取得戦略・活用戦略
エプソンにおける知的財産の取得戦略と活用戦略
「主体的(Proactive)な知的財産活動」の実践として、エプソンでは、将来を先読みして、さまざまな知的財産権(特許権・意匠権・商標権など)を戦略的・効率的・効果的に取得し、知的財産ポートフォリオ構築することに力を注いでいます。
知財ミックスによる知的財産ポートフォリオ構築
エプソンでは、エプソン独自のコア技術やサービスを、特許権・意匠権・商標権の取得によって権利保護する知財ミックス戦略を展開しています。知財ミックス戦略では、ブランド・アイデンティティに紐づく技術を特許権で、商品デザインを意匠権で、名称を商標権で徹底的に保護するように、知的財産ポートフォリオを多面的に構築しています。
ワールドワイドでトップレベルの特許権ポートフォリオ
知的財産権取得活動の中核は、技術開発にともなって生まれた発明を特許出願し、それを権利として取得する特許出願権利化活動です。エプソンは、インクジェットプリンター、プロジェクター、ロボティクス、水晶デバイスなどの技術分野における、質・量ともに世界トップレベルの特許出願により、業界屈指の知的財産ポートフォリオを構築し、エプソン独自のコア技術を保護しています。
※ 2021年の特許公開件数(エプソン調べ、中国は実用新案出願を含まない)
「BP」を含めた知的財産権の活用戦略
エプソンは、事業の優位性を高め、高収益化に貢献する優れた知的財産権を「BP」(Brilliant iPまたはBrilliant Patent)と定義し、経営および事業環境に応じて、BP の取得をタイムリーに進めています。
エプソンでは、BPを含めた知的財産ポートフォリオの活用戦略について、自社と競合他社の実施状況を2軸で表した4象限の図で整理しています。この図を「Cカーブ」と名付け、このCカーブをベースに知的財産の活用戦略を策定しています。
このほか、エプソンでは、ブランドププロテクション活動やブランドプロモーション活動にも、知的財産ポートフォリオを活用しています。
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1.非許諾領域:自社実施あり、他社実施なし
競争力のあるコア技術の権利を取得し、他社には許諾しないことで、競争力の源泉であるコア技術を守ります。
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2.クロスライセンス領域:自社実施あり、他社実施あり
他社も実施したい権利を活用して、クロスライセンスなどをすることで、事業活動の自由度の確保に努めます。
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3.売却・有償許諾領域:自社実施なし、他社実施あり
クロスライセンス締結によって事業の成長に貢献してきた権利を他社に売却もしくは有償で実施許諾することで資金回収(収益化)を行います。
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4.放棄・満了領域:自社実施なし、他社実施なし
権利保有コストを鑑み、活用可能性が低下した権利を積極的に放棄します。