いかに空間を組み立てて柔らかな生命のようなリズムで満たすか
山本 明彦さん
セイコーエプソン株式会社
つながり:「ゆめ水族園」アートディレクター
日常、自分の外側の変化があることは、あえて確認することもあまりないのだと思う。例えば変化の少ない病室。わずかな時間ではあるが、視覚、聴覚、触覚からいつもと違った世界を体感していただく方法を探っている。
映像は、何ができるのだろう?映像本来の直接的な効果に着目し動く絵画のように光そのものが持つ秘められた力を借りて練りあげてみる。映画のような物語の情報伝達ではなく、感覚刺激としての映像空間。そこで生まれた笑い、手のかすかな動き、対話、それら自由な解放された表現は、その人の精神活動そのもの。心の反映でもあるし、心地よい。パッと「美しい」とだけでも感じていただければ、それはきっと大切なことだ。美の発見。
魚や水、植物、風が発する刺激に注目してみれば、どれもが互いに揺らぎ、体験者を交えてランダムな映像空間の世界が展開される。その魅力は、人が直接的には作れないことなのかもしれない。そこには、人の憧れもあるのかも。
いかに空間を組み立てて柔らかな生命のようなリズムで満たすか?静かで柔らかく動的な刺激と人の関わりの空間を模索している。