1998年9月 ハイブリッドプリンタ「TM-H5000」
レシート/スリッププリンタ
印字方式 | レシート部ラインサーマル、スリップ部 9ピンシリアルインパクトドットマトリクス |
フォント | レシート部9×24/12×24/24×24(漢字)、 スリップ部7×9/9×9/16×16(漢字) |
印字桁数 | レシート56/42/21(漢字)桁、 スリップ88/66/44(漢字)桁 |
インタフェース | RS-232C、双方向パラレル、 RS-485(オプション) |
印字速度 | レシート16.5行/秒、 スリップ311/233/45文字/秒 |
コピー | オリジナル(1枚)+4枚 |
オプション | MICRリーダー (小切手磁気文字読み取り機能) |
外形寸法 | (W)252×(D)331×(H)201mm |
重量 | 約6.5kg |
製品特長
サーマルプリンタとインパクトドットプリンタ、2種類の印字ヘッドを搭載した、当社初のハイブリッドプリンタ「TM-H5000」。ラインサーマル方式によって、静かでかつ毎秒16.5行という高速印字を実現。スリップ部はインパクトドットマトリクス方式で、最大A4サイズ、88桁までの印字とオリジナル1枚+4枚コピーまでの複写印字が可能でした。そして、業務用POSプリンタに最も要求される信頼性の点では、レシート部メカニズムは1000万行、スリップ部メカニズムは2900万行、インパクトドットヘッド部は1.5億文字という高い耐久性能で、他社を凌駕する信頼性の高さを実現しました。
また、このプリンタにはPOSプリンタ制御用コマンド体系ESC/POSに加え、1995年からマイクロソフト社と協働で開発してきた、Windows環境下でのアプリケーション開発を容易にするOLE技術を使った新しいコマンド体系「OLE/POS(OPOS)」もサポート。幅広いアプリケーションに対応するとともに、OLE技術によってPOS周辺機器を容易に制御できるようにする、独自開発のOCXドライバを提供したのも特長でした。
「TM-H5000」は、使いやすさやメンテナンスの観点でも考慮されており、ロール紙を投げ込むだけで交換ができるドロップイン方式を採用。自動的にレシートがカットされるオートカッターも標準装備されていました。さらに、小切手による支払が日常的に行われる海外市場での使いやすさを向上するため、オプションとして、小切手に印刷されている磁気文字情報(支払い処理に必要な情報)を読み取る「MICRリーダー」も装備。これにより、今まで店員がキー入力していた小切手の磁気文字情報を瞬時に読み取って、ホストコンピュータに提供することができ、リテーラーの業務効率向上に貢献しました。
誕生の背景
1990年の「TM-930」の発売成功により、流通小売業界のPC-POS用プリンタのトップブランドとなった当社は、さらなる新製品の企画開発に取り組み、インテリジェント化、高付加価値化をキーワードにラインアップを拡充してきました。
こうした中、PC-POS用プリンタにはビジネス効率を上げるための高速印字処理の要望が高まり、サーマルプリンタが登場します。さらに、このサーマルプリンタの「高速印字」と、インパクトドットプリンタによる「複写印字」の両方を兼ね備えた「ハイブリッドプリンタ」のコンセプトも登場。当社はPOS用プリンタのトップブランドの地位を保持すべく、1996年、この「TM-H5000」を商品化したのでした。
成果と反響
サーマルプリンタの「高速印字」とインパクトドットプリンタによる「複写印字」の両方を兼ね備えた、このハイブリッドプリンタ「TM-H5000」は、その使いやすさと高い信頼性で他社商品を凌駕。1992年に「TM-930」をPC-POSプリンタとして全面採用した米国流通業界トップリテーラーSEARS社にもその信頼性の高さが評価され、同社のPOSシステム用の新たなプリンタとして採用されます。このトップリテーラーによる採用がきっかけとなり、「TM-H5000」は瞬く間に市場へ浸透していったのです。