バッファークリーニング技術
クリーニングの精度維持とインク消費量の削減を実現した
バッファークリーニング
高い印刷品質を維持するためにはプリントヘッドのクリーニングが欠かせません。その一方で、クリーニング時に消費するインク量は極力少なくする必要があります。
ここでは、ラインヘッド方式のインクジェットプリンターにおいて、クリーニング精度の維持とインク消費量の削減の両立に成功したバッファークリーニング技術をご紹介します。
ラインヘッド方式におけるクリーニングの課題
プリントヘッドのクリーニングは、印刷品質低下の原因となりうるプリントヘッドのノズルの目詰まりを解消するために必要です。クリーニングでは、ポンプを回し、プリントヘッド先端のキャップ内を減圧して、ノズルからインクを吸引することで目詰まりを解消します。
エプソンの家庭向けインクジェットプリンター(最大約3,000ノズル※)と異なり、ラインヘッド方式のビジネスインクジェットプリンターは約37,000本のノズルを搭載しています。そのため、この方法でクリーニングを行うと、1回のクリーニングで約10倍のインクを消費してしまうことになり、それがラインヘッド方式の実現にあたって大きな課題の一つとなっていました。それを解決した技術がバッファークリーニング技術です。
- 機種によって異なります。
バッファークリーニング技術とは
バッファークリーニング技術では、バッファータンクを搭載して、タンクに付随するポンプとバルブでインク経路内の圧力を制御しています。
この技術では、インクを吸引する前にバッファータンクだけを先に減圧して、⼀定の圧⼒に達した状態から⼀気に吸引を開始することで、短時間で⽬詰まり解消に必要なインクを吸引できるようになりました。クリーニング精度は維持したままインク消費量を抑えることに成功したのです。