2011年11月 両眼シースルーを実現したスマートグラス「MOVERIO BT-100」
液晶パネル | 種類 | 高温ポリシリコンTFT |
画素数 | 0.52型ワイドパネル(16:9) | |
サイズ | 960×RGB×540(QHD) | |
仮想画面サイズ | 320型相当(仮想視聴距離20m時) | |
色再現性 | 24ビットカラー(約1677万色) | |
プラットフォーム | Android 2.2搭載 | |
メモリー | ユーザーメモリー 1GB | |
駆動時間 | 約6時間(動画ファイル連続再生時) |
製品特長
眼鏡のようにかけて使用する「MOVERIO(モベリオ) BT-100」は、いつでも、どこでも、大画面で、映像や音楽、Webコンテンツなどを楽しむことを可能にした、世界初※のスタンドアローン型シースルースマートグラスです。
エプソン独自の光学技術、高精細ディスプレイにより、目の前に大画面映像が、浮かび上がるように表示され(シースルー)、遠くを見れば見るほど大きく見えます(20m先で320型相当)。着用時は両手を自由に使え、映像がシースルーであるため実際の視野に自分の必要な情報を重ねられます。プラットフォームにはAndroid2.2を搭載し、スマートフォンやタブレット端末と同じく直感的な操作で、スムーズかつ快適に映像を視聴することができます。
※2011年11月25日国内発売時、他の機器と接続しなくてもコンテンツ視聴可能な民生用両眼スマートグラスにおいて(エプソン調べ)
誕生の背景
プロジェクターのリーディングカンパニーとして大画面映像機器を世界中のお客様にご提供してきたエプソンは、培ってきたコア技術を活用し、新規事業領域の開拓と、大画面映像による新たなコミュニケーション文化の創出に取り組んでいました。
「両眼でシースルーの大画面映像を視聴できる」斬新なコンセプトのスマートグラスを実現するためには、プロジェクター事業を中心に培ったコア技術を結集し、発展させることが不可欠でした。映像を表示するコアデバイスとして、エプソン独自のマイクロディスプレイである高温ポリシリコンTFTカラー液晶パネル「ULTIMICRON」を使用しました。これは、デジタルカメラなどに向けた電子ビューファインダー(EVF)用途として大手カメラメーカーなどにも採用されている、超小型・高精細の液晶パネルです。さらに、高度な光学設計・製造技術を最大限に活用して、これまでにない新しい導光板などを開発することで、小型・軽量のスマートグラス「MOVERIO BT-100」を実現することができました。
このスマートグラスに名付けた製品ブランド「MOVERIO」は、「Mover」と「IO」を組み合わせた造語です。「Mover」は、移動(Move)、映画(Movie)を表し、移動の際にも映画などの美しく大きな映像を楽しんでいただきたいという思いを込めています。さらに、ものを動かす人、原動力、発起人という意味もあり、エプソンが率先してこの市場に新たな動き、トレンドを生み出し、市場拡大に努めていこうという決意を表明しています。また、「IO」は「Input」、「Output」の略で、公共の場をはじめとしたさまざまな場所と、パーソナルな自分だけの世界をつなぐ、インターフェイスを意味しています。
成果と反響
創業からエプソンのDNAとして脈々と受け継がれている「創造と挑戦」という企業文化、そして絶えず磨き続けてきた技術ゆえに実現できたスマートグラス「BT-100」。いつでも、どこでも、大画面映像を楽しむという新しい視聴スタイルを提案し、その全く新しい映像体験は世の中を驚かせました。両眼でシースルー映像を見られるという独自の特長は、ソフトウェア開発、観光、物流などさまざまな業界の企業からも高い関心を集め、業務用途を含む活用に向けた協業はこの製品から始まりました。
MOVERIOは進化を続け、2014年には後継機となる「BT-200」が、世界最大級のコンシューマー・エレクトロニクス・ショーで「2014 CES Innovations Awards」を、国内の最先端IT・エレクトロニクス総合展では「CEATEC AWARD 2014」のライフスタイル・イノベーション部門でグランプリを受賞するなど、その技術革新性について世界中から高い評価をいただきました。