2023年4月24日
セイコーエプソン株式会社
エプソンクロスインベストメント株式会社
脳波を活用したBCI*1技術開発のスタートアップ『Neurable』へ出資
セイコーエプソン株式会社(以下 エプソン)およびエプソンクロスインベストメント株式会社(代表取締役:小川 恭範、本社:東京都千代田区、以下 エプソンクロスインベストメント)は、両社の出資するEP-GB投資事業有限責任組合を通じて、脳波を活用したBCI*1技術開発を行うミシガン大学発スタートアップ企業Neurable, Inc.(CEO:Dr. Ramses Alcaide、本社:米国・ボストン、以下 Neurable)に対して、このほど出資しました。
これまで、脳とコンピューターやIoT機器とつなぐBCI技術は、医療やリハビリなどの特定領域における研究テーマでしたが、近年では脳波を検知するセンサーの精度や信号検出品質の向上などにより、集中力向上や睡眠の質改善、ストレス緩和などのヘルスケア領域や、ゲームやAR/VRなどの民生機器への応用が期待されています。
こうした脳波活用によるウェルビーイング*2やヘルスケア市場の拡大が見込まれる中、Neurableは、脳神経科学に基づくアカデミアの知見と豊富な研究データをベースに、AI(人工知能)を活用した脳波データの抽出・解析アルゴリズムを開発するとともに、非侵襲型で脳波データを取得できるこのBCI技術をさまざまなウエアラブル機器メーカーに販売・提供することで、自社開発のヘッドホンデバイスだけでなく、イヤホン、AR(拡張現実)など、ユーザーが自分のデータに安全にアクセスし、生産性やウェルネスを向上させることができる多様な製品を実現しています。Neurableは、その強みである高度なアルゴリズム技術やハードウエア技術により、脳波を活用することでいつでもどこでも誰でも、精神的・身体的な制限のない自由で快適な生活ができる社会の実現を目指しています。
エプソンは、脈波を含めた生体センシング技術の活用により、多様なライフスタイルを選択でき、心と身体の健康に基づく彩のある暮らしの実現を目指しており、今後成長を期待できるウェルビーイングやヘルスケア市場におけるNeurableの持つアルゴリズムやハードウエア技術、プラットフォームビジネスの可能性を評価し、今回の投資を実行しました。
今後もエプソンは、独自のテクノロジーや商品・サービスを基盤にさまざまなパートナーとシナジーを創り出し、持続可能な社会の実現に向け貢献していきます。
■エプソンクロスインベストメントについて
エプソンクロスインベストメント株式会社は、情報関連機器、精密機器メーカーであるセイコーエプソン株式会社が100%出資するCVC(Corporate Venture Capital)です。CVC運営に強みを持つ独立系ベンチャーキャピタルであるグローバル・ブレイン株式会社をゼネラルパートナーとしたファンド(EP-GB投資事業有限責任組合)を組成して、投資活動を行っています。
URL:https://www.epson-exi.com/
■Neurableについて
Neurableは、ミシガン大学のスピンオフであり、脳波を活用することで、「いつでも、どこでも、誰でも」、精神的・身体的な制限やストレスのない自由で快適な生活ができる社会の実現を志向するニューロテック*3スタートアップです。
<会社概要>
会社名:Neurable, Inc.
所在地:45 Bromfield St. #7 Boston, MS 02148, USA
代表者:CEO Dr. Ramses Alcaide
設立:2016年5月(from University of Michigan)
社員数:20名
事業内容:BCI技術開発およびヘッドホンデバイスの開発・販売、BrainOSのライセンス供与
*1:BCI(Brain Computer Interface):脳波(Electroencephalogram)と呼ばれる脳の電気パルス信号を検知し、その信号をコンピューターやIoT機器が理解可能なパターンに変換・抽象化し、機器をコントロールする技術
*2:ウェルビーイング:一人一人が精神的・肉体的、さらには社会的にも、幸福で全てが満たされた状態であることを意味し、SDGs(持続可能な開発目標)のゴール3「Good health and Well-Being/すべての人に健康と福祉を」でも言及されている
*3:ニューロテック:脳活動の計測・モニタリング技術、脳を刺激し治療や能力向上を促す技術など、ニューロサイエンス(脳神経科学)を応用した技術
以上
記載されている情報は発表日現在のものです。予告なしに変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。