2006年7月 塵埃に強い防塵プロジェクター「EMP-6100」
表示方式 | 3LCD方式 |
液晶パネル | 0.8型ポリシリコンTFT液晶パネル |
画素数 | 1024×768×3枚 |
光源 | 230W UHE |
色再現性 | 1677万色フルカラー |
輝度 | 3500lm(高輝度モード)/2700lm(低輝度モード) |
外形寸法 | (W)465×(D)340×(H)146mm(突起部含まず) |
消費電力 | 330W(使用時) |
質量 | 約7.0kg |
製品特長
人の出入りや、ドアや窓の開け閉めが頻繁で、ホコリや砂塵、タバコの煙が多く、一般のプロジェクターでは故障が頻発するような劣悪な環境下においても常設設置に耐えうる防塵プロジェクター「EMP-6100」。
ランプの光で映像を投映するプロジェクターには、ランプの熱で上昇した内部温度を下げるための冷却ファンがあり、稼動中は常に空気の吸排気を行っています。「EMP-6100」では、この空気の取り込み口に、自動車のエンジンルームで使われるような、微粒子まで吸着できる大型の静電フィルターを取り付けることで、ランプに付着して照度を落としてしまう塵や、液晶パネルの性能を低下させるタバコの煙(ヤニ)の侵入を遮断し、さらに吸排気口以外を完全に密閉構造にすることで遮断効果を高め、プロジェクター内部を常にクリーンに保つことができるようにしたのです。
このフィルターがホコリを吸着して目詰まりするほどの状態になると、内蔵した風量センサーが、プロジェクター内部への風力の低下を感知し、LEDインジケーターや投映したスクリーン上でフィルター交換や清掃の時期であることを知らせる機能が搭載されています。またフィルター交換は、天吊りしたままの状態で、片手で行うことができ、メンテナンス性にも優れています。
動作温度も、一般的なプロジェクターよりも上下幅の広い0〜40℃に設定することで、全世界の多くの地域での使用を可能にしました。
誕生の背景
「EMP-6100」を商品化する2年ほど前から、中国の小中学校の教室で使われているプロジェクターの故障が目立つようになりました。中国ではその数年前から多くの学校でプロジェクターを授業に活用するようになっていましたが、設置してからわずか数年で故障が頻発した原因は、大量のホコリや砂でした。中国では黄砂が年間を通して発生しているうえ、ビルや家屋の建築現場から巻き上がるホコリも多く、それらがプロジェクター内部に入り込み、蓄積されて、故障を招いたのです。プロジェクタービジネスのパイオニアとしてお客様が抱える課題を迅速に解決するために、そして、有望な中国市場でエプソンプロジェクターのプレゼンスを高めるために、黄砂やホコリに負けない、強靭な商品の提供が急務となりました。
また、中国に限らず、プロジェクターが多くの国や地域で使われ、また様々な用途に活用され始めたことも、防塵プロジェクター開発の推進力となりました。欧米などの先進国であっても、天吊りによる常設設置かつ使用頻度の高い大学などで、また飲食店やアミューズメント施設などタバコの煙の多い場所で、安心してプロジェクターを使っていただくためには、防塵プロジェクターが必要だったのです。
成果と反響
「EMP-6100」の発売により、ホコリや砂塵が多く発生する部屋や屋外にプロジェクターを設置する場合には十分な防塵対策が必要、ということが一般的に認識されるようになり、他社からも防塵機能を備えた商品が発売されるなど、防塵性という新しい観点でのプロジェクターの性能向上を追求するきっかけとなりました。
発売当初2モデルだけだったエプソンの防塵プロジェクターは、お客様の要望にきめ細かく対応するために、使用する場所の広さや明るさに合わせてラインアップを増やしています。そして、今では中国での主要販売商品は防塵機能を備えたモデルを中心に構成され、エプソンプロジェクターの販売拡大の推進力となっています。