2005年3月期(2004年度)第2四半期決算説明会 質疑応答要約

全社

情報関連

電子デバイス


  • Q1

    これだけ業績が好調なのに人件費が増えていない理由は。また従業員のモラール的には大丈夫か?

  • A

    昨年までは退職金は増加傾向であったが、今年度は、一部年金制度の変更および年金資産のパフォーマンスの向上等があり、人件費が削減された。 モラールについては全く問題ない。2年間にわたり業務改革を実施し、事業構造から従業員一人一人の仕事の仕組みまで見直しを行っている。更に今年は総原価率低減活動を実施し、これらの積み重ねでコスト競争力がついてきたと考える。

  • Q2

    上期がこれだけの好業績なので、通期も営業利益を1200億円位で予測できたのでは。あえて下期慎重になった理由は?

  • A

    我々は様々な分析を行って数値を予測しており、特に慎重な見方とは考えていない。

  • Q3

    インクジェットプリンタ(以下「IJP」と省略)本体および消耗品の、前年第2四半期に対する伸び率は?

  • A

    本体は対前年比で、数量で5%、金額で10%強の伸びを示した。消耗品は、数量で20%弱、金額で1桁後半の伸びを示した。年間の予測では、本体は数量、金額とも1桁後半、消耗品は、数量で20%弱、金額で1桁後半の成長を見込んでいる。

  • Q4

    消耗品の伸びについて、地域差はあるか。

  • A

    本体の市場環境と同様の動き。本体は、日本は市場全体が前年比90%位に縮小したが、当社は、98~99%にとどまった。アジアでは、前年比10数%数量が減少した。これに対し、欧米、とりわけヨーロッパが好調で、高い伸び率を示した。

  • Q5

    国内のIJP新製品の状況は?また、PM-A900はCDレーベルのコピー機能つきであるが、著作権上問題が生じないか。

  • A

    10月7日に発売した新製品のうち、とりわけPM-A870の売れ行きが順調であり、調査機関によるとすでに9%のシェアを獲得している。また、PM-A900は、10月22日に発売され、これもシェア6%を超えて順調である。CDレーベルのコピーについては、家族・友人へのプレゼント等の場面を前提としており、個人の使用範囲であれば、著作権の問題はない。

  • Q6

    米国では、LexmarkがIJP本体の売上を伸ばしているにもかかわらず、消耗品があまり伸びていない。低価格帯ではエプソンも同じ現象が起こっているのか?

  • A

    Lexmarkと当社とでは本体のラインナップが異なっており、Lexmarkは、低価格帯に徹している。当社は、マルチファンクションでもフォト対応機をラインナップし、シングルファンクションでは、顔料系インク(DURABright)を採用することで、消耗品の数量を前年比で20%伸ばしている。

  • Q7

    情報関連機器において、下期で売上高が、240億円上方修正されているのに対し、利益は50億円の上方修正にとどまっているが、その背景は?

  • A

    IJPのコスト体質がかなり強化されてきており、妥当な数値であると考える。

  • Q8

    IJP本体の下期の伸び率は、第1四半期決算発表時の予測と比較しどうか?地域別での下期のシェア上昇策、またシェア上昇のための価格対応策は?

  • A

    伸び率は、5~6%と考えており、前回予測からは変化はない。全世界的に見て、下期は、マルチファンクションとシングルファンクションの双方でフォト対応機を発売し、低価格帯ではなく、付加価値の高い製品でシェア上昇を狙っていく。このように高価格帯を狙っているため、平均単価は低くならないと考えている。

  • Q9

    デバイスの2004年度営業利益の予測が前回に比べ90億円減であるが、その内訳比率は。

  • A

    具体的に事業部毎の内訳を開示するのは差し控えるが、圧倒的に比率が高いのはディスプレイ事業で、特に、アモルファスTFTとLTPSの影響が大きい。半導体からの影響もないわけではないが、ディスプレイほどではない。モバイルディスプレイ分野は減収ではあるが、事業体質が強化されているので、利益を確保できる構造になっている。

  • Q10

    アモルファスTFTが悪いのは何故か?

  • A

    15インチ以上の大型ディスプレイの価格下落が急速に進んでおり、そのトレンドを織り込んでいるためである。

  • Q11

    アモルファスTFTは、中小型への積極的な転換を図るのか。

  • A

    当初の計画では、中小型への転換比率を今年度15%くらいで計画していた。しかし、大型パネルの市況が軟化していることから、30%に引き上げた。中小型に転換すれば、1ウエハー当りの取れ数は当然上がるので、大型での市況軟化がさらに進行しても、採算性は向上する。2005年度以降についての比率は、顧客や市況との兼ね合いで決めることになるので、未定である。

  • Q12

    D-TFDの価格下落は、第1四半期決算発表時では10%強と予想していたようだが、下期はどの位か?

  • A

    前回の見通しから大きな変更はない。

  • Q13

    主要デバイスの工場の稼動率はどうか。

  • A

    カラーSTN、D-TFDおよびHTPSは、現在フル操業である。半導体は若干余裕がある。鳥取については一部余裕があるが、デジカメ用の発注が増え始め、稼働率が上がってきている。

  • Q14

    下期の、電子デバイスの営業利益109億円のうち、ディスプレイが占める比率は? さらにHTPSの比率は?

  • A

    ディスプレイの占める比率は20%半ばくらいである。個別の製品の営業利益率については開示を控えさせていただきたい。

  • Q15

    モバイル市場向けデバイスの在庫調整の見通しは?

  • A

    当社の顧客からの発注は順調であり、当社として在庫調整は行っていない。

  • Q16

    三洋エプソンイメージングデバイス(SEID)の設立に伴う、少数株主持分の利益流出額は前回説明のあった9億円から変更ないか?

  • A

    前回は、事業統合による利益の規模感をガイダンスするためにあえて数値をお答えしたが、SEIDは10月1日からオペレーションを開始しているため、子会社個別の損益については開示を差し控えたい。