熱狂した日本。
勝負の時を刻んだ「私たち」。
1964年、国際的スポーツ競技大会によって、
日本中が熱気に包まれた。
世界中のアスリートは、この日のために鍛錬し、人生をかけてきた。
「時」「分」「秒」が勝敗を左右する。
私たちは、その「時間」を刻む大役を担う。
掲げたスローガンは、「これまでの計時装置より一歩進んだものを」。
結果、私たちは、
大会史上初の計時記録の正確さと迅速さが絶賛された。
この成功は、後に世界初の小型軽量デジタルプリンターや
世界初のクオーツ時計の開発に大きな影響を与える。
小型化、省スペース・省電力化を実現させるためには、
世の中にないサイズの部品も必要だったため、
開発と製造まで行った。
ゼロから何かを創造することは、容易いことではない。
生みの苦しみはあるも、
その後の歓喜が私たちの原動力だ。
ゼロからのイチ、イチからのニ。
その距離は同じだが、前者と後者の違いは大きい。
「世の中にないものは、自分たちで作る」。
この精神が「私たち」のものづくりにおける根源なのだ。
1964年、国際的スポーツ競技大会によって、
日本中が熱気に包まれた。
世界中のアスリートは、この日のために鍛錬し、人生をかけてきた。
「時」「分」「秒」が勝敗を左右する。
私たちは、その「時間」を刻む大役を担う。
掲げたスローガンは、「これまでの計時装置より一歩進んだものを」。
結果、私たちは、
大会史上初の計時記録の正確さと迅速さが絶賛された。
この成功は、後に世界初の小型軽量デジタルプリンターや
世界初のクオーツ時計の開発に大きな影響を与える。
小型化、省スペース・省電力化を実現させるためには、
世の中にないサイズの部品も必要だったため、
開発と製造まで行った。
ゼロから何かを創造することは、容易いことではない。
生みの苦しみはあるも、
その後の歓喜が私たちの原動力だ。
ゼロからのイチ、イチからのニ。
その距離は同じだが、前者と後者の違いは大きい。
「世の中にないものは、自分たちで作る」。
この精神が「私たち」のものづくりにおける根源なのだ。
Article
ないものは自分たちで作る。「創造と挑戦」の哲学が
世界初の誕生を生む。
時計からプリンターへ。知られざる
エプソンの背景。
セイコーエプソン株式会社(以下エプソン)のルーツが時計づくりから始まったこと、そしてどのように現在のエプソンの事業拡大に繋がっているか知る人は多くないでしょう。その代表的な出来事は、1964年に開催された国際的スポーツ競技会にてセイコーが公式時計を担当したことにあります。
アスリートを支えた計時記録の
正確さと迅速さ。
「科学」をテーマにしたこの大会において「これまでの計時装置より一歩進んだものを」をスローガンに名乗りを上げ、セイコーが公式計時を担う大役に選ばれます。当時セイコーグループの一員であった諏訪精工舎(現エプソン)もその一員として参加しました。諏訪精工舎では、59Aプロジェクトで開発を進めていた水晶時計の技術を軸に「クリスタルクロノメーター」を開発。さらに時間の電子計測とデジタル表示の水晶発振式デジタルストップクロック、そして印刷機能を搭載した「プリンティングタイマー」を短期間で開発・実用化させます。
これらの開発により、これまでにない計時記録の正確さと迅速さを実現させ、「はじめて、計時に対するクレームがまったくない大会」と評されました。
この成功の後、世界初の小型軽量デジタルプリンターとなる「EP-101」(1968年)、世界初のクオーツウオッチ「セイコー クオーツアストロン35SQ」(1969年)を世に送り出すことにつながっていったのです。
「EP-101」の開発
1964年のスポーツ競技会からの数年間は、エプソンが自社でマーケティング・販売・サービスまで行う総合メーカーへの移行期間にもなりました。そして当時は社会的に電子卓上計算機の導入が進んだ時期でもあり、小型プリンターの将来性に注目し、1968年に「EP-101」を商品化します。
「EP-101」は、片手に載せることができるほど小型・軽量で、消費電力も従来のプリンターの約20分の1に抑えた画期的なデジタルプリンターでした。
「世の中にないものは自分たちで作る」の精神により開発した「EP-101」は、従来の時計製造で培った「省・小・精の技術」を新たに情報機器分野で展開するきっかけとなり、累計販売台数144万台の大ヒット。本格的に海外進出することへ繋がる製品にもなりました。
国際的スポーツ競技会で正確・迅速な計時に活躍した「プリンティングタイマー」、その後の「EP-101」の開発が現在の主柱事業であるプリンティング事業のルーツとなったのです。
現状に満足しない。常に高みを目指す
クラフトマンシップ。
クオーツ時計の挑戦も続きます。目標はあくまでも腕時計サイズにまで小型化、省スペース・省電力化することでした。そのためには、いくつも越えなければならないハードルがあり、特に水晶振動子、電子回路、モーターは、世の中にないサイズのものを必要としました。
これらの外部からの調達は難しいと判断し、自社での開発・製造に着手。1969年、世界初のクオーツ式腕時計「セイコー クオーツアストロン 35SQ」を開発します。その後、世界初の6桁表示の液晶デジタルクオーツウオッチの開発(1973年)など、世の中の技術の発展に寄与した証として「IEEE マイルストーン賞」(2004年)や「未来技術遺産」(2018年、2019年)など高い評価を得ました。
「プリンティングタイマー」や「EP-101」と同様に、クオーツ式腕時計の製品化においても「世の中にないものは、自分たちで作る」という想いがありました。
この創造と挑戦の精神は、今も変わらず企業の基本姿勢となっています。