五感を刺激する重要性を再認識しました

井澤 陽子さん

枚方総合発達医療センター

教育担当部長

つながり:「ゆめ水族園」2023年度開催

4年越しの夢がかない「ゆめ水族園」を体験させていただきました。

特別な入口から入り、カーテンを開けるとそこは、まさに夢の空間が広がっており、想像を超える空間に思わず「わー!」と声が出ていました。それぞれのエリアで心地良い感覚刺激(音、光、色、動き、触れるなど)を全身で感じることができました。また、緩やかな音楽や揺れにより時間の流れをゆっくりと感じることもできました。

その体験の中で、いつもは早く行動する利用者さんがゆっくりと眺めながら行動している様子や直前まで寝ていたのに水族園に入った瞬間覚醒する、目を見開き映像を注視、追視、金魚を捕まえようと手を伸ばす、声を出して笑うなどの反応が見られました。もちろん重症の利用者さんも目を見開いて眺める様子や声を出すなどなど、いつもと違う反応を見ることができました。また、普段険しい表情の利用者さんが穏やかな表情で過ごし、声をあげる利用者さんが体験中は興味津々周りを見て楽しそうに過ごされていました。刺激の反応が感情を揺さぶり、普段はお菓子を食べた時にだけ、「幸せ」という利用者さんが体験中に「幸せ」と発言があり、心から楽しんでいると思ったと同時に、もっと「幸せ」を感じてもらえるような関わりをしていきたいと思いました。その他、普段散歩など拒否する利用者さんがとても気に入り、1日に3回体験し、2日目は、涙を流して鑑賞するなど反応がありました。

これらの体験談すべては、まさに“からだがゆるむ こころほどける”体験であり、刺激によりその人の持っている感情や能力を呼び起こした結果だと思います。持てる力を発揮するため、五感を刺激する重要性を再認識しました。

今回の体験は、普段はゆっくりと過ごし、話をすることができない他部門のスタッフと利用者さんとのコミュニケーションの機会にもなりました。

今後は、リラクゼーションスペースを活用して五感を刺激し、利用者さんと職員が笑顔で穏やかに関われるような空間つくりを実践していきたいと思っています。