2022年12月22日
セイコーエプソン株式会社
バイタルデータから集中度を可視化し、ウェルネステレワークの効果を実証
セイコーエプソン株式会社(以下 エプソン)は、長野県茅野市(市長 今井敦)が森ビル株式会社(東京都港区、社長 辻慎吾、以下 森ビル)に委託し、2022年11月に茅野市蓼科で実施したウェルネステレワーク※1において、自社開発のウエアラブルデバイスとバイタルデータ分析アルゴリズムを用いて集中度や睡眠を可視化、同プログラムの効果を科学的に実証しました。
今回、テレワーク中の心身の状態を可視化、定量評価することができたことから、今後、企業の健康経営の実践手段として、地域資源を生かした地方滞在型テレワークやワーケーションの取り組みにも弾みがつくことが期待されます。
茅野市は、交流人口拡大事業の一環として、個人のパフォーマンス、心身の健康の実現に寄与するウェルネステレワークのプログラムを森ビルと実施しています。これまでは、参加者から集中度の向上など効果を実感したという声があった一方で、その効果について定量的なデータで立証できていない、といった課題がありました。
エプソンは、新たに開発し、医療機関との共同研究※2※3において性能が実証された、腕時計型および上腕装着型センシングデバイス(技術検証用)と心拍変動データを分析するアルゴリズムを用いて、自身の睡眠状態の把握やこれまで難しかった集中度の可視化をおこないました。
プログラム参加前と参加期間中にこのセンシングデバイスを装着いただき、測定した結果、データから算出された集中度と参加者の体感が一致するエビデンスを得ることができました。また、集中時間は、参加前に対して18人中11人が増加し、累積で56%増加する結果となりました。さらに、データを用いて各業務の集中度や睡眠の質を参加者にフィードバックをおこなうことで、自身の気づきを促し、個人のパフォーマンス向上、心身の健康につながるセルフケア(行動変容)のきっかけとなることがわかりました。
参加者の声
「生活の中での自分のパフォーマンスについて、自分の主観と客観的なデータをすり合わせることで、現実の理解が深まり、行動の改善が出来そうだと感じました。」
「自分の睡眠や集中度を定量的に測ったことがないので大変興味深く、益々データを良くするために取り組むマインドになると感じました。」
「寝ているときの状態や交感神経副交感神経の状態など、普段計測しづらいものを確認できたことで、何をすればどうなるのか具体的に考えるきっかけになりました。」
エプソンは、今後も、自治体・企業・地域関係者とともに、さまざまな社会課題の解決を通じて持続可能な地方のまちづくりに取り組んでいきます。
【参考】
※1 ウェルネステレワーク:日常のオフィスを離れた環境下で行う、生産性向上と健康の両立を目指したテレワーク「ウェルネステレワーク」の実証を実施しました 茅野市ニュースリリース(2022年11月24日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000067875.html
※2 葉山 恵津子ほか(2020年). 腕時計型脈波モニタリングデバイスによる心房細動の検出の妥当性に関する研究:ホルター心電計との比較, 心臓血管研究所 心電図 40巻, 207-216
※3 Keisaku Fujimoto et al., 2018. Sleep stage detection using a wristwatch-type physiological sensing device. Sleep and Biological Rhythms 16, 449-456
以上
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