2008年3月期(2007年度)第2四半期決算説明会 質疑応答要約

情報関連機器

電子デバイス


  • Q1

    インクジェットプリンタ消耗品の、販売数量および単価の伸びは?

  • A

    上期は前年同期と比較し、数量、単価ともに若干のプラスとなった。下期は、数量が10%台半ばのプラス、単価は10%程度のマイナスを予想している。

  • Q2

    今期の消耗品の数量の伸びはどのくらいを見込んでいるのか?

  • A

    上期は立ち上りがよくなかったため期初計画を下回ったが、今後は徐々に増加する見通しで あり、通期の計画は達成できる見込みである。

  • Q3

    インクジェットプリンタ本体の第2四半期の販売単価はどうだったか?また、通期の数量と単価についても教えて欲しい。

  • A

    第2四半期の単価は、前期比で10%台前半のマイナスであった。また、通期の数量は、前期比10%以上のプラス、単価は10%台半ばのマイナスを予想している。

  • Q4

    インクジェットプリンタの販売数量が減っている同業他社もあるようだが、これによるエプソンへの影 響は?また、市場での競争に勝つために、今後どのような販売戦略をとっていくのかについても教えて欲しい。

  • A

    販売数量が減っている同業他社は、おもに低価格機を中心に取り扱っていることから、当社への影響は限定的であると考えている。インクジェットプリンタについては、各地域のニーズに合った販売戦略をとることが重要であり、今後とも地域ごとに、当社の存在感を十分にアピールできるマーケティング戦略、商品展開によって対応していく。

  • Q5

    足下の、地域別でのインクジェットプリンタの販売状況について教えて欲しい。

  • A

    前年上期に対する販売台数の状況としては、日本は前年割れ、米州・欧州はともに10%台半ばの伸び、亜州は前年並みとなっている。

  • Q6

    下期における、インクジェットプリンタの販促費はどのくらいか?

  • A

    具体的な金額については申し上げられないが、今期のインクジェットプリンタの戦略である 拡販に向けて適切に使っていく方針であり、計画に変更はない。

  • Q7

    今後、インクジェットプリンタ本体のコストダウンの余地はどのくらいあるのか?

  • A

    メーカーにとってはコストダウンにゴールはなく、引き続きコストダウンを進める。今後、 販売価格の下落が見込まれるが、今のところ、年間で計画したコストダウンはほぼ達成できる見 通しである。

  • Q8

    レーザープリンタがインクジェットプリンタの市場を侵食しているようだが、これに対するエプソンの 対抗策は?

  • A

    カラー印刷ということで考えると、インクジェットプリンタ、レーザープリンタともにまだビジネス向け市場での数量拡大のチャンスがある。当社としては、インクジェットプリンタでカラー印刷の領域を開拓していく方針であるが、インクジェットプリンタは消費電力が少ないため、環境面の訴求ポイントを有していると考えられる。

  • Q9

    レーザープリンタの市場を今後、インクジェットプリンタで取っていくということは考えているのか?

  • A

    当社が最も得意とする技術はインクジェットの技術であるため、そのようなことも考えている。具体的な方法は検討中のため示すことはできないが、水面下ではインクジェットプリンタの研究開発にかなりのリソースを割いてきている。

  • Q10

    ビジネス向けのインクジェットプリンタを強化していくという方針が示されている中で、インクジェットプリンタ事業において、コンシューマビジネスの位置付けをどのように考えているのか教えてほしい。

  • A

    コンシューマビジネスは、利益率は決して高くないが、エプソンブランドの認知と購買力の維持という点から、当社において重要な位置づけにある。一方でビジネス向けは、売上の規模はまだまだ小さいが、利益率の高い事業であるため、今後さらに強化をし、利益の柱として育てていくことが重要だと考えている。

  • Q11

    第2四半期の情報関連機器事業セグメントの営業利益に占める映像機器事業の割合は?

  • A

    個別の事業の営業利益については開示していないが、映像機器事業の利益貢献度は上がってきている。

  • Q12

    情報関連機器事業セグメントの通期営業利益予想を上方修正した要因について教えて欲しい。

  • A

    インクジェットプリンタ、ビジネスシステム、液晶プロジェクターが総じて好調に推移していることと、円安の効果によるものである。

  • Q13

    ビジネスシステムが好調とのことだが、第2四半期では前年同期比で横ばいだったのはなぜか。 また、今後どのようなトレンドで推移するのか?

  • A

    ビジネスシステム事業は、おもにドットマトリクスプリンタ、POSシステム関連製品で構成されている。これらの商品の受注は比較的大きい案件となる場合が多いため、四半期よりは通期という期間で業績動向を見た方がいい。ドットマトリクスプリンタについては、中国での銀行関係、POSシステム関連製品は、大手スーパー等がそれぞれ堅調に推移しており、また利益率も高い事業である。これまで当社は、お客様のビジネスプロセスを変える提案力によって売上を伸ばしており、今後もこれを続けることによって、さらなる伸長を目指していく。

  • Q14

    中・小型液晶ディスプレイは、足下の稼働率が高いにもかかわらず、下期に業績が下振れするのはなぜか?

  • A

    今期は、3月に発表したとおり、アモルファスシリコンTFTと低温ポリシリコンTFTに経営資源を集中し、事業運営を行ってきたが、お客様での需要変動や当社での供給上の事情などにより、上期の業績は期初計画を下回ることとなった。足元ではアモルファスシリコンTFT、低温ポリシリコンTFTとも、数量は増加しているが、販売単価の下落により採算改善に遅れが生じているため、下期の業績を見直した。

  • Q15

    中・小型液晶ディスプレイは、昨年の事業構造改革にもかかわらず、依然として業績が改善していないが、今後の対応について教えてほしい。また、その時間軸は?

  • A

    まずは、事業そのものを筋肉質にすることが重要であり、商品ポートフォリオの転換による収益性改善などを進めていく。ただし、これまでの延長でないダイナミックな手立ても必要と認識しており、現在あらゆる可能性を視野に入れて具体的な施策を検討している。今年度内には方向付けしたい。

  • Q16

    中・小型液晶ディスプレイは、携帯電話向け以外の比率を高める施策をとっているとのことだが、どんな状況なのか?

  • A

    携帯電話向けの売上高の比率は、前期は70%台半ばであったが、上期は60%台半ばまで下がっている。現在、転換に向けて注力しており、今後も継続していく。

  • Q17

    今回、中・小型液晶ディスプレイの通期業績予想を下方修正したのは、携帯電話向けとそれ以外の需要のどちらの影響によるものか?

  • A

    どちらも採算が厳しい状況にあり、両方の影響によるものである。

  • Q18

    完成品である映像機器事業の業績が好調なのに、それと関連する電子デバイスの、液晶プロジェクター用高温ポリシリコンTFT(HTPS)が計画を下回ったのはなぜか?

  • A

    HTPSは、プロジェクションTV向けやホーム用にも販売しており、これらの需要が減少した影響が大きい。また、当社のプロジェクターはビジネス系が好調であるが、HTPSの販売先である他のメーカーもすべてが好調だったということではないため、計画を達成できなかった。