System)に着手したことに始まります。そして1998年には、現在のスマートフォンの原型とも言えるGPS搭載PDA「Locatio(ロカティオ)」を発売しました。その後、2000年代中頃には、国内大手携帯電話メーカー各社へGPSモジュールを提供するなど、約四半世紀に渡り、GPSならびにGNSS技術の開発に取り組んでいます。

衛星の電波から正確な位置を検出する
GNSSデバイス

衛星からの電波で地球上の現在位置を知るGNSSは、元々は軍事目的で作られたシステムですが、今ではカーナビゲーションシステムや航空機、スマートフォン、時計、カメラなど、さまざまな製品にその技術は応用載され、人々の生活に欠かせないものとなっています。

GNSSデバイスは、4機以上の衛星が発するシグナル(GNSS電波)を常に受信しています。シグナルから各衛星の位置情報を取得し、シグナルが届くまでの時間から衛星との距離を計算します。これにより、受信した衛星を中心とした球面上のどこかにいるかがわかり、複数の衛星からの情報を重ねることで、現在地球上のどの位置にいるのか測定されます。

衛星との距離を正確に測るためには、正確な到達時間を計測する必要があります。そのため、衛星には10万年で1秒以内の誤差という高精度な原子時計が搭載されています。GNSSデバイス側には、水晶発振器を用いた精度の高いクロックが用いられ、4機以上の衛星から届く時間を元に補正を行いながら測定を行うことで誤差を極小化しています。

安全で快適な社会を生み出す
エプソンのポジションセンシング技術

エプソンのポジションセンシング技術は、半導体で培ったコアテクノロジーである高周波アナログ技術、信号処理技術、位置算出などのアルゴリズムソフトウエア技術、ポジションセンシングに特化した超低消費電力DTCXO(デジタル温度補償水晶発振器)技術、衛星からの信号受信環境にあわせて自動制御する「Smart Dutyコントロール」技術 など、複数技術により高精度かつ低消費電力を実現しています。

また、衛星からの直接波とビル街などで建物に反射して発生する間接波のマルチパスによる誤差を、エプソン独自のアルゴリズムにより信号判定し最適化する技術で、その受信精度を飛躍的に高めています

そして、エプソンではこれら技術を活用して、GNSS衛星電波のみで現在位置のタイムゾーンを特定し、常に正確な時刻を示す独創のアナログウオッチ「TRUME」も生み出しています。

TRUME

今後のGNSS技術の応用分野として、産業・ビジネス用途では、建設機械や重機、物流コンテナなどにGNSSデバイスを搭載し、位置情報を把握することで盗難や紛失防止対策、また、民生用では子供の防犯・見守り用に小さく扱いやすい専用端末に組み込んでの活用なども見込まれます。

エプソンは、GNSSデバイスをはじめ、コアとなる独自のセンサー技術を応用したセンシングデバイス製品を多数有しています。また、長年にわたりセンサー活用によるビックデータの分析・解析を行い、膨大なデータや多くのアルゴリズムの蓄積もあります。エプソンは、これらのセンシングデバイス製品群、ならびにビッグデータの分析・解析によって得られた新たな価値を創出するアルゴリズムプラットフォームを核に、ポジションセンシング技術による高精度な位置情報の提供を通じて、安全で快適な社会を創造し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。