2007年3月期(2006年度)第2四半期決算説明会 質疑応答要約
全社
情報関連機器
- Q4
- Q5
- Q6
- Q7
- Q8
- Q9
- Q10
- Q11
電子デバイス
- Q1
上期のコスト削減効果などを考慮すると、下期の業績予想は保守的なのではないか?
- A
インクジェットプリンタ事業は、上期に収益性を重視した販売戦略として、本体数量の絞り込みを実施し、為替の影響も含め計画以上の結果を残すことができた。しかし下期は将来の成長に向けて、必要な費用をかけて販売数を拡大していく必要があると考えている。このため、上期のような利益改善が達成できるかは慎重な見方をしている。また、ディスプレイ事業については、コスト削減は進んでいるものの、中・小型液晶ディスプレイの数量がすべてのテクノロジーで大きく計画を下回っており、非常に厳しい見通しとなっている。以上の業績悪化のリスクを織り込んだ予想なので、決して保守的なものではない。
- Q2
国内人員が増加しているが、その要因は?
- A
前年上期にはなかったエプソントヨコムの発足にともなう旧東洋通信機(株)の人員、子会社化にともない連結対象となった野洲セミコンダクターの人員が加わったことによる。
- Q3
来期の経常利益700億円達成についての、現時点での手ごたえはあるか?
- A
まずは足元の課題を克服しながら、今期の経常利益400億円を達成することが重要と考えている。インクジェットプリンタ事業は採算改善が進んでおり、下期についても来期以降のことを考えた上での費用投入である。ディスプレイ事業については下期も厳しいが、今期中に対応すべく、固定費、変動費を改善し、来期に向けて準備を進めたい。
- Q4
上期に、インクジェットプリンタ本体の数量が前期と比較し減少しているが、この減少分はすべて低価格機種なのか?
- A
上期の数量減少は、インクカートリッジを含めた採算性を考慮したうえでのものなので、すべてが低価格機種というわけではないが、平均単価は上昇している。数量減少という結果については、戦略的に実施したものである。
- Q5
本体の数量減少によって今後のインクカートリッジの成長に影響があるのではないか?
- A
まったく影響がないわけではない。しかし、下期以降は本体の販売数を拡大していくので、来期以降のインクカートリッジの数量に大きな影響が出ないと考えている。
- Q6
インクジェットプリンタの下期の販売台数の計画は?
- A
前期比でマイナス15%程度を計画している。
- Q7
プラットフォームの共通化の効果はあるのか?
- A
本格的に効果が表れるのは、来期以降と考えている。
- Q8
地域別の販売環境は?
- A
日本は、市場全体が対前年割れとなり、競合他社が積極的に攻勢をかけるなか、複合機を中心に市場全体で低価格化が進行した。当社はフォト複合機を中心に販売を展開し、収益性を重視した価格維持戦略をとった。下期に向けては、9月末に発表した新商品により、価格維持による市場シェアの減少を最小限に食い止めている状況である。 北米は、7月からBack to School商戦が本格化し、市場は活性化されてきたが市場規模は前年割れとなっている。引き続き他社の積極的なプロモーションと低価格戦略の影響はあるが、下期に期待している新商品は8月後半から出荷を開始した。 欧州は、4月以降市場の動きが鈍いなか、北米同様、他社のプロモーションと価格戦略により数量が減少した。新商品は、ほぼ計画どおり推移している。 アジアは、ボリュームゾーンが堅調に推移している。新商品はほぼ計画どおりに推移しており、対前年で数量の増加を予想している。
- Q9
価格競争が厳しいのはどの地域か?
- A
特に欧州は、他社が新商品についても積極的な価格攻勢を仕掛けてきており、厳しい状況が想定される。
- Q10
新規参入した工業用インクジェット装置のポテンシャルをどのように見ているか?
- A
液晶パネル用カラーフィルタ製造のコスト削減を可能にする点については、産業界で評価されていると感じているため、これから市場で伸長していくと考えている。
- Q11
液晶プロジェクターの上期上振れ、下期引き下げの背景は?
- A
上期は市場の伸び以上に新商品が好調であった。下期は他社の価格攻勢などを考慮して引き下げた。ただし、価格維持・ローコストオペレーション継続により、収益性を維持したい。
- Q12
中・小型液晶ディスプレイのすべてのテクノロジーで、下期の数量が計画を大幅に下回る理由は何か?三洋エプソンの市場シェアから考えて、もう少し予想できたのではないか?
- A
数量減の外部要因としては、モノクロがBRICs市場でカラーへの置き換えが想定ほどには進まなかったことや、三洋エプソンの得意分野であり、かつ期待していたQVGAクラスの伸びも今ひとつであったことが挙げられる。内部要因としては、計画段階での読み違いが大きかったことが挙げられる。その背景は、市場動向についての読みに甘さがあったこと、営業と設計の連携にも問題があったことなどによるもので、この点については課題が残ったと考える。
- Q13
携帯用のパネルは価格でシェアが変動するような状況になっているのか?
- A
厳しい価格競争のなかでのビジネスなので、一つの重要な要素であるが、当社としては技術力などの総合力で勝負をしていきたい。
- Q14
下期の電子デバイス事業セグメントの赤字の要因は何か?
- A
事業別では、ディスプレイ事業である。このなかでも、アモルファスシリコンTFTの数量の大幅な未達成が大きく影響している。
- Q15
ディスプレイ事業は今後、追加のリストラまたは構造改革等があるのか?
- A
上期を通じてさまざまな課題については認識しているが、リストラよりも採算の改善のほうが、優先順位が高い。今後は、売上高に応じた固定費構造にしたいと考える。内部要因についても真摯に対応をとっていく。具体的には、拠点効率化の検討、中期経営計画に沿った要員の効率化促進などで体質を改善したい。このため、今期は前期のような多額の損失の計上は想定していない。