2008年3月期(2007年度)第3四半期決算説明会 質疑応答要約

情報関連機器

電子デバイス

全体


  • Q1

    第3四半期は、年末にかけて北米を中心に景気動向が大きく変化してきているが、インクジェットプリンタの売れ行きや在庫状況に変調はなかったのか。

  • A

    年末商戦は比較的順調に推移したと認識している。

  • Q2

    第3四半期において、なぜ景気動向の変化に影響を受けなかったのか。インクジェットプリンタの販売価格帯が低いことによるものか。あるいはこれから影響が出てくるのか。

  • A

    インクジェットプリンタ事業は、前年度に採算を重視して販売数量の絞り込みを行った一方で、今年度は採算とのバランスをとりながら本体を積極的に販売する戦略に転換している。その結果として前期比数量増となったため、実績では景気動向の影響を受けていないが、今後については不透明である。

  • Q3

    インクジェットプリンタ市場において、今回は想定したほどの価格低下が起きなかったということだが、再び価格競争が激化する可能性についてはどうか。

  • A

    インクジェットプリンタにおける技術の差別化が、消費者には見えにくくなっている。こういったなかで価格は重要な差別化要素と捉えており、楽観視はできない。

  • Q4

    インクジェットプリンタ事業において、過去と異なり低価格の本体数量が増加し利益も拡大したのは、事業体質が強くなったということか。為替や価格動向などの外部環境によっては変調してしまうのか。

  • A

    第3四半期は、為替効果、計画以上の本体コストダウン、競争力のある新商品投入など、外部環境と自助努力の複合要素による利益増である。来年度以降、本体数量増にともなう消耗品の増加やコストダウン継続により増益を確保していきたい。

  • Q5

    日本国内ではインクジェットプリンタ本体の価格低下が鈍化したとのことだが、米国市場はどうだったのか。

  • A

    今年度は数量拡販を図る方針のもと、ある程度のASPの低下は見込んでいたが、米国でも価格低下は概ね想定の範囲内で落ち着いた。

  • Q6

    第3四半期の実績は、前回予想に対して上振れはどの程度だったか。また、このうちインクジェットプリンタの貢献度はどの程度か。

  • A

    四半期ごとの予想数値は開示していないので、詳細なコメントは致しかねるが、営業利益ベースで全社で約100億円、そのうち情報関連機器セグメントで50億円以上、電子デバイスセグメントで数十億円の改善があった。また、情報関連機器セグメントの改善分の大部分をインクジェットプリンタが占めている。

  • Q7

    第3四半期のインクジェットプリンタ消耗品は、前年同期比でどのような動きだったのか。また、第4四半期をどのように見ているか。

  • A

    第3四半期は、数量は6%のプラス、売上高は数%のプラスだった。第4四半期は、前期に対しても堅調に伸びると予想している。

  • Q8

    プリンタ事業(インクジェットプリンタ)の売上が伸びていないが、売上成長のシナリオはあるか。

  • A

    コンシューマ向けのインクジェットプリンタについては市場が成熟しており、今後、大きな成長は難しいのではないかと認識している。この分野については、商品の強みを訴求してシェア向上を図りたい。その際はローエンドにも対応する必要があるためASPの低下が予想されるが、これについてはコストダウンにより利益に影響のないようにしたい。ここをベースとして、ビジネス・産業領域における売上成長を図りたい。

  • Q9

    ビジネスシステム事業が計画比未達とのことだが、景気動向の変化による影響があったのか。また、来年度はどのように推移するのか。

  • A

    ビジネスシステムは、個々のビジネスの規模は小さく、その積み重ねの事業である。計画に対し上振れたものもあれば下振れたものもあり、結果として未達となったが、これは景気動向の変化による影響とは考えていない。来年度も、安定的な収益性の維持を目標としている。

  • Q10

    最近ディスプレイ業界で事業提携・再編が起きている中にあって、エプソンは取り残されていないか。

  • A

    現在第一に取り組むべきは、携帯電話以外の需要を取り込み、携帯電話市場への依存度を下げることや、人員を他事業へ配置転換するなど、昨年発表した構造改革シナリオに沿った改革を進めることである。第1四半期、第2四半期と業績改善が遅れていたが、第3四半期に入りようやく効果が見え始めてきた。ただし、それでよしとするのではなく、引き続きあらゆる可能性を視野に入れた改革を推進していく。

  • Q11

    ディスプレイ事業において、今後、携帯電話向けの比率はどのくらいまで低下させていきたいと考えているのか。

  • A

    今後の望ましい水準についてはまだ結論が出ていないが、足下ではポータブルメディアプレーヤー、PDAフォン、デジタルカメラ向け等が伸長し、携帯電話向けの比率は現状でも低下しており、今後もこれらの分野を伸ばしていきたい。

  • Q12

    液晶パネルは、中型7インチクラスや、そのクラスの汎用品が伸びているようだが、その分野のビジネスは考えているか。

  • A

    デジタルフォトフレーム、車載用途など中型のパネルが伸びていることは認識している。その点にも着目して検討していきたい。

  • Q13

    ディスプレイ事業は、来年度に黒字化する前提で会社予想を考えているのか。

  • A

    足下は携帯電話以外のアプリケーションが増加していたり、価格下落が鈍化したりとポジティブな要素もあるが、環境が厳しいことには変わりなく、楽観はしていない。また、今年度大きな赤字が出ている事業が急には黒字にならないというのが現実と思われる。具体的な予想数値は、市場動向などを検討しながら策定中であるので、ご案内は4月の通期決算発表まで待っていただきたい。

  • Q14

    第3四半期までで通期計画をほぼ達成し、なおかつ足下は堅調というコメントにもかかわらず、通期予想を変えていないが、第4四半期の予想は現実的な数字なのか。

  • A

    サブプライム問題を発端とした先行きの不透明感があるため、第4四半期を正確に読むのが難しい。できれば今の予想を最低水準として、数字を上乗せしていきたいと考えている。

  • Q15

    過去2年同様、第4四半期に何か大きな特別損失の計上を想定しているのか。

  • A

    現時点ではそのような特別損失の計上は想定しておらず、業績予想にも織り込んでいない。

  • Q16

    営業利益に対する為替影響について教えて欲しい。

  • A

    為替が1円円安になった場合の営業利益への影響額は、年間ベースでUSドルはマイナス1億円、ユーロはプラス13億円と見込んでいる。