2024年10月16日

セイコーエプソン株式会社

プリンター5種と自動測色ポータブルテーブルのデザインが「2024年度グッドデザイン賞」を受賞

セイコーエプソン株式会社(以下 エプソン)は、プリンター5種および自動測色ポータブルテーブルのデザインが、暮らしや社会を豊かに導くデザインに対して与えられる「2024年度 グッドデザイン賞」を受賞したことをお知らせします。受賞デザインと審査員の評価コメントは以下のとおりです。

■ビジネスインクジェットプリンター [WorkForce Enterprise LM-C400]

オフィス向けA4カラーラインインクジェット複合機です。

新たにプリントヘッドを斜めに配置して紙搬送路を短くすることで、印刷速度40枚/分(注1)の高い生産性を実現しながらデスクトップサイズに小型化しました。レーザー方式と比較して低消費電力で、交換部品の少ない省資源化により、環境負荷低減に寄与します。クリーンなオフィス環境に変えるデザインを目指しました。

LM-C400:
https://www.epson.jp/osirase/2024/240409.htm

(注1)A4縦片面。印刷スピード算出条件はエプソンのホームページをご覧ください。

WorkForce Enterprise LM-C400

【審査員の評価コメント】

レーザー方式と比較して環境性能に優れるインクジェットプリンターを、デスクトップサイズに小型化することで、オフィスの環境負荷低減の推進を目指したモデルとなっている。同社のオフィス向けインクジェットプリンターのデザイン言語を引き継ぎ、ゾーニングが明快でインクカートリッジが見える窓など、必要な箇所に自然に注意が向けられるような視線誘導に優れたデザインがなされており、丸みを帯びた外観とともに、空間との親和性の高いアイデンティティを形作ることに成功している。

■カラーラベルプリンター [ColorWorks CW-C8020]

多品種少量のラベルを内製化、短納期化を図りたい製造業や食品、小売業、医療など、さまざまな業種に向けた高速カラーインクジェットラベルプリンターです。プラスチック部品の少ない大容量インクパック方式により、消耗品の廃棄物削減で環境負荷低減に貢献します。高耐久のラインヘッドを採用し、産業機として信頼できる堅牢感と使い勝手を進化させ、働く人が気持ちよく使えるデザインを目指しました。

CW-C8020:
https://www.epson.jp/osirase/2024/240826.htm

ColorWorks CW-C8020

【審査員の評価コメント】

商品の多様化、小ロット化、内製化など、新しい時代のものづくりに対応した、高速プリンターとして高く評価した。さまざまな現場のユーザーを想定し、インクやラベル用紙が全て正面から交換できるように配置され快適な交換作業が行える点、金属フレームを採用した堅牢性、ネットワーク対応により、利用箇所の多様化、他拠点コントロールにも対応していることから、さまざまな業態での活躍が想定される。サイズや造形の美しさ、省ゴミに対応したインクパック方式などでのコストパフォーマンスも加味し導入しやすく、大小さまざまな企業のデザインの自由度を高め、未来のものづくりを支えるデザインとして高く評価する。

■大判インクジェットプリンター [SureColor SC-P20500 シリーズ]

主にフォト・ファインアート市場向けに画質と生産性を高めた64インチ対応の水性顔料大判インクジェットプリンターです。大容量インクパックの採用により、オペレーターのインク交換回数が少なくなり、廃棄物も約1/10(注2)に削減しました。さらに、作業に使えるフラットな天面でスペース効率も高めています。将来の印刷現場をクリーンに変えるために、白い外装で高性能かつ洗練された佇まいとなるデザインを目指しました。

SC-P20550L:
https://www.epson.jp/osirase/2024/240723.htm

(注2)「SC-P20050シリーズ」対応のSC8系インクカートリッジ(700ml)と比較した場合

SC-P20550L

【審査員の評価コメント】

本製品は、フォト・ファインアート向けに12色インク搭載で最高クラスの色域表現を実現しつつ、印刷で発生する廃棄物は体積比で従来の約1/10に削減している。大判プリンターでありながら、天面をフラットとし作業スペースにできることで、設置の空間効率も考慮されている。インク交換の回数を減らすために大容量インクパックを搭載し、さらにそれを低い位置に置くことで作業負荷も低減している。最高画質を実現しつつ、人や環境にも優しい、優れたデザインである点を評価した。

■ガーメントプリンター/UVインク搭載プリンター [SureColor SC-F1050/SC-V1050]

狭い店舗にも設置しやすいコンパクトサイズのガーメントプリンターとUVインク搭載プリンターのエントリーモデルです。来店顧客はスマホ画像から専用アプリでオリジナルグッズを注文可能。店側はクラウド上で複数のプリンターを操作できます。人気拡大中のグッズビジネスを小規模から立ち上げ支援します。ショーケースのような透明外装から見えるプリント過程は作り手の創作意欲を高めるデザインを目指しました。

SC-F1050/SC-V1050:
https://www.epson.jp/osirase/2024/240123.htm

SC-F1050/SC-V1050

【審査員の評価コメント】

透明化された上部筐体が本製品の大きな特徴だが、実際の印刷の進捗が見えることで、安心感を与えるだけでなく目の前で物が生み出されるワクワク感にも繋がっている。潔い矩形の筐体は店舗での設置性を高め、店舗内のミニファクトリーとも形容できる新たな空間価値を創出している。また、ガーメントプリンターの表面シボ加工はファブリックの素材感を感じさせる仕上げとなっており、気の利いた遊び心が製品の魅力をさらに一押ししている。

■デジタル捺染機 [Monna Lisa ML-13000]

主に衣料、テキスタイル向けのデジタル捺染機です。従来は別工程で行っていた前後処理加工を、印刷と同時に施すことで捺染工程を短縮、顔料インクの採用により印刷後の「布を蒸す/洗う」工程も不要なため、水の使用量を大幅に削減でき、環境負荷低減に貢献します。外観は溶接などの板金加工を減らし、「エコに作る」デザインを目指しました。

Monna Lisa ML-13000:
https://www.epson.jp/products/textile/

Monna Lisa ML-13000

【審査員の評価コメント】

水の使用量97%削減、染めの工程が1.5ヶ月から3日に短縮という、数値だけをとっても、それを実現した技術開発そのものが、大きなイノベーションであり、衣料ロスという社会課題に対して、根本的な解決をもたらすデザインとして高く評価する。

機器の外装デザインにも、メンテナンス性や工場を明るくする外観、製造時のエネルギー量の削減が取り込まれている。ターゲット、技術革新、最終的なアウトプットに至るまで、エコとクリーンというコンセプトが一貫して組み込まれており、多様化するものづくり、ファッション業界において、目指す未来を示す総合的なデザインとして高く評価する。

■自動測色ポータブルテーブル [SureColor SD10ACRT]

大判プリンターの色合わせが簡単にできる自動測色ポータブルテーブルです。エプソンの測色器「SD-10」とカラーマネジメントソフトウェアを連携させて、印刷したカラーチャートを自動で測色し、プリンターとメディアの最適なプロファイルを作成することで正確な色に合わせます。独自の駆動技術により、高精度・小型・軽量な本体を実現しました。付属のキャリングケースで手軽に現場まで持ち運べ、簡単・正確に、速く測色が完了します。可搬性と作業性の良さを実現した、フラットでシンプルなデザインを目指しました。

SD10ACRT:
https://www.epson.jp/products/largeprinter/color-management/sd10acrt.htm

SD10ACRT

【審査員の評価コメント】

多様化し続ける市場の要望に可能な限りロスを生まず効率的に応えるためには、最小限のリソースで最大の精度を実現することが求められる。これまでプリンターの色補正作業には労力と多くの時間を要していたが、この製品はその作業を自動化し、効率と精度を両立させている点で大きな社会的意義を持つ。作業現場の環境を正確に理解し、プリンターで培った駆動技術を活用することで可搬性を向上させ、現場のニーズに的確に応えるデザインとして高く評価された。

以上

記載されている情報は発表日現在のものです。予告なしに変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。