2003年5月 インクジェットデジタル捺染印刷機「モナリザ160B」

モナリザ160B

印刷方式 インクジェット(マイクロピエゾ)
プリント幅 1,600mm
解像度 720×720dpi(高品位モード)
インク構成 8色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、オレンジ、レッド、グレー)
インク種類 酸性、反応、分散
印刷スピード 30m²(高品位モード時720dpi×720dpi、8パス印字)
重量 本体 約3,000kg

製品特長

捺染業のリーディングカンパニーであるイタリアのロブステリ社と共同開発した産業用インクジェットデジタル捺染印刷機「モナリザ」。高級ブランドを中心とした捺染業の一大拠点であるイタリア・コモ地域で捺染印刷機の開発・製造・販売を行っているロブステリ社に、エプソンがマイクロピエゾプリントヘッドやインク供給機構パーツなどのインクジェット技術を供与することで、量産プリントに耐えうるデジタル捺染印刷機の商品化に成功しました。

インクのドットサイズを大・中・小、3つのサイズに自由に変えて吐出できるエプソン独自の高密度マイクロピエゾプリントヘッドを搭載し、捺染の前後処理において高い知見を持つフォルテックス社(イタリア)と連携してエプソンが開発した、捺染印刷に最適な専用インクを用いることで、インクジェットならではの美しいグラデーションや豊かな色調を、絹や綿、ナイロン、ポリエステルなどのさまざまな生地上にプリントできます。また、高品位モード(720dpi×720dpi 8パス印字)において毎時約30m²の高速プリントと、24時間連続稼働が可能な堅牢性は、量産プリント時の高い生産性を実現しています。

誕生の背景

当時捺染業界では、サンプル作成用としてデジタル捺染印刷機の採用が始まっていましたが、量産用として活用するには、デジタル処理技術やインクジェット技術の進展が待たれていました。繊維産業の活性化のために、デジタル捺染印刷を推進していたコモ地区の商工会議所や繊維協会の後押しを受け、捺染業界で50年の歴史を持つロブステリ社と、コンシューマープリンター市場で培ったインクジェット技術を有するエプソンが、デジタル捺染印刷機の開発を目指して業務提携することで、「モナリザ」が誕生したのです。

成果と反響

多品種・少量生産にも短納期で対応でき、廃液が少ないため環境負荷も低い「モナリザ」は、写真並みの精細な色調も生地に表現できるなど多様なデザインが可能であることから、デザイナーをはじめ繊維業界で高い評価を集め、「モナリザ」で捺染した生地は数多くの高級アパレルメーカーで採用されました。「モナリザ」は、イタリア国内に設置されているデジタル捺染印刷機の設置台数において長期にわたって1位を維持するなど、その登場によって、従来のアナログ捺染からデジタル捺染への本格的な移行が始まったといっても過言ではないほど、捺染業界に大きな影響を与えました。

2012年にはデジタル捺染ビジネスをさらに強化するため、エプソンは、捺染用インクにおいて業務提携していたフォルテックス社に、50%の出資を実施しました。この資本参加により、フォルテックス社の強みである捺染業のマーケティング力・コンサルティング力、前後処理プロセスの知見を融合させることで、インクジェット捺染印刷機を中心としたトータルソリューションを提供し、デジタル捺染のさらなる普及を図っています。

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