薄膜ピエゾテクノロジー

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エプソンの薄膜ピエゾテクノロジー

エプソンの薄膜ピエゾ(Thin Film Piezo: TFP)テクノロジーは、シリコンウエハー上に厚さ1マイクロメートル(1/1000ミリメートル)のピエゾ素子の膜を均一、かつ均質に形成する技術です。PrecisionCoreテクノロジーを実現する重要な要素技術の1つです。

エプソンの
マイクロピエゾ プリントヘッド

エプソンのマイクロピエゾプリントヘッドは、電圧を加えることで収縮するピエゾ素子の機械的な動きによってインク滴を微小なノズルから吐出し、印刷を行います。インク滴を用紙などのメディアに直接飛ばして印刷を行うので、廃棄物も少なく、既存のアナログ印刷やレーザー方式などに比べて環境面や効率面で非常に優れており、また原理的にどんなメディアにも印刷が可能です。

エプソン独自の製造技術による薄膜化

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一般的にピエゾ素子は、同じ厚みの場合、面積を小さくするほど、その変位量が小さくなります。そのため、解像度を上げるとピエゾ素子の変位量が減り、ノズルから1回に吐出できるインク量は減少してしまいます。しかし、高速、高画質な印刷を実現するためには、ピエゾ素子の変位量を増やす必要があります。

一般的に、ピエゾ素子は薄ければ薄いほど変位量が大きくなります。従来のピエゾプリントヘッドは、ピエゾ素子を精密に機械加工して作られます。PrecisionCore プリントチップの場合、エプソン独自のピエゾ材料の配合と製造技術により、より緻密に結晶化させた素子を作ることで、ピエゾのアクチュエーターとしての性能を飛躍的に高めています。厚さは、わずか1マイクロメートルです。

薄膜ピエゾテクノロジーにより
生まれた新たな可能性

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エプソンは、長年培われてきた独自の結晶化技術により、安定した配向性を持つ高品質なセラミック結晶の焼結形成を可能にしました。この技術を用いて、薄さわずか1マイクロメートル程のピエゾ結晶膜を形成する薄膜ピエゾの製造技術を確立しました。薄膜ピエゾは、薄く、結晶構造も均質なため、均一で大きな変形量が得られます。これを用いたアクチュエーターはノズル密度を大幅に高め、小型でありながらも必要なインク吐出量が得られます。

また、薄膜ピエゾそのものの原料は自社で製造しており、原料の合成に使用している化学反応や合成装置もエプソンが独自に開発したものです。ピエゾ素子の要求性能に合った最適なピエゾ原料を使うことができることもエプソンの強みです。

PrecisionCore プリントヘッドは、薄膜ピエゾとサブミクロン単位での超微細加工が可能なMEMS技術により形成されたノズルやインク室などのパーツを組み合せることにより作られています。さらに、メニスカスコントロール、MSDT(Multi Size Dot Technology)といった、エプソン独自の高度な制御技術が加わることで、高速・高画質な印刷を実現しています。

薄膜ピエゾテクノロジーにより生まれたPrecisionCore プリントヘッドは、インクジェットプリントの可能性を大きく広げる能力を備えています。