プレシジョンイノベーション

プレシジョンイノベーションは全社成長と利益創出のエンジンであり、中期経営計画Phase1(2026-2028)で最も高い売り上げ・利益成長を期待しているセグメントです。プリントヘッドを中心としたインクジェットソリューションズ、タイミングデバイスを中心としたマイクロデバイス、高機能金属材料のトップシェアを誇るエプソンアトミックス事業から構成されます。

インクジェットソリューションズ

エプソンのインクジェットは、熱を使わず、必要な場所に必要な量の材料を吐出するアディティブな技術です。エプソンはこの技術を長年磨き続け、現在では家庭用プリンターの領域を超え、サイネージ、デジタル捺染、電子基板配線、ディスプレイ製造、精密部品への塗布、医療、太陽電池製造など、多様な産業分野へ応用を拡大しています。

エネルギー制約や環境規制、材料価格の高騰、人手不足といった社会課題が深刻化する中、省資源・低環境負荷・高効率を実現できるインクジェットへの技術転換が加速しています。こうした変化を支えるエプソンのヘッドは、吐出精度や生産性、対応材料の拡大を通じて、用途開拓と技術革新を推進しています。また、周辺システムやソリューションの提供も進めることで、お客さまが導入しやすい環境づくりにも取り組んでいます。

業界をリードする規模の生産体制と開発リソースを強みに、世界中のパートナー企業やお客さまとの共創を通じて、新たな産業や市場そのものを創出し、「省・小・精」の理念をさらに進化させながら、持続可能な社会と産業の未来創造に貢献します。

主要製品

プリントヘッド

マイクロデバイス

エプソンは、AI・データ基盤の拡大やテクノロジーの進化を背景に高まる電力需要や脱炭素化への対応を見据え、高精度・低消費電力・小型化を同時に実現するデバイスの提供に取り組んできました。一般的にトレードオフの関係にあるこれら3つの性能に対し、エプソンは、水晶の製造技術と半導体のロジック設計技術の双方を併せ持つ強みを生かし、両技術の融合による独自の統合設計で最適解を導き出し、高周波発振器や高精度なタイミングデバイスとして長年にわたり社会実装してきました。

今後、さらなる拡大が見込まれるデータセンターや高速通信インフラ、AI、自動運転などのモビリティ分野では、大容量・高速演算、高速通信を支える高精度なタイミング信号の重要性が一層高まっています。これを機会と捉え、エプソンの成長エンジンの一つとして、テクノロジーの進化を支えるデバイスの継続的な提供と独創技術を生かした次世代デバイスの開発を推進するとともに、成長投資を通じた能力向上と生産の高効率化を行います。これら取り組みにより、さらなる市場開拓を進めていきます。

主要製品

タイミングデバイス
センシングデバイス
半導体

エプソンアトミックス

エプソンアトミックスは、高機能金属粉末製品の開発から製造・販売までの一貫した事業活動を展開しており、成長エンジンであるプレシジョンイノベーション領域において全社の売り上げ成長と利益創出を支える重要な役割を担っています。生産拠点は、青森県八戸市に本社工場・北インター事業所を構え、2025年6月には第三の生産拠点となる北インター第二事業所に金属精錬工場を竣工し、さらに2026年9月には同敷地にSWAP®*1新工場*2の建設着工を決定するなど、継続的な戦略投資を実施しています。

また微細合金粉末の中長期的な需要拡大を確実に取り込むために、技術優位性を基軸とした成長戦略を推進しています。特に独自のSWAP®法によるアモルファス合金粉末は、高周波化に伴う省エネや小型化といった社会ニーズにマッチした高機能金属粉末材料であり、車載機器やAI・データセンター向け電源用途など成長市場分野での事業拡大を図っています。

今後、成長市場をターゲットとして事業成長戦略に沿った生産体制の強化ならびに技術開発体制の構築を図るとともに技術的な強みを活かした高付加価値製品を市場投入し、社会課題の解決と持続的な成長に貢献します。

*1 SWAP®(Spinning Water Atomization Process)法はアモルファス合金の量産を実現するアトミックス独自の合金粉末製造法。

*2 2028年1月の稼働を予定。

主要製品

微細合金粉末