2006年3月期(2005年度)第1四半期決算説明会 質疑応答要約
全社
- Q1
- Q2
- Q3
情報関連機器
- Q4
- Q5
- Q6
- Q7
- Q8
- Q9
下期の予想は据え置きとのことであるが、価格競争にともなう単価の下落も考慮すると、とりわけインクジェットプリンタは厳しいと思われる。これは社内の努力目標なのか、達成の確率が高い数値なのか?
- Q10
- Q11
- Q12
- Q13
- Q14
- Q15
- Q16
電子デバイス
- Q17
- Q1
第1四半期に、シェアを上げた製品、下げた製品をそれぞれ教えて欲しい。
- A
情報関連機器では、マルチファンクションプリンタが全世界でシェアがアップしている。シングルファンクションプリンタは、市場の縮小により数量が減少しているが、シェアは維持している。液晶ディスプレイでは、アモルファスTFT、MD-TFD、LTPSの携帯電話向けアクティブ・ディスプレイモジュールのシェアが上昇した。一方、カラーLCDドライバのシェアは低下した。
- Q2
第1四半期下方修正となったが、下期に向けて本当に数値の達成は可能なのか?
- A
達成は可能と考える。情報関連については先ほど説明したが、電子デバイスも急回復をしており、下期はさらに回復するという見方もある。ただ、まだ市場環境が不透明なところもあり、トータルで考えると達成できると考える。
- Q3
期初計画では、増収増益は達成可能とのことであったが、そのときの予想確度と今回の予想確度はどちらが高いか?
- A
期初には情報関連で、ヨーロッパ市場の軟調と、アメリカ市場の需要拡大が予測できなかった。今回それを織り込んだが、前提条件の狂いがどこに出るかがリスクの一つ。これに対し、今回は、電子デバイスが回復し、さらによくなる見通しがあるにもかかわらずあえて数値を変えていないことなどから、合わせると今回の確度のほうが高いと考える。
- Q4
情報関連機器の上期営業利益を160億円下方修正し、その主な要因はインクジェットプリンタ新商品立ち上げのための一時的な費用とのことであるが、これはもともと計画に織り込んであったのではないか。また下方修正額に占める割合を教えて欲しい。
- A
インクジェットプリンタはアジアの工場で生産しているが、生産費用は外部への販売時点ではなく工場出荷時点で計上している。下期に向けて、北米市場では当初計画に比べ20%以上生産増加要求があり、これに対応するための先行生産により、一時的な生産費用の増加が発生した。なお、160億円の下方修正のうち、この一時的な生産費用の計上分は、3分の1ほどである。
- Q5
先行生産による一時的な生産費用の増加というのは、あまり聞いたことはないが?
- A
当社では経常的な傾向である。今期は特に影響が大きかった。新商品の北米市場向け需要が非常に強く、期初計画の時点では予測できなかった。新商品については出荷直後から十分な供給をしたいと考えており、第1四半期からそのための先行生産を行った。
- Q6
先行生産による一時的な生産費用の増加について、もう少し詳しく説明して欲しい。
- A
インクジェットプリンタ本体は、残念ながら採算面では十分な利益はでておらず、引き合いの強い北米マーケットは特に厳しい。先行生産して販売子会社在庫となっている新商品は、販売子会社で実際の仕入れ価格で在庫計上をする一方で、製造子会社では立上げ初期の高いコストを反映した費用計上をしている。第1四半期に、好調な北米市場向けに計画以上の先行生産をしたため、結果的に採算を圧迫した。第2四半期以降、この新商品が外部へ販売されることにより、利益として回収される。また、前倒しでの生産はどうしてもコスト高となるが、今後は量産効果によるコストダウン効果があらわれ、また先行生産による影響も無くなるので、これもプラス要因となる。
- Q7
第1四半期、上期および下期でのインクジェットプリンタ本体/消耗品の数量/金額の成長率は?
- A
第1四半期は、本体の数量は2%強の増加、金額は1桁%台半ばの減少であった。消耗品の数量は15%弱の増加に対して、金額は1桁%台半ばの増加であった。 消耗品については、現在模造品対策を進めており、今後の業績を牽引すると期待している。年間では、数量は20%を超える増加、金額は2桁%台の増加を見込んでいる。 本体は、価格低下などの影響を受け、年間では、数量は10%強、金額は1桁%台半ばの増加が予測される。
- Q8
第1四半期で、インクジェットプリンタの売上が伸びていないにもかかわらず、年間での金額成長が期待できるのか。
- A
消耗品の増加が本体の増加より大幅に上回っており、その寄与が大きい。消耗品は、下期では数量20数%、金額10数%の増加が期待される。
- Q9
下期の予想は据え置きとのことであるが、価格競争にともなう単価の下落も考慮すると、とりわけインクジェットプリンタは厳しいと思われる。これは社内の努力目標なのか、達成の確率が高い数値なのか?
- A
インクジェットプリンタの新商品は、北米市場では、ディーラー向け内覧会でも好評を博しており、強い需要が想定される。日本市場では、2004年10月以降、マルチファンクションプリンタの販売数拡大によりシェアが好調に推移しており、4月を除き50%以上のシェアを獲得している。ヨーロッパ市場では、市場低迷によるチャネル在庫の増加により、販売数量が減少していたが、年末の新商品で売上増加を目指していく。これらを総合的に勘案し、下期の販売数量は計画どおり推移すると考えられる。また、消耗品では、グラフィックアート用の「K3インク」などの販売増に加え、引き続きコスト低減の成果なども期待できる。このようなことから下期の目標は達成可能と考える。
- Q10
今回、情報関連の営業利益を第1四半期42億円、第2四半期148億円の計190億円で予測しているが、期初計画では、350億円の予測であった。この時点では、第1四半期、第2四半期の内訳をどのように予測していたのか?
- A
第2四半期が第1四半期より若干多く、比率で言うと45:55くらいと予測していた。
- Q11
第2四半期の予測についても下方修正したのか?
- A
先行生産による影響が7、8月まで続くことが想定されるため、若干下方修正した。
- Q12
北米市場向けの先行生産を決めた時と、現在を比較すると、下振れの懸念があるのではないか?
- A
特に下振れはしていない。今年度、北米市場は順調で、5月にフォトダイレクトの新商品を出しているが順調に売上を伸ばしている。
- Q13
競合他社も新商品の内覧会を行っていると思うが、その中でエプソンの新商品への需要が拡大している要因はなにか?
- A
当社の場合、マルチファンクションプリンタやフォト専用プリンタによるプリント品質が高く評価されていることがその要因と考える。
- Q14
消耗品の訴訟で勝訴したが、北米での好調はその影響か?
- A
訴訟の詳細に関するコメントは差し控えさせていただきたい。勝訴により販売差し止めとなった分、消耗品の純正率上昇には寄与すると思うが、本体販売に影響があるのかは不明。また、模造品は他にもあるので引き続き対策を取っていく。
- Q15
消耗品が上振れていれば、増益にならないのか?
- A
消耗品については増益要因であるが、先行生産の費用によって相殺される形となった。
- Q16
同業他社が新開発のヘッドを導入したが、これによる影響はあると考えているのか?
- A
同業他社はコスト面での優位性はあると思われるが、当社は画質面で優位性があると考えられ、大きな影響はないと考えられる。
- Q17
主要工場の稼動率は?
- A
ディスプレイは、ほぼ100%の稼動率である。半導体は数量が増加して、稼動率も上がっている。