2008年8月 サイン&ディスプレイ向けの高画質大判インクジェットプリンター「GS6000」
印刷方式 | インクジェット(マイクロピエゾ) |
対応用紙サイズ | 64インチ |
解像度 | 最大1,440dpi×1,440dpi |
インク構成 | 8色(ブラック、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、イエロー、オレンジ、グリーン) |
印刷スピード | 5.8 m²/h(高画質1モード:1,440dpi×720dpi 8パス) |
外形寸法 | (W)2,698mm×(D)1,045mm×(H)1,267mm (自動巻き取りユニット使用時) |
重量 | 約203kg(インクカートリッジ含まず) |
製品特長
「GS6000」は、アメリカで発売※1を開始したエプソン初のサイン&ディスプレイ向けの高画質大判インクジェットプリンターであり、オレンジ、グリーンを含む8色のインク構成により、水性インクジェットプリンターにも匹敵する広い色再現領域を実現しました。商品パッケージカラー、コーポレートカラーといった特色※2の再現性に優れており、商品写真の表現や特色再現などの高いクオリティーが要求されるサインボードなどの商品広告の用途で力を発揮しました。また高品質・高速性・高級性を備えた「マイクロピエゾヘッド」を2列搭載し、プリント中でも交換可能なホットスワップに対応した大容量インクカートリッジの採用と、長いバナー印刷や大量印刷、夜間の連続印刷にも役立つ自動巻き取り装置の標準装備などにより、高画質と高い生産性の両立を実現したのです。
搭載している「エコソルベントGSインク」は溶剤インク特有の臭いを低減するとともに、発がん性のあるニッケル化合物を一切含んでいなかったため、作業環境だけでなく環境にも配慮したものでした。
※1 国内では2010年11月に発売
※2 基本となる4色のインクの組み合わせでは再現できない、あらかじめインクの調合(調色)が必要な色のこと
誕生の背景
屋外の看板や、駅構内に設置される半屋外広告においては、変色や劣化などの変質を起こしにくい耐候性が重要となることから、当時、制作現場では主に溶剤系のソルベントインクを採用した大判プリンターが導入・活用されていました。しかしながら、従来採用されていた一般的なソルベントインクを採用した大判プリンターは、溶剤特有の臭気が発生することによる印刷時の作業者への影響が課題でした。さらに、文字中心の広告から商品写真が入った広告への変化、近くで見ることが可能なショッピングセンターや駅構内などの屋内広告への対応等から、さらなる高画質化も重要な要素となりつつありました。
このようなソルベントインクを採用した大判プリンターの課題を軽減する商品として開発されたのが、「エコソルベントGS インク」を搭載した「GS6000」です。
成果と反響
エプソンは、マイクロピエゾ技術であらゆる領域のプリンティングに革新をもたらすことを戦略として掲げてきました。その中で当社は新開発の溶剤系インクを採用した「GS6000」で、サイン・グラフィックス市場に初めて参入しました。溶剤インクで耐候性に優れているという特長を生かしつつ、オレンジやグリーン等の特色を含む8色インクセットを採用することで広い色再現性を実現し、また屋内外サイン用途でありながら高画質であったため、市場から高い評価をいただきました。その結果、屋内外サインだけでなくキャンバスメディアを使ったファインアート複製用途に使われるなど、企画当初に想定していなかった新たな市場・用途を開拓することができたのです。