2022年11月24日
セイコーエプソン株式会社
1インチサイズプラットフォームIMUのラインアップを拡充 『M-G366PDG』および『M-G330PDG』を開発
- 加速度センサー検出範囲±8G/16Gをお客様にて切り替え可能 -
セイコーエプソン株式会社(以下 エプソン)は、高性能な6軸センサーを搭載した慣性計測ユニット(IMU*1:Inertial Measurement Unit)の新ラインアップとして、スタンダードモデル『M-G366PDG』(以下M-G366)およびベーシックモデル『M-G330PDG』(以下M-G330)を開発、2023年1月よりサンプル出荷を開始します。量産開始は、2023年春を予定しています。
2011年にエプソン初となるIMU製品を発売以来、当社IMUは、精密農業(GNSS*2)やドローン、カメラ・アンテナ制振制御など、さまざまなアプリケーションに採用され、多くの実績と高い品質により、市場から好評を得ています。当社IMUは、高精度・高安定・低ノイズの特長を持った、ハイスペック製品「M-G370PDS」(以下M-G370S)、「M-G370PDF」(以下M-G370)を約1インチの縦横サイズを基本とした1インチサイズプラットフォーム製品としてラインアップしています。このたび、本サイズの選択肢を拡充するため、新たにスタンダードモデルとして『M-G366』を、ベーシックモデルとして『M-G330』をラインアップしました。
新製品『M-G366』および『M-G330』は、同一モデルにおいて、加速度センサーの検出範囲±8G/16Gをお客様にて切り替えて使用いただけると共に、ジャイロセンサーのすべての検出範囲において、ノンリニアリティ*3特性0.05%を実現し、ゆっくりした動作から早い動作まで、さまざまな動作を高精度に計測することが可能です。
小型・軽量・低消費電力といった1インチサイズプラットフォーム製品の特長を持つラインアップの拡充により、用途に合わせてさまざまな機能・性能から最適な製品をお客様に選択いただくことが可能となりました。
なお、新製品『M-G366』および『M-G330』は、12月7日から9日にインテックス大阪で開催される、「メンテナンス・レジリエンスOSAKA2022」(主催:一般社団法人日本能率協会)および11月30日から12月2日にオンライン開催される『第2回ネプコンジャパン オンライン』エレクトロニクス開発・実装展(主催:RX Japan株式会社)に出展予定です。
エプソンは、社会・技術の変革などから、情報を可視化できる高精度センサーの必要性がますます高まってくると考えています。今後も、小型・軽量・低消費電力に加え、高精度・高安定といった「省・小・精」から生み出す価値で、お客様の商品・サービスに大きく貢献するセンシングシステムを提供していきます。
■新製品の特長
- 1インチサイズプラットフォーム(24 x 24 x 10 mm³)
従来製品(M-G370/370S)と互換性を維持し、お客様の開発コスト・評価期間を大幅に削減可能 - 加速度センサーの検出範囲 ±8G/16Gをお客様にて切り替え可能
- ジャイロセンサーのノンリニアリティ特性0.05%を実現
- 低消費電流 16mAを実現
■本製品のアプリケーション
- 無人機(産業ドローン・地上車・海底探査 など)
- カメラ・アンテナなどの制振制御
- 産業機器などの振動・角度・軌道計測
- ナビゲーションシステム(GNSS、INS*4、高精度ロケータ)など
【関連リンク】
製品の詳細情報は下記ウェブページをご参照ください。
https://www.epson.jp/prod/sensing_system/
【お客様のお問い合わせ窓口】
セイコーエプソン株式会社 MD営業部 MDプロダクトマーケティンググループ
https://www.epson.jp/prod/sensing_system/contact/
■M-G366/M-G330の概仕様および1インチサイズプラットフォーム製品
性能・機能/製品名 | 新製品 | 新製品 | 従来品 | 従来品 | |
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ベーシック モデル |
スタンダード モデル |
ハイスペック モデル |
ハイスペック 低ノイズモデル |
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製品名 | M-G330 | M-G366 | M-G370 | M-G370S | |
検出範囲 | ジャイロセンサー*5 | ±400°/s | ±450°/s | ±450°/s | ±200°/s |
加速度センサー | ±16G/±8G | ±16G/±8G | ±10G | ±10G | |
精度 ・ 安定性 |
ジャイロバイアス安定性*6 | 3°/h | 1.2°/h | 0.8°/h | 0.8°/h |
角度ランダムウォーク*7 | 0.1°/√h | 0.08°/√h | 0.06°/√h | 0.03°/√h | |
ジャイロノンリニアリティ | 0.05% of Full Scale |
0.05% of Full Scale |
0.05% of ±300°/s |
0.05% of ±130°/s |
|
初期 バイアス |
ジャイロセンサー | ±720°/h,σ (-10℃~+60℃) ±1,800°/h,σ (-40℃~+85℃) |
±360°/h,σ (-40℃~+85℃) |
±360°/h,σ (-40℃~+85℃) |
±360°/h,σ (-40℃~+85℃) |
加速度センサー | ±4mG,σ | ±3mG,σ | ±2mG,σ | ±2mG,σ | |
インターフェイス | SPI/UART | ||||
出力分解能 | 32bit/16bit | ||||
最大データ出力レート | 2,000Hz | ||||
動作温度範囲 | -40℃ ~ +85℃ | ||||
消費電流 | 16mA(3.3V) | ||||
製品サイズ | 24 x 24 x 10 mm³ |
※断りなき場合、仕様値はTypical値です
- *1:慣性計測ユニット(Inertial Measurement Unit:通称IMU)3軸の角速度センサーと3軸の加速度センサーからなる慣性運動量を検出する装置
- *2:GNSS(Global Navigation Satellite System)全地球測位衛星システム
- *3:ノンリニアリティジャイロセンサーあるいは加速度センサーの入出力特性において、線形近似したときの近似直線と出力値のずれ幅(誤差)の最大値をフルスケールとの比で表したもの
- *4:INS(Inertial Navigation System)慣性航法装置
- *5:ジャイロ(角速度)センサー基準軸に対する、物体の単位時間当たりの回転角度(角速度)を検出するセンサー
- *6:バイアス安定性(Bias Instability)アラン分散※で水平(0乗)の特性を表す部分をバイアス安定性と呼ぶ。1/fノイズと相関があり、センサーのポテンシャルを表す重要な指標の一つである
- *7:角度ランダムウォークアラン分散の-1/2乗の傾きがある部分を角度ランダムウォークと呼ぶ。ホワイトノイズと相関があるため、平均時間を長くすると平均時間の-1/2乗で値は小さくなる
※:アラン分散
センサーの性能を表す指標の一つで、静止時出力の安定性を表している。横軸にデータの平均時間、縦軸に平均時間で区切ったときの平均値の分散を示している。アラン分散に現れる特性の傾きは-1、-1/2、0、1/2、1乗の傾きになることが知られており、アラン分散はノイズ密度と相関性があり、ノイズ密度は周波数、アラン分散は時間で表現される指標である。値が小さいほど、安定度が高く、性能がよいことを示す。
以上
記載されている情報は発表日現在のものです。予告なしに変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。