1968年9月 小型軽量デジタルプリンタ「EP-101」

印字サイクルタイム 約350ms
桁数 21桁
文字数 16文字
印字方式 ラインプリント
カラー 赤黒2色リボン
文字間隔 桁間 3.5mm 行間 5.1mm
文字寸法 幅 1.8mm 高さ 2.9mm
電圧 17VDC
記録紙 普通紙(紙幅 89mm)
外形寸法 (W)163.5×(D)135×(H)102mm
重量 2.5kg

製品特長

「EPSON」の名の由来ともなった、世界初の小型軽量デジタルプリンタ「EP-101」。当社プリンタ事業の第1号として製品化された、このプリンタは、画期的な小型サイズ、構造のシンプルさによる高い耐久性と信頼性を誇り、電子式卓上計算機をはじめ幅広い分野で活用されました。動力部には、当社(当時:諏訪精工舎)が開発した、高効率・長寿命の小型モータを搭載。電池で作動できるほどの省電力設計で、その消費電力は17VDCで150(待機状態)〜410(全負荷の印刷時)mAと、従来のプリンタの約20分の1程度。水晶時計用モータの応用開発をはじめ、材料の選択・製造技術など、時計製造で培われた精密加工技術が活かされ、その信頼性は、国内外で高く評価されました。

誕生の背景

当社プリンタ事業の歴史は、セイコーが公式時計を担当した1964年の東京オリンピックの頃にまでさかのぼります。このときに精工舎および第二精工舎と当時セイコーグループの一員だった諏訪精工舎(現:セイコーエプソン)の3社共同で開発したプリンティングタイマーが、「EP-101」誕生の契機となりました。「EP-101」の発売は、1968年9月。電子式卓上計算機が、そろばんに代わってオフィスに導入されつつある頃でした。小型プリンタの将来性に注目した当社は、プリンティングタイマー開発によって培われたプリンタ製造技術を結集。約4年半の開発期間を経て、「EP-101」を世に送り出したのです。

成果と反響

電子式卓上計算機メーカーなど、当時のプリンタ需要とマッチして、「EP-101」は発売以来、各方面から注目を集めました。1969年5月、東京・晴海で行われた「第38回ビジネスシヨウ」、同年8月にアメリカ・サンフランシスコで行われた「WESCON」に相次いで出品。その評価は国内にとどまらず、世界中で反響を呼ぶこととなりました。その後の需要も旺盛で、この「EP-101」の成功により、当社は情報産業分野の事業展開をスタートさせるとともに、世界市場への進出をはかる鍵を手に入れたのです。

世界中で大反響を巻き起こした「EP-101」。このミニプリンタの子供(SON)たちが、世に多く出ていくようにという願いを込めて、1975年6月に「EPSON」というブランドが立ち上げられました。

この「EP-101」は、累計販売台数144万台という大ヒット商品となりました。

マイルストンプロダクツ一覧へ戻る