2006年3月期(2005年度)第3四半期決算説明会 質疑応答要約

全社

情報関連機器

電子デバイス


  • Q1

    収益力改革プランの具体的な内容説明が3月16日になる理由は?

  • A

    現段階で合理的に見積もることのできる固定費構造改革388億円のほかに、追加となるおおよそ100億円の施策については、まだ精査中で詳細が決定してない。これを含めた構造改革の全体像について3月16日にご説明する。

  • Q2

    中期経営計画で、2008年度に経常利益額1000億円以上をめざしているが、経営の意思がどの程度反映されているのか。さらなるリストラクチャリングも考えているのか?

  • A

    今やろうとしている施策をさらに、ブレイクダウンした上で、その施策を実施するための具体策との紐つけが必要である。収益改善の具体策を実施していくことは、経営の強い意思である。かならずこの具体策を織り込むつもりである。

  • Q3

    特別損失として、全体で500億円弱を計上するこということだが、来年度の固定費はどれくらい引き下がると見込んでいるのか?

  • A

    100億強くらいを見込んでいる。

  • Q4

    来年のコストダウン効果のイメージは?

  • A

    3年間で1500億円の効果であり、単純に3で割ると年間500億円になるが、実際には効果は年度ごとに拡大していくため、初年度は500億円にはならない。来期以降の数値イメージはあらためて、3月16日の中期経営計画発表で説明する。

  • Q5

    来期営業利益で400億円から500億円を想定していいか?

  • A

    現時点では開示できないが、固定費構造改革を実行し、情報関連機器は増益、電子デバイスは黒字化することで、今年の何倍かの利益を出したい。

  • Q6

    ディスプレイや、インクジェットプリンタの競合メーカーは、はるかにマージンが高いが、ベンチマークを行なっていないのか?

  • A

    インクジェットプリンタの場合、同業他社の製品を部品単位に分解するなどベンチマークを実施している。しかし、ディスプレイの場合は、部材の購入比率が8割にも達するため、どのような購入政策をとっているのか非常に読みにくい。

  • Q7

    プレゼンの全体のトーンは、かなり前向きだが、実際の数値をみるとかなり危機感を感じる。社内では危機感はあるのか?

  • A

    当初計画との乖離幅から、かなりの危機感をもっている。この危機感を、どのように具体的なアクションとして、社員の行動に結びつけていくかが課題である。

  • Q8

    今回の下方修正理由は、個別事業の問題ではなく、会社の体質に問題があるのでないのか?

  • A

    市場環境の急激な変化に対して、我々の対応が常に後手にまわっているのは、ご指摘のとおりである。事業構造の体力強化を図り、体質改善を図りたい。

  • Q9

    組織が硬直化していないか。革新、改善活動が単発で終わっていないか?

  • A

    改善活動を計画に具体的に紐つけするということが今まで不十分であった。数値目標を達成するため、社員がどのように行動すればよいかを明確にしなければならない。また、それを継続的に実施できる習慣を企業風土にしなければならない。

  • Q10

    業績精度の甘さが再三指摘されているが、今後、管理体系の観点からどう強化しようとしているのか?

  • A

    反省点として、1.将来に向けての自分達の実力を過信していた、2.市場での競争による振れ幅の読み違い、3.コスト競争力、収益改善体質が不足している、ことがあげられる。これらの反省点を改善の上、2006年に向けて頑張りたい。

  • Q11

    中期経営計画の前提となる市場認識が甘いのではないか?

  • A

    コストターゲットは、かなり厳しい前提で考えている。前提条件の正確な把握、検証は重要なので、経営の立場からも、しっかりとみていきたい。

  • Q12

    改革の結果によっては今後、追加でなんらかのアクションが必要となってくるのではないか?

  • A

    まずは、改革プランにより事業構造を変えていく中で、拠点の統廃合をすすめていくことになる。収益の核になる部分をダイナミックに再編し変革していくことが必要であり、早くそれに着手したい。

  • Q13

    赤字状況下にありながら、配当を実施していくのか?

  • A

    昨年の株主総会でも述べたとおり安定した配当は、今年も実施していく。そのための原資も用意されている。予定どおり、半期16円、年間32円を配当する。

  • Q14

    インクジェットプリンタ消耗品の、第3四半期と第4四半期の売上の伸びは?

  • A

    第3四半期は1桁前半であった。第4四半期は、10%前半の伸びを予測している。

  • Q15

    インクジェットプリンタの今後の方向性としては、より高い機能を追加していくことで、商品単価の下落を抑えていくということで変わりないか?

  • A

    単価の下落を抑えるというよりも、消耗品の使用頻度の高いマルチファンクションプリンタに加え、ビジネス向けやラージフォーマットプリンタの商品群も厚くし、逆に消耗品の使用頻度の少ない商品群を絞りこんでいく方向である。

  • Q16

    消耗品の使用頻度の少ない商品群ということは、フォト分野でないシングルファンクションプリンタなどを絞りこんでいくということなのか?

  • A

    当社のインクジェットプリンタは、ほぼ全世界をマーケットとしている。各地域別での商品戦略、商品展開を考えたうえで対応していく。

  • Q17

    第3四半期の消耗品の数量成長が9%で、上期の15%に比べ悪くなっているが、実態はどうなのか?

  • A

    確かに、当初の計画を下回る数量成長であった。これは当初の計画に対し、顧客の使用ボリュームが想定よりも少なく、買い替えサイクルも長かったこと、また、純正品が伸び悩んでいることなどが理由である。しかし、競争力が落ちているわけではない。各地域での純正品の販売促進効果が出てきており、成長率はこれ以上下がらないと考えている。

  • Q18

    上期に比べ勢いが弱くなっていると理解してよいか?

  • A

    勢いが弱くなっているとは思わない。第3四半期もヨーロッパ市場は景気の影響により低迷したが、日本および北米市場では堅調に推移した。

  • Q19

    第3四半期の消耗品の平均単価、収益性には変化があるのか?

  • A

    平均単価は、前期比1桁半ばのマイナスであった。しかしながら、数量の成長により収益性には大きな変化はなかった。

  • Q20

    中期戦略の方向性の中にある、インクカートリッジ純正率向上のための「顧客指向」とは値下げを意味するのか?

  • A

    値下げではなく、お客様のニーズを取り入れた高機能で使いやすいカートリッジを提供することを指している。

  • Q21

    情報関連機器セグメントの第3四半期営業利益が計画を下回った理由は、インクジェットプリンタ本体の機能追加のためのコスト増とのことだが、これは、前回の計画には織り込まれていなかったのか?

  • A

    製造コストは当初から織り込めていた。ただし、平均単価の下落が製造コストの抑制以上に大きく作用したのが原因である。特にマルチファンクションプリンタにおいて平均単価が前回の計画時よりも10%以上下落した。なお、シングルファンクションプリンタでは、想定したより平均単価は維持できた。

  • Q22

    第4四半期の電子デバイスの営業利益額が少ないように思われるが、これは、388億円の構造改革関連費用が影響しているためか?

  • A

    構造改革関連費用によるものではない。携帯電話向けの電子デバイス製品は、例年第4四半期は需要が減少するため、強い見通しはできない。

  • Q23

    高温ポリシリコンTFTの製造拠点を千歳事業所に集約するとの話があったが、いつ頃どのようなスケジュールで実施するのか?

  • A

    全電子デバイス事業を対象として処置すべき対策を現在精査中である。

  • Q24

    ディスプレイ事業においては一切減損を検討してないのか?

  • A

    将来の方向性として検討はしているが、時期についてはこれからのマーケットの状況を見ながら考えていきたい。