プリンター(インクジェット)技術一覧

エプソンのプリンター(インクジェット)技術をご紹介します

エプソン独自の「マイクロピエゾ技術」を磨き上げ、家庭用インクジェットプリンターだけでなくオフィスや商業・産業用途など、より高生産性領域で技術を採用していただけるよう、研究開発を進めています。また、高い環境性能や循環型の印刷環境を提供します。

インクジェット技術で
目指す未来
エプソンのインクジェット技術

インクジェット技術から4つのテクノロジーをピックアップして紹介します。

マイクロピエゾ技術

マイクロピエゾ

インクジェット技術を支える中心的な技術がマイクロピエゾ技術です。最小で1.5ピコリットル(ピコは1兆分の1)の球状粒子のインク滴を1秒間に最大で5万発も、安定的に正確な位置に必要な量だけ吐出することができます。これは、丸いドット形状のインク滴を、狙った位置に高い精度で着弾させるためのメニスカス制御や、1つのノズルから大小さまざまなインク滴を吐出することができるMSDT(Multi Size Dot Technology)といった技術によって実現しています。インクジェット技術は、既存のアナログ印刷やレーザー方式などに比べて廃棄物が少なく、環境負荷低減に寄与しています。

PrecisionCoreテクノロジー

PrecisionCore

PrecisionCore テクノロジーは、インクジェットプリンティングの水準を新たなレベルまで引き上げた最先端技術です。長年にわたって培い、蓄えてきたインクジェット技術と経験に、高精度なインクジェットプリントを実現するための精密部品を製造するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加工技術や、シリコンウエハー上に厚さ1マイクロメートル(1/1000ミリメートル)のピエゾ素子の膜を均一、かつ均質に形成する薄膜ピエゾテクノロジーなどを融合することで実現しました。

画像処理技術

カラーコントロールテクノロジー

お客様の思い描く色を短時間かつ精細に再現するために開発したカラーコントロールテクノロジーや、白、黒以外の中間調を再現するハーフトーニング技術が、高画質で美しい印刷を実現します。また、多種多様な用紙で印刷をされる場合でも高い印刷品質を安定して実現してくれるのがドットコントロールテクノロジーや、色むら・バンディングなどを防ぎ印刷品質の低下を抑制するマイクロウィーブ技術が、高い印刷品質を支えています。

メカ技術

メカ技術

安定した高速印刷処理を実現するためのさまざまなメカ技術です。静電吸着ベルト搬送方式による高速給紙搬送技術により印刷による拘束時間からの解放を実現します。排出した紙の整列性を確保する機構設計の構造も特長の一つです。エッチング技術を活用した精密なギザの形状のギザローラは、インク液付着の問題を解決しました。また、短時間で正確に静電ベルトの当離接動作および制御を行うベルト当離接機構も備えています。高速印刷中も乾燥を防ぐためにインクヘッドにキャップをするシステムや、印刷後の紙の反転や勢いよく排出される問題を解決するために紙と紙の摩擦係数を抑えるPETパドルも備えています。

インクジェット技術で
変わる“ものづくり”

マイクロピエゾ

エプソンのインクジェット技術は、家庭用やオフィスのインクジェットプリンター製品、産業用では、大小のポスター印刷、看板・サイン印刷、布地への捺染、ラベル印刷、写真印刷など、さまざまな種類の印刷シーンにおける主要技術として採用されています。

現在は、こうした紙や布への印刷だけでなく、液晶パネルの製造、薄膜レジストの形成といったエレクトロニクス分野、さらにデコレーション、調味といった食品分野でも活用されています。

エプソンは、さまざまな印刷用途に対し、インクジェット技術によるデジタル化を加速していくために、高信頼性、高画質、高生産性の特長を持つプリントヘッド自体の販売も進め、他社との協業・オープンイノベーションにより市場を創出していきます。

例えば、商業・産業向けの用途に加え、高性能なインクジェット技術を活用したバイオ向けの工業用途にも積極的にプリントヘッドを提供し、新たな市場創出を牽引していきます。

インクジェット技術で
果たす社会的責任

世の中でICTの普及によるペーパーレス化が言われて久しいですが、「紙」という優れたメディアの価値を活かし、手に取りたい情報を必要に応じて、いつでも印刷できる社会を実現したいと考えています。そのためには、低印刷コストや環境負荷低減などのお客様にとっての価値を創造するエプソンのプリンティングイノベーションが不可欠となります。

例えば、印刷プロセスに熱を使わないエプソンの大容量インクを搭載したモデルは、稼働時と待機時も含めたトータルの消費電力量はレーザープリンターと比べておよそ1/10と、格段に少なくなっています。また、大容量インクタンクやパックの搭載により、消耗品や包装材に関わる資源消費量も低減できます。

高速ラインインクジェット複合機は、オフィスで主流となっている一般的なレーザー方式のプリンターに比べ、熱を使わないため格段に省エネルギー性能に優れているというメリットがあります。熱を使わないエプソンのラインインクジェット複合機は、濃度の高い印刷パターンでも印刷スピードが落ちることがないので連続高速印刷や大量印刷を実現できます。当技術を広めることで、業務・生産効率の向上と同時に、環境負荷低減の価値をお客様にご提供します。

一方、商業・産業領域では、従来の大量生産・大量消費の時代から、消費者ニーズの多様化に対応する多品種少量生産が拡大し、加えて、環境への配慮が強く求められています。こうしたニーズが高まるなか、版が必要なアナログ印刷からデジタル印刷への転換が進んでいます。当社のインクジェット技術は、こうしたデジタル化の流れを牽引し、需要変動に短納期で柔軟に応える印刷を実現、売れ残りや廃棄ロスの削減、刷版の洗浄に必要な水や廃棄インク液の削減、仕掛品の保管スペースの削減を目指します。

独自のインクジェット技術をビジネスパートナーとの協業やオープンイノベーションにより、積極的に新市場創出の取り組みへと進め、新たな価値を社会へ提供していきます。